戦略の歴史(下) (中公文庫 キ 6-2)

  • 中央公論新社
3.78
  • (1)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 75
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122060838

作品紹介・あらすじ

先史時代から現代まで、人類の戦争における武器と戦術の変遷を、石・肉・鉄・火という文明の主要な構成要件別に著述、制約・要塞・軍団・兵站などについても科学的に分析する。戦闘集団が所属する文化との相関関係を解読する画期的な戦争と文明論。下巻は鉄器の利用、密集方陣から始まる戦闘や軍隊の形の変化、火薬と要塞、火力兵器の発展について。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 石と肉に続き、鉄と火を主題に戦争を語る。
    前巻と同様に、歴史的ストーリーをお題目にからめて紹介するのだが、やはり学問として整理されているとは言い難く。
    ジャレド・ダイアモンドやウィリアム・H・マクニールを参照し、細かいデータとエピソードが豊富で歴史好きなら楽しんで読めるには違いないが、回りくどい筆者の述懐に追いつくのに必死で知識として吸収しにくい。
    だが逆に言えば、図解して整理する余地があるので、自分でノートにまとめるという楽しさもあるかもしれない。

    「ギリシャ時代の密集方陣は左手に盾を構えるので、隊列はどんどん右側に流れていった」という逸話は紹介されるが、それに指揮官がどう対処したのかは記されない。
    これを知識の書ではなく、物語の書として楽しめる人にはオススメできる一冊。

  • 基本的に、西欧に焦点をあてているのは、まあ仕方のないところなんだけど、そういう意味では欧米の精神的基盤がいったいどのあたりにあるのかということも、あわせて理解できると言えよう。
    歴史や軍事に興味ある人、歴史ものでアクション書きたい人にとっては、とくに、ギリシア式の密集陣がどういうものか、よくわかります。素晴らしい。
    但しそういう用途で読む場合、それ以降の部分ではあまりこれといって具体的な例が出てこないので注意。
    但し「兵站」の章はそれなりに参考になる人は多いかも知れない。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

軍事史家。オックスフォード大学卒業後、サンドハースト王立陸軍士官学校で戦史を教える。1986年退官後『デイリー・テレグラフ』で国防担当記者Defence Correspondent として活躍、著書に『戦争と人間の歴史 War and Our World』(井上堯裕訳 刀水書房 2000)、『戦略の歴史 A History of Warfare 上・下』(遠藤利國訳 中公文庫 2015)、『チャーチル Winston Churchill 』(富山太佳夫訳 岩波書店 2015)『戦場の素顔 The Face of Battle』(高橋均訳 中央公論新社 2018)他多数.

「2018年 『情報と戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジョン・キーガンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×