宇宙からの帰還-新版 (中公文庫 た 20-10)

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122069190

作品紹介・あらすじ

宇宙から地球を見る。この極めて特異な体験をした人間の内面には、いかなる変化がもたらされるのか。

十二名の宇宙飛行士の衝撃に満ちた内的体験を、卓越したインタビューにより鮮やかに描き出した著者の代表作。

宇宙とは、地球とは、神とは、人間とは――。知的興奮と感動を呼ぶ、壮大な精神のドラマ。

〈巻末対談〉野口聡一×立花隆

〈巻末エッセイ〉毛利衛


【目次より】

宇宙からの帰還

 第一章 上下・縦横・高低のない世界

 第二章 地球は宇宙のオアシス



神との邂逅

 第一章 伝道者になったアーウィン

 第二章 宇宙飛行士の家庭生活

 第三章 神秘体験と切手事件



狂気と情事

 第一章 宇宙体験を語らないオルドリン

 第二章 苦痛の祝賀行事

 第三章 マリアンヌとの情事



政治とビジネス

 第一章 英雄グレンとドン・ファン・スワイガート

 第二章 ビジネス界入りした宇宙飛行士

 第三章 宇宙体験における神の存在認識



宇宙人への進化

 第一章 白髪の宇宙飛行士

 第二章 宇宙体験と意識の変化

 第三章 宇宙からの超能力実験

 第四章 積極的無宗教者シュワイカート

感想・レビュー・書評

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  • 立花隆さん死去 ジャーナリスト、評論家 ベストセラー「田中角栄研究」政治、科学など幅広く 80歳:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/112182?rct=national

    「知の巨人」立花隆のすべてがここに『知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと』 - HONZ
    https://honz.jp/articles/-/45554

    宇宙からの帰還|文庫|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/bunko/2020/08/206919.html

    • しずくさん
      この本は大好きで、当地に来られた講演会にも出かけています。惜しい方を失くした思いでいっぱいです。
      この本は大好きで、当地に来られた講演会にも出かけています。惜しい方を失くした思いでいっぱいです。
      2021/06/23
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      しずくさん
      ホント凄い方でしたね!
      手元には、この本の旧版しか残っていない。。。嗚呼、、、
      立花隆 | NHK人物録 | NHKアーカ...
      しずくさん
      ホント凄い方でしたね!
      手元には、この本の旧版しか残っていない。。。嗚呼、、、
      立花隆 | NHK人物録 | NHKアーカイブス
      https://www2.nhk.or.jp/archives/jinbutsu/detail.cgi?das_id=D0009071027_00000
      2021/06/23
  • 『FULL MOON』という写真集を持っています。アポロ11号の月面着陸の記録写真集。人間を月に送った当時のテクノロジーは、アポロ計画以降には月への行き来が途絶えていることを踏まえると、現代に至るまで最先端であり続けているといえるでしょう。50〜60年も前の科学技術です。よくぞ成し遂げたものだと素直に感動をおぼえます。

    地上の僕は、星空を見上げるのみの生涯を送っています。月から地球を見る経験は得られそうにないけれど、ここから目を凝らし見つめる星々に思いを馳せるだけでも、いかに僕自身の存在の小さきとことを痛感しています。自覚することが、全ての第一歩につながっているのかな。

  • 立花隆さんの、印象は
    教科書の人というイメージだった。
    曲がりなりにもマスコミで働きたいと思っていた私は
    昔学ぶために読んだ記憶があるが中身の記憶はない…


    宇宙からの帰還

    40年近く前の書籍に驚き

    取材で見聞きした、を超えて
    想像力と自分の視野で感じたかのように記述しており、

    当時の宇宙への旅も、少し難しかったが
    また宇宙飛行士のエピソードも飽きることなく読めた。

    実際に地球から離れ、地球を見つめた人の言葉が印象的だった。神がイメージされるのはやはりクリスチャンが多いアメリカだからか。
    きっと永遠に宇宙に魅せられる。


    氏はこの未来には
    宇宙飛行士だけでなく巨額の資金を使って一般の人も宇宙旅行へ行けるだろうと書かれていて、
    現在、そうなりつつあることを直接見たかったのではないだろうか

  • 実際に宇宙に行った宇宙飛行士のその後を取材したルポ。宇宙飛行士の心境や価値観、神への考え方の変容などが丁寧に書かれている。

    ここでは14人の宇宙飛行士がそれぞれの体験を語っているけど、地球軌道を周回した人、宇宙遊泳した人、月の軌道を回った人、そして月の上に立った人でもまた体験は異なっている。ただ、それぞれ異なることを言ってようで、本質的には繋がることを語っているのかなと思ったり。

