- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784122074002
作品紹介・あらすじ
ママがずっとわたしの恥部だった――。就活に失敗し、逃げるように結婚を選んだ桃嘉。優しい台湾人の母に祝福されるも、理想だった夫に一つ一つ〈大切なもの〉をふみにじられていく。台湾と日本のはざまで母娘の痛みがこだまする長編小説。織田作之助賞受賞作。〈解説〉渡邊英理
感想・レビュー・書評
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☆5か4か悩み‥‥‥4に。
母の思い、娘の気持ち
そして優しい夫への妻の思い
全てが痛いほどわかり
ところどころ涙しながら
読みました。
どうか、健やかで。あまりがんばりすぎず、だれといてもどこにいても、あなたがあなた自身のことをいちばんに思いやれていますように。
(あとがきより)
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abicases100さん
Miaou~
Les yeux du chat sont clairs la nuit, vous n'en ...abicases100さん
Miaou~
Les yeux du chat sont clairs la nuit, vous n'en avez donc pas besoin !2023/08/26
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だれといても、どこにいても、自分の一番近くにいるのは自分自身。
京都の人のものの言い方をよく聞く揶揄したり酷いねという話があるが、日本中の人は皆似たようなことをしたり言ったりして、部外者自分と出自や所属が違うものをソフトに本当にソフトに悪気のないふりをして、いいつらうのだ。悪気はないふりをしているだけで悪気は大いにある。
助詞の使い方などちょっとしたことでかなりきちんと表現される嫌味悪気意地悪。この日本的なるもの。自分もやってるかなと自省する。
親子、母娘の、と本の説明にあるが、
確かに母親と娘の関係を中心に父又は夫との関係も強く書かれていて、内容には、瀧波ユカリ氏の連載中の漫画わたしたちは無痛恋愛がしたいとシンクロ共鳴する部分が多く、男性女性の役割や立ち位置目線理解しようとしない利己的な男子、、など呪いのような解けない制約理不尽辛苦に関する部分がとても強く刺さったし、こういう作品がたくさんありこういう思いが女性の書き手から溢れ出て社会に出ていることに爽快感も。
とはいえ、母親の章は、とにかくピリピリと痛みが感じられ自分が台湾で与えられた親や家族への愛、自分の夫との愛、日本での子どもとのやるせない関係もどかしさ、母親の描写の章は涙なしには読めない。
自分の感覚自分の魂を信じること。できなくても信じること。
伝わらなくても伝えること。
とても素敵な女性たち。
台湾にまた行きたくなる。
日本を脱出したくなるけど、日本にも捨てたもんじゃない出会いもあるのかもしれない。
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異なる言語を使っていても分かり合える相手もいれば、同じ言葉を使っていても、それが届かない相手もいる。
人種や家柄や性別や容姿みたいなありとあらゆるもので分断され続ける私達が、違いを超えてその人を理解したいと思える相手に出会えることが、もはや奇跡なのだろう。
そしてそれが愛なんだろうと思う。 -
台湾と日本の文化の違いからくる、もどかしさや可笑しさ、悲しみやまた母娘のお互いを思う気持ちなどどれも本当に素晴らしく表現されていた。来月、台湾へ行くので余計楽しみになった。
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夫が最悪すぎる、、、
就職氷河期で仕事を得られず、こうした選択をするしかなかった女性は多かったのだろうか。
雪穂夫婦の関係性が素敵だった。 -
理想の人と結婚した桃嘉は、夫に「大切なもの」をふみにじられていく。台湾と日本の間で母娘の痛みがこだまする長篇。織田作之助賞受賞作。〈解説〉渡邊英理