金子光晴を旅する (中公文庫 か 18-16)

制作 : 中央公論新社 
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122070769

作品紹介・あらすじ

僕が旅立ちたいわけは、だがあんまり災難が多いからだ――上海、マレー半島、インドネシア、パリ。『マレー蘭印紀行』『どくろ杯』等にも綴られた詩人と妻の計画も希望もない四年に及ぶ放浪の旅を、本人たちへのインタビュー、その旅に魅せられた21人のエッセイで辿る。全集月報ほか単行本未収録作品多数。


文庫オリジナル




(目次より)


Ⅰ 金子光晴、旅を語る


不穏な漂泊者(聞き手:開高健)


人生五十年、あとは急降下(対談:寺山修司)




Ⅱ 金子光晴の周辺 (森三千代/聞き手:松本亮)


戦友だなんて、そんな……/ジャワでの話/パリへ/パリでの話/『こがね蟲』のあと/〝放浪〟のあとさき/徴兵断わりのこと/両親のことなど




Ⅲ 金子光晴と私


『マレー蘭印紀行』『詩人』『新雑事秘辛』(松本亮)


『どくろ杯』『ねむれ巴里』『西ひがし』(秋山清)


光晴夫妻と巴里での出会い(永瀬義郎)


金子光晴の「時間」(阿部良雄)


あくび(茨木のり子)


金子光晴について(吉本隆明)


悪友金子光晴と私(中西悟堂)


詩の蘇生に向かう放浪のヴェクトル(清岡卓行)


「生きている」流浪者の眼(窪田般彌)


怪物が死んだ(草野心平)


地獄の見世物としてのパリ(田村隆一)




Ⅳ 金子光晴を旅する


螢の樹(奥本大三郎)


空白の海を越えて(小林紀晴)


金子光晴と森三千代を知らない(島尾伸三)


金子光晴(福田和也)


暇と求婚(角田光代)


「自由な関係」を探しに(山崎ナオコーラ)


私がいちばん読み返した本(高野秀行)


旅の混沌(沢木耕太郎)

感想・レビュー・書評

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  • 破天荒な男、金子光晴を語る森三千代のインタビュー
    このひとも破天荒な女だった


    いろんなひとが語る旅人金子
    とくに
    角田光代「暇と求婚」と
    高野秀行「私がいちばん読み返した本」
    そんな旅をしたい
    「どくろ杯」を持ってゆこう

  • 数多くの旅行記を残した金子光晴。その妻との恋愛の形や旅の経緯は特異で多くの者に影響を与えた。金子光晴の死後、妻へのインタビューや近い関係者の証言、彼に影響を受けた文化人のエッセイや論考を収録。金子光晴が辿った旅をより深く感じる書。

  • 「どくろ杯」「なむれ巴里」「西ひがし」は読了している。「マレー蘭印紀行」も読んでいる。逆にこれらの本を読んでいない人には無用の本じゃないだろうか。

    しかし、読んだから何か得られる本ではない。

    上海や彼方此方で、絵の展示即売会を開いて旅費を工面する話があったが、どんな絵なのかということは金子の本からは判らない。本書では金子の描く浮世絵風の裸女線描は見事なものとある。
    旅の目的が三千代夫人と恋人と離すためにあったことは、読んでいた。本書では自由恋愛を支持するためなのか、三千代夫人に強いことを云えない金子の苦肉の策だったことが判る。

    アジアやヨーロッパを放浪していたとき、金子は詩人ではなかったし、「どくろ杯」は40年後の78歳の回想だったということ。

    再認識したことは有ったが、それがどれほどのものだという程のこともなかった。

  • 上海からパリへ。『どくろ杯』三部作で知られる四年に及ぶ詩人の放浪を、本人の回想と魅せられた21人のエッセイで辿る。初収録作品多数。文庫オリジナル。

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著者プロフィール

金子 光晴(かねこ・みつはる):詩人。1895年、愛知県生まれ。早稲田大学高等予科文科、東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画科、慶應義塾大学文学部予科をすべて中退。1919年、初の詩集『赤土の家』を発表した後に渡欧。23年、『こがね蟲』で評価を受ける。28年、妻・森美千代とともにアジア・ヨーロッパへ。32年帰国。37年『鮫』、48年『落下傘』ほか多くの抵抗詩を書く。53年、『人間の悲劇』で読売文学賞受賞。主な作品として詩集『蛾』『女たちへのエレジー』『IL』、小説『風流尸解記』、随筆『どくろ杯』『ねむれ巴里』ほか多数。1975年没。

「2023年 『詩人/人間の悲劇 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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