月人壮士 (中公文庫 さ 74-3)

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  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122072961

作品紹介・あらすじ

「全き天皇であること」
――その何人にも推し量れぬ孤独。

756年、東大寺大仏を建立した首(聖武)太上天皇が崩御。
道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、その言に疑いを持つ者がいた。
中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探ることになるが、
ゆかりの人々が語り出したのは、母君との尋常ならざる関係や隔たった夫婦のありよう、
御仏への傾倒など、死してなお謎多きふるまいや孤独に沈む横顔ばかりで――。

国のおおもとを揺るがす天皇家と藤原家の相克を背景に、聖武天皇の真実をあぶり出す!

伊坂幸太郎、朝井リョウをはじめとする人気8作家による競作企画〈螺旋プロジェクト〉の1冊としても話題。

感想・レビュー・書評

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  • 螺旋プロジェクト、古代編。
    首おびと(聖武天皇)が、崩御し、その御遺詔は「皇太子は道祖王」。それに疑問を持つ葛城王が、藤原系中臣継麻呂と道鏡に、その真偽を調べさせる。そこから二人は、首の周囲の人々を訪ねて、彼らから聖武天皇の人となりを知っていく。彼が、何を行い何に悩んでいたかその人生を描写する。
    天皇家を山族、藤原家を海族として、螺旋プロジェクトの一編とします。
    史実の流れをくみ取り、そうだったかもしれないと思わせてしまう巧さと知識。日本史お詳しい方には、なかなかのファンタジーでしょうか。
    私は誰が何だったか調べながらでないとおぼつかないので、思い出から歴史を辿るのは流れを掴むのが難しかった。
    今回は、一人の人間(聖武天皇)が自身の身体に流れる山族と海族の血の交わりに葛藤するといった趣向が面白いと思います。

  • 「螺旋」プロジェクトの8冊目。ようやくこれで第1弾を全て読了。
    中古本屋から手に入る順番で買ったので時代の流れとしてはバラバラになってしまった。本作は奈良時代、聖武天皇の崩御から始まる物語。
    大学受験の時も日本史は取らなかったし、このあたりの時代のことはあまり頭に残っていない。最後まで巻頭の系統図に戻るを繰り返したので読むのに結構時間が掛かった。

    残された遺詔の言に疑いを持った前左大臣・橘諸兄の命を受け、中臣継麻呂と道鏡が亡き先帝の真意を探るべく、ゆかりの人々を訊ね回る。
    円方女王、光明子、栄訓、塩焼王、中臣継麻呂、道鏡、佐伯今毛人、藤原仲麻呂。一人語りで語られる天皇の姿と彼らの関りは作者の想像力で膨らまされ、それぞれに面白い。
    海vs.山というこのプロジェクトの構図を、皇統の裔にありながら藤原氏の血に支えられているという天皇ひとりの中の葛藤として描いたところも一興。

    光明子の話では、男子を産まなければならない后の悩み深さが描かれ、次いで送り込まれた姪に役目を押し付けて自らのためだけに生きようとするところが不憫。現在に至ってもなかなか進まぬ皇位継承問題を思い起こした。
    加えて、穏やかな日々を望みながら長屋王の妻として散らねばならなかった吉備内心王の苦しみや血を分けた子からその血ゆえに忌まれた藤原宮子の心痛など、男性社会の手駒でしかなかった女性たちの姿が印象深かった。

    どうでも良いことだが、「首様」を最後まで「オビトさま」とスッと読めなかった。

    • ニセ人事課長さん
      傍らに珈琲を。さん

      こんにちは。いつもありがとうございます。
      私にとっては、初読みの方や普段あまり読まない作者さんの作品に触れることが出来...
      傍らに珈琲を。さん

      こんにちは。いつもありがとうございます。
      私にとっては、初読みの方や普段あまり読まない作者さんの作品に触れることが出来、それぞれ共通ルールをどのように落とし込むのか興味深く読める趣向でした。
      アイテムのリンクも一様ではなく、どのような順番で読むのが一番楽しめただろうかと考えたりもしています。

      第2弾、いつになるのでしょうね。私は中古の文庫派なのでブックオフに出回るまでしばらく待つことになるでしょう。
      2023/08/06
    • 傍らに珈琲を。さん
      やだー!私ったらコメントだけしていいねを押下してなかったのですね!!

      ごめんなさい、本日ポチっとです。
      やだー!私ったらコメントだけしていいねを押下してなかったのですね!!

      ごめんなさい、本日ポチっとです。
      2023/08/09
    • ニセ人事課長さん
      あら~、全く気がついていませんでした。。

      ありがとうございました!
      あら~、全く気がついていませんでした。。

      ありがとうございました!
      2023/08/09
  • 聖武天皇の遺召を探すために、選ばれた中臣継麻呂と道鏡。

     それは本当に存在しているのか?
     何故、帝になった安部帝はそれにこだわるのか?

