- Amazon.co.jp ・本 (628ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122067424
作品紹介・あらすじ
グレートヒェンを悲運のどん底に落とし心身ともに疲れきったファウストは、しかし「最高の生き方をめざして絶えず努力をつづけよう」と決意する。巨匠ゲーテがその八十年の生涯をかけて、言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った不朽の大作の画期的な名訳。
感想・レビュー・書評
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第一部も含めての感想です。
初読。訳は手塚富雄ので。ファウストが思ったより大分ろくでもない奴で、その上内容も中々ぶっ飛んでるせいで、なんか途中からギャグ漫画みたいに感じながら読んでた。そのせいか登場人物の脳内イメージが漫☆画太郎の絵柄で再現されて困った。たぶん正しい読み方ではない。
まあでも解説で「読み方は自由」と言ってたしこれも正解の一つなのかな? -
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・眠りは殻、その誘いを振り棄てよ。臆することなく起って進め、世の人々はためらい惑うとも。気高い者が明知と勇気をもって事にあたれば、すべてのことは成就するのだ。
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図書館の貸出期限を何度も延長して、ようやく読了。とはいえ、話を追うのに精一杯でぜんぜん噛みしめられなかった。メフィストはやっぱりかわいかった。
第一部のほうが読みやすかったのはやっぱり書いてる時のゲーテの年齢が近いからだろうか。10年おきに読み返したい気がする。解説で中村光夫も書いていたように、ぜったい年をとったほうが面白い作品だろうと思う。 -
ワルプルギスの夜に最愛の女性を救えなかったファウスト。舞台はギリシア神話の色濃い世界へと移ります。全てを見たいと欲していたファウストが盲人と化し、勘違いの上に至上の喜びを感じた結末は皮肉的でもあり、同時に向上心が強く、理想を抱き続けたファウストらしさも感じられます。キリスト教的な価値観で言えば、異教であるギリシア神話の世界との交流やファウストの犯した様々な悪行は救済に値する物ではない様に思えますが、単なるヨブ記的調和としての救済ではなく、ここにゲーテが作品に託した想いがあるのかもしれませんね。
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巨匠ゲーテが言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った大作を、翻訳史上画期的な名訳で贈る。読売文学賞受賞作。〈巻末エッセイ〉中村光夫