日本史の旅人-野呂邦暢史論集 (中公文庫 の 17-2)

著者 :
  • 中央公論新社
3.00
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 30
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122073814

作品紹介・あらすじ

歴史は万人のものである――。「アマチュア」「しろうと」を自認しながら、歴史への深い情熱、飽くなき探究心を持ち続けた作家、野呂邦暢。邪馬台国から日露戦争まで、幅広い守備範囲で歴史雑誌に寄稿した史論・歴史エッセイ、そして死去の一年前からの、古代史雑誌の編集長としての仕事の一端など、単行本未収録の諸作から、その歴史への眼差しを浮き彫りにする。さらに、北部九州を中心とした郷土への指向と、現場感覚、合戦における戦略・戦術への洞察など、著者ならではの経験に裏打ちされた文章構成の面白さも堪能できる。文庫オリジナル。
〈解説〉中村彰彦

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長崎県諫早市に暮らした芥川賞作家、野呂邦暢が亡くなり40年…|【西日本新聞me】(2020/6/28)
    https://www.nishinippon.co.jp/item/n/621028/

    文化にふれ心遊ばせる旅時間 - 諫早旅時間 - 諫早市(2023年2月1日)
    https://www.city.isahaya.nagasaki.jp/site/travel/6270.html

    日本史の旅人 -野呂邦暢 著|文庫|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/bunko/2023/06/207381.html

  •  作家の野呂さんの作品は何編か読んだことがあるし、古本屋巡りが好きだったことなども知ってはいたが、日本の古代史、特に邪馬台国に興味関心を持っていて、『季刊邪馬台国』という雑誌の初代編集長まで引き受けていたということは、本書で初めて知った。
     本書には、野呂さんの邪馬台国に関する歴史エッセイ、長崎出身の野呂さんらしい、九州が舞台となる磐井の叛乱、元寇、関ヶ原の戦い時の九州戦国大名の動きのほか、赤穂浪士の討入り、日露戦争時の秋山騎兵旅団に関する史論などが収められている。

     また、邪馬台(壱)国に関する非学者の研究者だった古田武彦氏、安本美典氏の論争に野呂さんが司会を務めた座談会も収録されている。自分が若いころに、確かに邪馬台国の「臺」は「壱」の誤りだという説を唱えている人がいると聞いたことはあったが、この座談会でその議論を初めてまともに読むことができた。
    (史料批判の素養のない自分には、あまり議論の適否を判断できないが)

     野呂さんの新たな一面を見ることができ、また当時、邪馬台国への一般人の関心が高かったことや論争のエッセンスが分かるお得な一冊。

  • 邪馬台国から日露戦争まで。芥川賞作家・野呂邦暢のもうひとつの顔。単行本未収録の諸作からその歴史観を浮き彫りにする。文庫オリジナル。〈解説〉中村彰彦

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

野呂邦暢(のろ・くにのぶ)
1937年長崎市生まれ。戦時中に諌早市に疎開、長崎被爆のため戦後も同市に住む。長崎県立諫早高校卒業後上京するもほどなく帰郷、1957年陸上自衛隊に入隊。翌年除隊し、諌早に戻り家庭教師をしながら文学をこころざす。1965年「ある男の故郷」が第21回文學界新人賞佳作入選。1974年自衛隊体験をベースにした「草のつるぎ」で第70回芥川賞受賞。1976年、初めての歴史小説「諌早菖蒲日記」発表。1980年に急逝する。著書に『愛についてのデッサン』(ちくま文庫)、『野呂邦暢ミステリ集成』(中公文庫)、『野呂邦暢小説集成』(文遊社)、などがある。

「2021年 『野呂邦暢 古本屋写真集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

野呂邦暢の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×