世界の歴史 (9) 大モンゴルの時代

  • 中央公論新社
3.25
  • (0)
  • (4)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 68
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784124034097

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一部は非常に面白い。染付けという謎を入り口にして時代の大枠を鮮やかに描き出す。
    対照的なのが二部。馴染みのない地名人名の羅列で原稿用紙の升目を埋めているだけにしか思えず、途中で匙を投げた。万人向けの通史の書き手はよく選ばなくてはいけないという好例。

  • クビライ・カアンの治世を学ぶならこの一冊。
    モンゴルという国の大きさと、その広大な国を治める方法は一読の価値あり!

  • 元時代の沈没船から20世紀に見つかった夥しい宋銭の話から日本で元の時代に宋銭が普及していたことから始まります。そして大帝国を築いたクビライの世界的な視野。大都の建設。野蛮な大国モンゴルではなく、いかに文化に富み、むしろ前後の宋・明が中華意識を持ちながら発展のなかった時代かを強調し、新鮮な見方でした。そしてロシア帝国、ソ連へと繋がるモンゴルのもたらしたボーダーレスな国家観。中央アジアのウズベク、カザフなどへの影響。モンゴルがイスラム改宗したあとのトルコとの親近性。ティムールを始めとするチンギスの子孫であることが重んじられた時代の長さなど、全く思いもよらないモンゴルと現代の関係を知らされる好著でした。

  • 世界史は東西を圧倒的な規模で結びつけた大モンゴル・ウルス(帝国)から始まる。遊牧民を”蛮族”としてとらえる歴史観は寂しい。南宋や金帝国をボロクソに言うなど、ニュートラルとはいえない書き方だが、これまでの観方を覆すにはそのぐらい強くいう必要性(ただ、読む側はある程度距離をとるべき)。巨大なウルスが瓦解せず、数百年にもわたって存続し得たのはなぜか(初期の”分裂”と捉えられた現象も、ウルスのシステムを確立していた段階にすぎない)。チンギス・ハンからティムールまで、内陸の激動の歴史を一望。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

京都大学大学院文学研究科教授
1952年 静岡県生まれ。
1979年 京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学、
    京都大学人文科学研究所助手。
1992年 京都女子大学専任講師を経て同助教授。
1996年 京都大学文学部助教授・同教授を経て現職。
主な著訳書
『大モンゴルの世界――陸と海の巨大帝国』(角川書店、1992年)
『クビライの挑戦――モンゴル海上帝国への道』(朝日新聞社、1995年)
『モンゴル帝国の興亡』上・下(講談社、1996年)
『遊牧民から見た世界史――民族も国境もこえて』(日本経済新聞社、1997年、日経ビジネス人文庫、2003年)など。

「2004年 『モンゴル帝国と大元ウルス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉山正明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×