息の限りに遠吠えを (中公文庫 は 66-4)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122066625

作品紹介・あらすじ

時は一九世紀。一匹の犬が愛玩犬として日本からアメリカへ送られる。道中で出会うのは、性格も肌の色も違う様々な人間たち。優しい人間、その人間を迫害する人間、他の動物を絶滅させようとする人間。抗うことのできない歴史の奔流の中で、彼の命を懸けた反抗が、やがてこの世界に小さな希望を灯す――。

感想・レビュー・書評

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  • 幕末、さらわれた子犬が海を渡り、紆余曲折ののちインディアンと暮らすようになるが、白人との戦いを経て帰国し、亡くなってしまうまでを、犬目線で書かれた小説です。

    アメリカ開拓時代の白人が諸悪の根源みたいだが、いつの時代にも当てはまりそうである。
    帰国後があまりにもあっさりと書かれているが、川縁で老犬として死ぬまではどんな生活だったんだろうか。悲しくなってくる。

  • 主人公たる犬の一人称で全編が進む。

    珍種のジャパニーズスパニエル?としてアメリカに渡った主人公は、狼やバイソン、馬、ピューマなど様々な「種族」との出会いを経験しながら、白人との戦いに突き進む。

    アメリカ開拓時代の(あえてそう書かれているのだが)インディアンと白人の対立と、生麦事件の日本とが重ね合わされている。

  • 時は一九世紀。一匹の犬が目にしたのは、同じ種族同士で争い、他の種族をも滅ぼそうとする動物――人間。歴史の奔流の中で、彼が見つけた小さな希望とは。

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著者プロフィール

萩耿介
1962年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部ドイツ文学科卒。2008年『松林図屏風』で第2回日経小説大賞受賞。著書に『炎の帝』『イモータル』(中央公論新社刊)の他、『覚悟の眼』『極悪 五右衛門伝』などがある。

「2022年 『食われる国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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