     天皇家(山の一族)と藤原家(海の一族)の血を引いた聖武天皇が何を思い、自分の中にある対立するものをどう受け止めていたのか。

     螺旋プロジェクトで書かれた作品の一つです。

     日本人は血族主義ですから、彼の立場は辛かったのかもしれないなぁと読みながら思ってました。

     大仏に関してはいろんな史料があるので、改めて、あの大きな廬舎那仏を作った彼の気持ちは本当はどうだったんでしょうね。

  • 『螺旋プロジェクト』の2つ目の時代である古代が描かれる。
    聖武天皇(首)が崩御。
    そこから物語は幕を開けて、彼を取り巻く者たちの語りによって展開してゆく。

    読み始めは、独特の言い回しと漢字の読みに苦戦した。
    読みながら、家系図とルビのふられたページとを行ったり来たり 笑
    それでも次第に慣れ始め、「月人壮士」の世界に上手く入り込めば、これまで苦戦していた独特の言い回しの、なんと雅なことか。
    其々のキャラクターごとに、血筋を尊び、気品を保とうとする姿に魅せられる。
    そして作者である澤田さんの表現の美しさが随所に光る。
    「堅く閉ざされた瞼がしんと冷えた半月の如く青ざめていた」
    「うっすらと雪を頂いた梯子が明るく輝き、まるで何者かがわたくしを差し招いているかのようでした」
    「夕映えの切れ端かと疑うほど赤い蜻蛉が一匹…」

    同じ母から生まれたのに、かたや一族の期待を背負った皇太子(聖武天皇=首)、かたや不義を犯した母親のお陰で官位を得た橘諸兄。
    若かりし頃その忌々しさに橘諸兄は、皇太子の拝朝の儀式の際、ただの白い雲を指差して「慶雲が出ておるぞ」と大声を張り上げる。
    人々はその声に反応し、何の変哲もない雲であるのに「慶雲だ!」と騒ぎ立てる。
    その馬鹿馬鹿しさを、橘諸兄は心の内で嘲笑う。 
    しかし年老いた今、橘諸兄は「あの強く哀れな首さまは、日輪であるとともに月輪。まさにこの国を覆う天そのものの如きお人」だと首を敬っている。

    首は崩御の際、次の皇太子は道祖王にとの遺言を残した。
    しかし橘諸兄は、これまで目立った活躍もなかった道祖王を抜擢した事が首の本意と思えず、二人の男に調べるよう命ずる。
    中臣継麻呂と道鏡だ。

    その二人の訪問を受け、人々が持回りの章で話をするのだが、
    皆、いつしか己の胸の内をさらけ出し、独白のように滔々と語り出す。
    そこで露になるのは、首を取り巻く人々の愛憎と悲哀。
    天皇家は山族、藤原氏は海族との設定はあれど、争いは最早それだけに留まらない。
    同じ血縁故の競いあいや、それによって芽生えた悔しさ、疎ましさが、複雑に絡んでゆく。
    そこに絡むのは、男児を産めと求められた女子だけではない。
    首に仕える者や僧までもが、今後の身の振り方を案じてざわつく。
    雅な宮城は伏魔殿であり、皆、権威に魅せられた者と、その犠牲者だった。

    75ページ、首の母である宮子の「首、首。哀れな子。……ならばあの首は結局、山の形を借りただけの不完全な皇子なのだわ。」は、呪いのように響く。

    誰もが次の帝との血縁を求め、嫁に出した妹さえ役に立たぬと思えば見限り、別の女子を差し出す。
    次なる天皇の母になるべき唯一の存在と育てられながらも、男児を産めなければ所詮代わりのきく駒でしかないという事実。
    94ページ以降、光明子が自らを語るシーンは苦しく悲しい。

    読み進めるほどに、雅できらびやかであるはずの都に暮らす人々の哀しみが益々露になってゆく。

    物語の後半、『螺旋プロジェクト』の共通ルールである、何かが壊れる時に始まる対立をめぐる会話。
    本作では蜂蜜湯を入れた玻璃杯が、がしゃりと砕け散る。
    「人の心というものは、ぐるぐると渦を巻く川瀬の如く、優しさと険しさを同時に胸の中に納めてしまえるものなのかしら。だとすれば人の争いとは、どれだけ歳月がながれようとも、決してなくならないものなのかしら」

    読み始めはただ確認の為だけに見返していた無機質な家系図が、
    悲しい運命の曼荼羅に見えてくる。
    物語を読み進めるほどに、どの人物の背景もみな悲しい。
    人々がたまに口にする山海の例えは、『螺旋プロジェクト』の設定である種族というよりも、神話的に聞こえる。
    「この国に深く深く根を下ろした山が、自ら海原に向かって崩れ落ちるようなものではございませぬか」

    これまで読んできた『螺旋プロジェクト』の作品達における、山海両方の特徴を持つキャラクターは超越的で、何かに脅かされることはなかった。
    本作の聖武天皇(首)がそれに値する存在なのか?
    だとすると今回初めて、山海両方に翻弄される哀れな1人の人間ということになる。
    それはおかしい。
    天皇家と藤原氏の両方の血筋を引いているけれど、振り回され過ぎやしないか?