    この本の結びで、著者は宇宙飛行士の意見をまとめようと試みたけど断念したと書いてたけど、その気持ちはわかる。なんか壮大すぎて下手にまとめると間違って伝わりそう。なので、科学に興味ある人はぜひ読んでほしい本ですね。

    宇宙に行きたくなるけど、あと20〜30年以内に一般の人が宇宙旅行できるようになっているのか。難しそうだけど、ライト兄弟が初めて空を飛んでから人類が初めて宇宙に行くまでが60年弱って聞くと、可能性あるように感じる。

  • 頑張って読んだけど、アポロ計画のこととか何にも知らないで読んだので、ほぼよくわからなかった。
    地球の周りをぐるぐるしてるだけじゃさほど頭はおかしくならないらしいが、月まで行くと、地球が1円玉みたいに見えて、頭がおかしく宗教家になる人が多いらしい。いつか科学的なことにも興味を持てた日が来たらまた読みたい。宇宙に行って与えた心的環境の変化のところは面白かった。以下抜粋。

    人間は地球は特別な存在と考えてるが思い込みに過ぎない。人間は地球の上で大した存在ではなく、地球は宇宙の中で大した存在ではない。

    神はパターン。遠いところから見れば近いところでは見えなかった類似性が見えてくるから。

    人間は限界があると思っているから限界があるのであり、与えられた環境に従属せざるをえないと思っているから従属するのである。

  • 宇宙でのこぼれ話に興味津々。
    数々の危機的状況に即座に対応できる彼らの能力には感嘆しました。どれほどの努力と経験を積み重ねてきたんだろう。

    宇宙を体験して内面に変化はあったか?
    宗教的・思想的なインタビューに対して語った内容は、12人の宇宙飛行士の間でも共通性を感じた。
    ・地球は奇跡のように美しいこと
    ・地球環境への関心、保護の思いが強まること
    ・宇宙から地球を見ると、同じ「人」という人種なのに民族や宗教の違いで争うのはとても馬鹿げていると感じること。

    宇宙からも戦火は見えているそうです。
    作中1人の宇宙飛行士が語ったように、民族・宗教・国でもなく「地球に住まう人類」という意識でみんながいられたら平和でいられるのか…。
    今、まさに戦争が起きていることが残念で悲しくてならない。
    読むと、宇宙体験が自分にどんな変化をもたらすのか、興味がわいてきます。

  • 勝手な思い込みで、宇宙から帰還したあと、宇宙飛行士の身体的な変化についてまとめられたものとばかり思っていましたが、想像と違ってました

    宇宙から眺める地球の姿を見て、宇宙飛行士の精神面の変化について、アメリカの宇宙飛行黎明期に携わられた宇宙飛行士の方々にインタビューを通じてまとめられていました

    想像できない内容で、とても興味深かったです

    また、何名かの方にインタビューされていますが、それぞれ違った形で影響を受けられていて、でもどこか共通的な部分もあって、

    地球をただ単に軌道から眺めたときと、船外活動中に眺め時、月に上陸して眺めた時でまた違っていて、地球をより遠くから眺めることができた方ほど影響を受けられているようでした

    無限に広い宇宙から地球を眺めたことで、宇宙からすると地球はとても小さな存在で、その中での国同士の争いがバカバカしく感じられたお話や、宗教も宗派なんて小さな区分けにすぎない、という考え方に変わった話、生命誕生は、やはりうまく出来すぎていて、やはり創造されたものかも、と思うようになった話、などなど、初めての感覚というか観点ばかりの話でまったく飽きませんでした

  • 宇宙空間にある地球、その中の生命体としての人間の存在。それを体験・実感出来るのは勿論宇宙に行った人だけだ。その頃迄に地球外に行った宇宙飛行士から詳しくインタビューをした作品で、とても面白かった。神の存在や精神活動の変化等、興味深い事ばかり。
    また、この本を読んで実際宇宙飛行士を目指すきっかけを与えているというのも素晴らしい。
    細かく読み解けばその度に深さを増すだろう。

  • タイトルからして宇宙飛行士の体験談やテクニカルな話が多いのかと思っていたら、全然違っていた。

    もちろん、それらの話も出てくるが、本書は宇宙飛行士たちの人間模様、さらには宗教観までかなり深く掘り下げた内容になっている。描写も生々しい。特に、オルドリンについての記述には怖ささえ感じた。

    こうした記述が可能なのは、立花によるインタビュー、ならびに取材へ向けた綿密な準備があるのだろう。

    ジャーナリストとしての力量を改めて感じた力作である。

  • 立花さんがお亡くなりになってから、それまで知らなかった彼の本を読みたいと思い、手にしました。

    宇宙飛行士の体験後に起こる生活の変化、意識や精神の変化が丁寧に取材され文章化されています。
    哲学的なことが好きな私には面白い本でした。

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著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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