本の神話学-増補新版 (中公文庫 や 8-3)

著者 : 山口昌男

• 中央公論新社 (2023年8月22日発売)

作品紹介・あらすじ

あらゆる書物は見えない連関（ネットワーク）で結ばれている。その解読の驚きと愉しみ、秘術と実践。自分だけの「知の見取り図」は、いつの時代も蔵書から生まれる。20世紀前半、人文知再編の震源地となったアビ・ワールブルクの研究所およびワイマール文化を発端に、本書自体が、文化人類学的思考を通じてオルタナティヴな精神史・思想史を発見するための架空ライブラリーとして展開する、著者の代表作。美術、演劇、音楽、文学、宗教学、人類学……さまざまな文化／学問領域の隠れたネットワークを、おびただしい過去の書物をたぐりながら曼荼羅のように描き出す、みずみずしい驚きに満ちた知的アクロバット。1970～80年代のニューアカデミズム・ブームを牽引し、後世に巨大なインパクトを与えた伝説の一冊にして、普遍的な知の技術を示し／実践した名著を凱旋復刊。まさに「文庫の中の文庫」といえるコンパクトにして圧倒的な情報量が詰まったこの神話的迷宮は、21世紀の今も来る者すべてに開かれている。巻末に、「図書館」に関する講演録・エッセイを新たに増補。〈解説〉山本貴光【目次】第一章　二十世紀後半の知的起源第二章　ユダヤ人の知的熱情第三章　モーツァルトと「第三世界」第四章　「社会科学」としての芸能第五章　もう一つのルネサンス補　遺　物語作者たち［新増補］歴史と記憶（1995）図書館との出遭い（2000）解説　山本貴光

感想・レビュー・書評

[猫丸(nyancomaru)さんの感想 · 2023年8月23日]

ぼくのロクス・クラシクス - 高山 宏によるコラム | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
https://allreviews.jp/column/1567

本の神話学 - 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b255936.html

本の神話学 -山口昌男 著｜文庫｜中央公論新社
https://www.chuko.co.jp/bunko/2023/08/207408.htm

[wlkskさんの感想 · 2024年2月18日]

https://twitter.com/kotonisha/status/1184251405520928768
「『本の神話学』の中公文庫版（1977）と岩波現代文庫版（2014）。単なる復刊と思うなかれ。2014年版は精緻に校閲されています。特に引用文の校正、抜けていた引用出典の追記等。編集・校閲サイドの情熱を感じる、40年近い年月を経た類稀なる復刊の事例です。良書はこうして生き残ります。」

中公文庫増補新版は岩波現代文庫版が元か?山口昌男は細かいところが雑なのは割と知られていたと思う。

[夕さんの感想 · 2024年2月5日]

https://calil.jp/book/4122004993
中央公論新社(1977）の新版？

[bishop-msさんの感想 · 2023年12月14日]

人類学者である山口氏が中央公論に連載した文章を書籍化したもの
刊行は4度目だというが、最初に出されたのは1971年
音楽、演劇、芸術、政治、思想と博物学的に語られている
各々の分野は決して独立しておらず圧倒的な知識の中で相関しながら語られる
このような知の連関を示されると専門性の危うさを感じてしまう

[masanori25さんの感想 · 2023年10月30日]

まだ歯が立たない。何年後に再読すれば理解が深まるか？

[中央公論新社さんの感想 · 2023年8月9日]

自分だけの「知の見取り図」は、いつの時代も蔵書（アーカイヴ）から生まれる。著者の代表作に「図書館」に関する講演録・随筆を増補。〈解説〉山本貴光

著者プロフィール

1931年生まれ。東京外国語大学名誉教授。2013年没。

「2018年 『仮面の道』 で使われていた紹介文から引用しています。」