    しかし私のその疑問は「その八 佐伯今毛人」で、意外な方向から唐突に解決する。
    作者の澤田さんは、最後の最後までドラマチックに仕立て上げてくれていた。
    タイトルが回収された時、争いの種を我が身の内側に抱えた首の、孤独で哀れな運命を思わずにいられない。

    聖武天皇(首)の真意はどこにあったのか?
    彼は山の血(天皇家)か、海の血(藤原氏)か、それとも山海を交えた存在か?
    そして、お守り(木片に渦巻きのような模様が彫られたもの)はどこで登場するのか?
    このお守りは澤田瞳子「月人壮士」、乾ルカ「コイコワレ」、天野純希「もののふの国」の3作品を繋ぐ共通モチーフであり、
    所有者が命の危機に直面した時、1度だけ身代わりになってくれるという。
    どのように、誰の手に渡るのか?

    いつの間にか当初の読みづらさも忘れ、夢中で読んだ。
    そして何とも言えぬ哀れみと深い感動を持って本書を閉じた。
    これまで読み終えた『螺旋プロジェクト』作品と同じく、とても良く出来ていて、読み応えもあった。
    そして何よりどの時代の作品においても、懸命に生きている登場人物たちが愛おしい。

    【追記】
    いつもの事なのだが、私は小説を読むのと同時進行で、スマホのメモ帳にブクログの為のレビューを書き出す。
    そうしないと、そのシーンを読んだ時の生の感想が、読了と共に消えてしまいそうだからだ。(記憶力の低下とも言う 笑)
    単語のみの時もあれば、書きかけの文章の時もあるけれど、とにかく自分の心に湧いたものをメモして、後で整理しながら感想文としてブクログにアップしている。

    小説を読み終えてからの後書きも楽しみの1つなのだが、今回は文芸記者である佐藤さんの後書きの中の、澤田さんの言葉に嬉しくなった。
    と言うのも、私がレビューの中で用いた曼荼羅というフレーズを、澤田さんが使っておられたからだ。
    作者である澤田さんが込めた想いを、少しでも読み取ることが出来たのではないかと、
    本書「月人壮士」を心の中で抱き締めた。

  • 奈良時代、聖武天皇が抱えていた孤独とは? 三宅香帆の『月人壮士』評|Real Sound|リアルサウンド ブック
    https://realsound.jp/book/2023/02/post-1251834.html

    月人壮士 (中公文庫 さ 74-3) | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4122072964/

    月人壮士 -澤田瞳子 著|文庫|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/bunko/2022/12/207296.html

  • 螺旋プロジェクト二冊目。
    というか、澤田瞳子さんが参加してるのか!と思い、この一冊目当てにまずは読み始めたもの。

    聖武天皇(首様)の、天皇としての使命感。
    なれど、自身に流れる血は、皇族のみのものにあらず。海を取り込んだ藤原氏の母を持つことで、どんなに完璧な天皇たろうとも、欠陥があることを払拭出来ないという、血の悲劇。

    聖武天皇の最期に、遺言として遺した詔を探すため、山の者と海の者が、共に聞き手となって宮中を動き回る。

    ストーリーとして面白かったけれど、螺旋プロジェクトに共通して出てくるはずの、超越者とは一体誰だったんだろう?

  • 螺旋プロジェクトの最終作品

    やっぱり歴史モノは難しい。

    色んな作者の作品に触れられたキッカケになったのは良かった。

  • 螺旋プロジェクトの6作品目(個人的に)

    お馴染みの山族と海族の対立を描く、伊坂幸太郎他七作家が描く原始の時代から日本の近未来を描く物語!

    本作品は日本の古代が舞台となっており、奈良の大仏を建立した聖武天皇を主軸とした物語!

    聖武天皇への私の知識は、大仏建立、仏教の普及促進、遷都ぐらいで子供の頃に漫画日本史で読んだ程度・・・


    本作品は天皇家と藤原家の対立について描かれており、藤原家が天皇家に深く深く関わっていく物語となっております。


    物語の冒頭で聖武天皇が崩御!?
    聖武天皇は崩御の前に、後継を建てておりその後の皇太子まで示しておりました。
    しかし先の大臣、橘諸兄が一族の中臣継麻呂と後の日本三大悪人の道鏡の二人に聖武天皇の真の遺詔の有無を探索させます・・・

    二人は聖武天皇に、縁のある人物達から真の遺詔についての聞き込みを進めていくのですが・・・


    シリーズ初めて海族が少し嫌になりました!

