世界の歴史 (2) 中華文明の誕生

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124034028

感想・レビュー・書評

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  • 2017.07―読了

  • 紀年法の誤解によって、史記の記述の年代が間違っていた、というのは目新しい内容だったが、他は数々の歴史小説にも書かれている内容で特に新鮮味はない。題名から殷代以前の記述を期待してたのだが、割と少なめ。「文明の誕生」で三国時代までカバーしているのは正直拍子抜け...
    20年前の本だから、最新の研究成果を反映したの読みたいね。

  • 第一部は暦や元号、天文の話が多く、はっきりいってカッタルイ。第二部が俄然語りが精彩を帯びてきて、書く人が違えばこれほど違うものか、と。
    面白かったのは漢の劉邦が一般庶民にも位を与えて国家の一体感を形成していた、という話。今の日本でも勲章なんてものを制度化しているので、人間の発想などそれほど進歩しないものだなあ、と思った。

  • 司馬遷の「史記」に影響され、最近では宮城谷昌光の小説の世界にはまっていた私ですが、歴史の原動力になるのが実は英雄譚ではなく経済だということを教えてくれます。春秋戦国時代になぜ宋が豊かに栄えたか、また前漢の経済疲弊と新の王莽による経済構造改革、後漢の衰退、三国の魏が司馬氏の晋にとって代わられた理由など。その代わりに夏殷周時代の伝説の帝王他おなじみの人たちが登場せず、一寸淋しい気持ちもあります。宮城谷の小説の主人公たちの時代については詳細で頭の整理になりました。

  • 春秋戦国時代から秦、漢、新、後漢、三国時代までを興味深く読んだ。

    歴史の流れをつかめて、全体を俯瞰できたのが有益であった。

    また、単行本はフルカラーなのが魅力的である。

  • フルカラーで嬉しい概説書、図版も充実。
    文明の始まり~三国時代突入まで説明するので、かなり解説はかなりざっくり。
    前半は暦について色々言ってます。
    音階や木星、漢代では五行説を用いて暦を作って、王朝は正当性を主張しました。
    王が即位したら即座に改元するパターンと、周公旦にあやかり先代の王が死んだ年は改元しないなどのパターンがあるから、注意しないといけない。
    さらには、人物の名前間違いや、戦国時代の資料が少ないなどの理由で、史記の年表は結構ずれているとか、色々書いてありました。

  • ●馬家浜文化(BC4000~BC3500)の水田址は面的なものではなく、列状。面的な水田址は東周時代に出現。
    ●殷王は複数の族集団から交互に王が選ばれた。族長は王と擬制的な親族関係(子)を結んだ。西周は直系の子孫が継承。
    ●殷、周の国家は、邑が政治的に連合して成り立っていた。大きな邑が小さな邑を支配するような構造である。「商」はこの大邑の名前。大邑の族長は霊的威圧行為を通して観念的に諸族を支配した。宗教的儀礼が邑ネットワークの秩序を維持した。
    ●鉄器が普及し始めるのは春秋時代後期(前6~5C)。
    ●春秋時代の「県」設置は軍事拠点形成の一環。以後戦国期に県が面的広がりを持つようになる。この県(封地)が郡県制に繋がっていく。

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著者プロフィール

1938年愛媛県生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業。文学博士。東京大学教授、立正大学教授を経て、現在、東京大学名誉教授。著書に『中国古代の「家」と国家』『東アジアの世界帝国(ビジュアル版世界の歴史8)』『中国歴史紀行』ほか。本シリーズ編集委員。

「2021年 『中国の歴史12 日本にとって中国とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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