魯肉飯のさえずり (中公文庫 お 101-1)

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784122074002

作品紹介・あらすじ

ママがずっとわたしの恥部だった――。就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ〈大切なもの〉をふみにじられていく。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする長編小説。織田作之助賞受賞作。〈解説〉渡邊英理

感想・レビュー・書評

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  • ☆5か4か悩み‥‥‥4に。

    母の思い、娘の気持ち
    そして優しい夫への妻の思い
    全てが痛いほどわかり
    ところどころ涙しながら
    読みました。


    どうか、健やかで。あまりがんばりすぎず、だれといてもどこにいても、あなたがあなた自身のことをいちばんに思いやれていますように。
    (あとがきより)

  • ◆「あたりまえ」のはざまで[評]清原康正(文芸評論家)
    魯肉飯(ロバプン)のさえずり 温又柔(おんゆうじゅう)著:東京新聞 TOKYO Web(2020年9月20日)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/56521

    魯肉飯のさえずり 温又柔著 : 読売新聞(2020/10/04)
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20201003-OYT8T50177/

    Interview:温又柔さん(作家) 「ふつう」の基準疑う 『魯肉飯のさえずり』刊行 | 毎日新聞(2020/9/17 有料記事)
    https://mainichi.jp/articles/20200917/dde/014/040/008000c

    温又柔さん「魯肉飯のさえずり」インタビュー 「ふつう」とは何か、台湾と日本のはざまで問い続け |好書好日(2020.10.14)
    https://book.asahi.com/article/13798624

    作家にとっての“書くこと、読むこと”。人気連載「小説を書くということ」をまとめ読み【後編】家庭画報.com(2021/01/02)
    https://www.kateigaho.com/migaku/art/96802/

    あなたがいるだけで十分なんだよ  作家・温又柔さんとの対話 - 在日外国人と考える - NHK みんなでプラス(2021年3月5日)
    https://www.nhk.or.jp/minplus/0018/topic026.html

    山本真澄の日本画とデザイン
    https://lilylilyrose8032.wixsite.com/yamamoto

    masumi yamamoto 山本真澄(@masumi_yamamoto83) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/masumi_yamamoto83/

    魯肉飯のさえずり -温又柔 著|文庫|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/bunko/2023/08/207400.html
    (単行本)
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2020/08/005327.html

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      abicases100さん

      Miaou~
      Les yeux du chat sont clairs la nuit, vous n'en ...
      abicases100さん

      Miaou~
      Les yeux du chat sont clairs la nuit, vous n'en avez donc pas besoin !
      2023/08/26
  • だれといても、どこにいても、自分の一番近くにいるのは自分自身。
    京都の人のものの言い方をよく聞く揶揄したり酷いねという話があるが、日本中の人は皆似たようなことをしたり言ったりして、部外者自分と出自や所属が違うものをソフトに本当にソフトに悪気のないふりをして、いいつらうのだ。悪気はないふりをしているだけで悪気は大いにある。
    助詞の使い方などちょっとしたことでかなりきちんと表現される嫌味悪気意地悪。この日本的なるもの。自分もやってるかなと自省する。
    親子、母娘の、と本の説明にあるが、
    確かに母親と娘の関係を中心に父又は夫との関係も強く書かれていて、内容には、瀧波ユカリ氏の連載中の漫画わたしたちは無痛恋愛がしたいとシンクロ共鳴する部分が多く、男性女性の役割や立ち位置目線理解しようとしない利己的な男子、、など呪いのような解けない制約理不尽辛苦に関する部分がとても強く刺さったし、こういう作品がたくさんありこういう思いが女性の書き手から溢れ出て社会に出ていることに爽快感も。
    とはいえ、母親の章は、とにかくピリピリと痛みが感じられ自分が台湾で与えられた親や家族への愛、自分の夫との愛、日本での子どもとのやるせない関係もどかしさ、母親の描写の章は涙なしには読めない。
    自分の感覚自分の魂を信じること。できなくても信じること。
    伝わらなくても伝えること。
    とても素敵な女性たち。
    台湾にまた行きたくなる。
    日本を脱出したくなるけど、日本にも捨てたもんじゃない出会いもあるのかもしれない。


  • 異なる言語を使っていても分かり合える相手もいれば、同じ言葉を使っていても、それが届かない相手もいる。
    人種や家柄や性別や容姿みたいなありとあらゆるもので分断され続ける私達が、違いを超えてその人を理解したいと思える相手に出会えることが、もはや奇跡なのだろう。
    そしてそれが愛なんだろうと思う。

  • 改行の仕方が合わなくて読むのに疲れた。
    外見が可愛らしい大人しい女性視点。可愛らしさ従順さを好む支配欲の強い男性に流されるまま結婚してそれからの話で、個人的に共感出来るところはなかったが、
    想像はできた。

    自分にも他人にももどかしいと感じる気持ちが伝わってきた。

  • 台湾と日本の文化の違いからくる、もどかしさや可笑しさ、悲しみやまた母娘のお互いを思う気持ちなどどれも本当に素晴らしく表現されていた。来月、台湾へ行くので余計楽しみになった。

  • 夫が最悪すぎる、、、
    就職氷河期で仕事を得られず、こうした選択をするしかなかった女性は多かったのだろうか。

    雪穂夫婦の関係性が素敵だった。

  • 理想の人と結婚した桃嘉は、夫に「大切なもの」をふみにじられていく。台湾と日本の間で母娘の痛みがこだまする長篇。織田作之助賞受賞作。〈解説〉渡邊英理

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著者プロフィール

1980年、台湾・台北市生まれ。3歳より東京在住。2009年、「好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作を受賞。両親はともに台湾人。創作は日本語で行う。著作に『真ん中の子どもたち』(集英社、2017年、芥川賞候補)、『台湾生まれ 日本語育ち』(白水社、2015年、日本エッセイスト・クラブ賞受賞、2018年に増補版刊行)、『空港時光』(河出書房新社、2018年)、『「国語」から旅立って』(新曜社、2019年)、『魯肉飯(ロバプン)のさえずり』(中央公論新社、2020年)など。

「2020年 『私とあなたのあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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