  • 螺旋プロジェクト第2弾。

    この「月人荘士」も最初は苦戦しました。人名・地名と役職名が難しかった。ので、フリガナが書いてある所まで、何回も戻ってっていうのをやって。苦戦でした。

    でも、この「月人荘士」の世界観になじめると案外読めるようになって。また、おもしろく感じれるようになりました。

    主人公は首(おびと)天皇(聖武天皇)。ただ、物語はこの首が崩御されたところから始まります。この首のご遺詔を探し求め、その過程で主人公の首の人間像に迫る、っていう形で進んでいきます。インタビュー形式で物語が進んでいくんですが、新鮮な感じがしました。

    螺旋プロジェクトのテーマには「超越的な存在」の出現がありますが、最初は山族たる皇族の血と海族たる藤原家の血を併せ持った首天皇がこの物語の「超越的な存在」かと思ったんですが、そうではなかった。

    首は、全き天皇であろうとするのに、自分の中の藤原家の血を憎んでいる。ただ自分が天皇になれたのは藤原家の血があったからこそ、っていう葛藤とか、親族への愛憎などの矛盾を一人で抱え、苦悩していた。日本古来の日輪の裔である天皇でありながら、外国から渡来した仏教に傾倒していったのも矛盾に満ちていたんだと思う。

    螺旋プロジェクトは海族と山族の対立が大きなテーマですが、この「月人荘士」は直接的な対立ではなく、首天皇の内なる海と山の対立が描かれていました。

    このストーリーの「超越的な存在」は首天皇その人ではなく、佐伯今毛人(さえきのいまえみし)という、一介の地方官吏。ただこの佐伯今毛人は「ウナノハテノガタ」のウェレカセリと同じような身体的特徴を持っていました。

    佐伯今毛人はすごいことをやってのけたのではないけど、東大寺周辺の自然のバランスを図らずともやっていたのがなるほど、と思いました。その近くに大日女(おおひるめ)という猟師の少女がいたのが印象的。大日女とは天照大神の別称なんだそう。「超越的な存在」と天照大神を並べて描くって巧いなぁと感心しました。ただ、ここに出てくる大日女と天照大神の関係はないはずなんですが、もしかしたら・・・?って思う何かを感じた気がしました。実際、この佐伯今毛人の章だけ、他の章と雰囲気が違っていたような。

    この「月人荘士」も、最初は読み進めるのに苦労しましたが、「ウナノハテノガタ」同様、慣れれば割と読めるようになったし、世界観を楽しめるようになりました。

    面白かったです。

    螺旋プロジェクト、続けて読んでいきます。

  • Amazonの紹介より
    756年、東大寺大仏を建立した首(聖武)太上天皇が崩御。道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、
    その言に疑いを持つ者がいた。
    中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探ることになるが、ゆかりの人々が語り出したのは、母君との尋常ならざる関係や隔たった夫婦のありよう、御仏への傾倒など、死してなお謎多きふるまいや孤独に沈む横顔ばかりで――。
    国のおおもとを揺るがす天皇家と藤原家の相克を背景に、
    聖武天皇の真実をあぶり出す!



    「螺旋プロジェクト」の古代編。個人的に歴史小説が苦手なので、大丈夫かなと不安がありました。
    歴史ならではの独特な言い回し、登場人物の多さになかなか物語の内容に一苦労しましたが、インタビュー形式で様々な人の証言から見えてくる天皇の心の葛藤・苦悩を垣間見ました。それだけでなく、他の人物の背景も切なかったです。

    歴史小説✖️インタビュー形式という珍しい組み合わせでしたが、内容は暗めでも、独白シーンは感情豊かに表現されていたので、明るい雰囲気がありました。
    ただし、登場人物が多く、何度も序盤に出てくる家系図を読み返していました。

    様々な人が思う「天皇」像。最後になって、ようやく天皇のパートが登場するのですが、切ないの一言でした。天皇は天皇で、「宿命」を背負いながらも、奔走する姿は輝かしくもあり、心苦しくもありました。

    それぞれが主張することは本当に本当なのか。徐々に見えてくる「天皇と藤原家との対立」。「螺旋プロジェクト」と絡めながら、他の作品とリンクする部分もあって、プロジェクトならではの面白みがありました。

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著者プロフィール

1977年京都府生まれ。2011年デビュー作『孤鷹の天』で中山義秀文学賞、’13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞、新田次郎文学賞、’16年『若冲』で親鸞賞、歴史時代作家クラブ賞作品賞、’20年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、’21年『星落ちて、なお』で直木賞を受賞。近著に『漆花ひとつ』『恋ふらむ鳥は』『吼えろ道真 大宰府の詩』がある。

澤田瞳子の作品

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