- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122054622
感想・レビュー・書評
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『ハチ公の最後の恋人』の続編だったみたい。内容はやっぱりよしもとばななだな。ハワイの空気が伝わってくる。ハワイに行きたい、癒されたい。
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常夏の光に満ちた、優しくて激しい恋のお話でした。
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《本文より》
「ごめんね、急に行かなくてはいけなくなったの。
家のつごうに逆らえるほど大人じゃない自分の年齢が悲しい。
向こうから必ず電話するから。
あなたの人生にいっぱいいっぱいいいことがこれからも起こりますように。
もうお昼寝の時に手を握ってあげられないし、アイスコーヒーにミルクと蜂蜜をいっぱいいれてぐるぐる混ぜて飲みほすあのやり方もできない。
あなたは私のなんだったの?
自分じゃないのに自分みたいなあなた。
あなたの人生にいっぱいいいことがこれからも起こりますように。
満天の星のように、きれいな滝の水みたいにどんどんふりそそぎますように。
あなたにもあなたのママにも遠くにいるあなたのパパにもこのお祈りが届きますように。」
いろんな意味でありえないことだったのに、ものすごく好きになってしまっていた。彼はいちばんずるい角度から私の心にすとんと入ってきて、思いもよらない方法ですっかり私の心を奪っていた。
道徳的で真剣に考えているふうでも私の考えていることは自分を守ることばかりで、かたや死んだ弟のために自分の人生をいったんすっかり投げ出し、でも犠牲的にはならない珠彦くんのほうがよっぽどぶれていない。 -
ばななさんの本を久しぶりに読みたくなったので、再読。
珠彦くんとテトラの発する言葉がきゅんとくる。
「いいです、わからないことがたくさんあっても、言葉の色がわかるから。」
言ってみたい。
ハワイ行こうかな。 -
ハワイ島の描写が、天国みたいとか、夢みたいとか、うるさいので、そこは飛ばして読むと良い。
めちゃくちゃな母親に育てられた男の子と女の子の話。母親の個性が強すぎて、誰が主人公かわかんなくなる程。
このめちゃくちゃな女達のことばに後押しされたのか、ひっぱられたかのどちらかで、大きな決断を下した2013年5月5日。
あの旅に持って行ったのがこの本でなかったら。行きの電車や絶望した公園でこの本を読まなかったら。
同じ事をしていたかどうかわからない。
自分の心の声をよく聞き取ること。
自分の心の声を信じるということ。
それを発するということ。
本にひっぱられただけなら、愚かなことだ、と思って、帰りにカフェで振り返ったけど、やっぱり私のしたことは間違ってないと思う。
胸は痛くて苦しいけど。苦しいのが今なのか、後なのかの違いだけだ。 -
繋がってる運命の男女の話。
なぜか出会う。
何か感じる。
またしてもハワイは綺麗な色合い。
行ったことないからわかんないけど。 -
とてもよかった。
登場人物それぞれがなんとか心にとどめている、きれいな感情もきたない感情が、ハワイのぎらぎらした光のせいで一つ残らずくっきりと浮き上がってしまう、そんな感じ。
よしもとばななのスピリチュアルな要素は、合わない時にはほんとに合わないんだけど、今回はとてもいい具合に設定に組み込まれていた気がします。
ハワイいきたいな~ -
やっぱりばななさんだなぁと。
ほっとして、はっとして、すっとする。 -
この設定、どこかで読んだと思ったら『ハチ公の最後の恋人』の続編ということでこちらも再読中。
宗教観・説教臭さが他の作品より薄くてすごく好きな1冊でした。
今の私の心に寄り添ってゆっくりゆっくり焦らずに良いんだと優しい元気をもらいました。
★2016年再読
やはり好きな本でした。