千年ごはん (-)

著者 :
  • 中央公論新社
3.59
  • (10)
  • (31)
  • (33)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 319
感想 : 41
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122055414

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大変僭越ながら、我が家の食卓にそっくりで
    驚きました。展覧会の差入としていただいた一冊。
    下さったのは秘かに、憧れている方でしたから
    喜びと感激はひとしお、でした。
    幾たびも手にして、読み返す一冊となりそうです。

  • 歌人でもあり小説家でもある著者が、日常の食事に思いを馳せて詠んだ歌とエッセイ。
    干し物文化について書かれたエッセイの、
    「戻していく時間と、新しく加えられていく時間。生きていくということもこれに似ているのでは、と唐突に思う。長い間会わなかった人と、ふいに再会する。干物がやわらかくふやけていくように、その人に対して持っていた感情もゆっくりとやわらかく取り戻してゆけるのだから」
    というくだりが心に残りました。
    対になる歌も深いなぁ。

    取り戻せることもあるのよ とにかくね今の今なら今が今なの

  • +++
    山手線の中で出会ったおじさんのクリームパンに思いを馳せ、徳島ではすだちを大人買い。これまでも、これからも、連綿と続く日常のひと皿に短歌を添えて。日々のおだやかな風景を歌人が鋭い感性で切り取る食物エッセイ。
    +++

    その家庭、その人のそのときどきのひと皿というものは、なんと魅力的でときめかされるものなのだろう。その人にとっては日常的、あるいは母から受け継いだ特別の日の食卓の料理の一部なのだが、読者は人さまのプライベートな部分をそっと覗き見するような心地になりもする。どのひと皿にも著者やご家族のそのときにしかない気持ちが宿っていて、料理がどれもおいしそうなのはもちろんなのだが、その周りにいる人のことを思い浮かべてあれこれ想像をめぐらしたりもしてしまう。食べるということの本能的な貪欲さをも感じられるのである。一首が添えてあることで艶かしさ――あくまでも健全な――が更に増す一冊である。

  • 「ほんのり厚めのロース肉」「ラー油をぽとりと落とした酢じょう油」「じんわりとひろがる草と光の記憶」「とろとろと流れる水を舌で直接受け止めると、なんだかうっとりあまかった」など表現がすごくいい。

    23 白く、はかないものが一番スキ。

  • (往来堂書店でゲット。
    表紙絵にひかれ……東直子さんの本♪だったから。)

全41件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東直子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×