背教者ユリアヌス(二) (中公文庫 つ 3-26)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122065239

作品紹介・あらすじ

皇族であることが知られたのちも、変わらぬ学友や踊り子ディアたちとの青春の日々を過ごすユリアヌス。だが、副帝となった兄ガルスが謀反の疑いにより処刑され、ユリアヌス自身も宮廷に召喚され、裁かれることに。そこでの、皇后エウセビアとの出会いが、彼の、そして帝国の運命を大きく変えていく……!!〈巻末付録〉連載時日記(抄)〈解説〉金沢百枝

感想・レビュー・書評

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    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    この巻では異母兄ガルスが副帝となったが、謀反の罪で誅殺され、次にユリアヌス自身が副帝となり、ガリアの叛乱を鎮圧するために派遣される物語となっている。
    しかし、上記の物語の間には軽業師のディアと想いを通い合わせたり、皇后エウセビアに実らぬ想いを寄せたりと様々なできことがありつつも、最終的にはユリアヌスを誅殺しようとする魔の手が迫りつつあるところで二巻は終了している。
    ユリアヌスは副帝になることを望んでいなかったが、自らの血筋の意味を考え、帝国のために出来ることをやろうとする姿勢には非常に好感を持った。

  • ユリアヌスがついに表舞台に。学問の道で生きるはずが、戦いの場に引き摺り出され、それでも自らの運命を受け入れて「単なる哲学者から、哲学の理想を実現する統治者になろうと努力」する姿に感動する。こういう人物だから人はついていこうと思うのだろう。

  • 学友たちとの平穏な日々を過ごすユリアヌスだったが、兄ガルスの謀反の疑いにより、宮廷に召喚される。皇后との出会いが彼の運命を大きく変えて……。

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著者プロフィール

作家。1925年、東京生まれ。57年から61年までフランスに留学。63年、『廻廊にて』で近代文学賞を受賞。こののち、『安土往還記』『天草の雅歌』『背教者ユリアヌス』など、歴史小説をつぎつぎと発表。95年には『西行花伝』により谷崎潤一郎賞を受賞。人物の心情を清明な文体で描く長編を数多く著す一方で、『ある生涯の七つの場所』『楽興の時十二章』『十二の肖像画による十二の物語』など連作短編も得意とした。1999年没。

「2014年 『DVD&BOOK 愛蔵版 花のレクイエム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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