- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140011737
感想・レビュー・書評
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取材力がすごい。
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食の面から人類を捉えようとした学者の一人が中尾佐助先生です。文化人類学者としての目と、旅人の目の両方を兼ね備えていたような文章で、とても読みやすい本です。
以前、パスタの起源は中国にあると主張した中国の料理人がいました。イタリアのほうから言わせれば、ラーメンの起源はパスタにあると主張したいところでしょう。どちらが元祖で、どちらが起源か私はその後の結論を知りませんが、食というものが昔からその民族を象徴する文化そのものであることを、この議論から改めて知りました。
小麦粉を使った様々なものが世界各国にありますが、その食事の形を集めてみると、その地域の気候や文化、民族性などすべてがそこに顕れているのかも知れません。
中尾佐助先生は、ブータンにも造詣の深い方です。ブータンには蕎麦あり、そこにも日本人のルーツを感じる“食”文化があります。そんなところもあって、中尾先生はブータンに魅かれていたのでしょうか・・・。
旅の楽しみである“食”を通した文化人類学の入門書として、とても読みやすい一冊です。暑い夏、冷やし中華をすすりながら、小麦粉文化を楽しむのもいいかと思います。 -
Dough(小麦粉を水で練ってどうするかのやつ)文化について、最高峰の双璧を「皮パンとナン」とする著者は、でも東アジアのDough文化を紹介して、「東アジアのDough文化で培われたノウハウを使ったdough料理」としてのアンパンを評価する。かっこいい。
あとこの辺の先生の説では「稲作とかの文化の田舎は西アフリカ」なので、そこへ行くためにおフランスへ行かなければならなかった頃に渡仏して、かつおフランスはパリーのパン屋さんを取材するのである。かっこいい。
ご飯はどうやって炊くか をタームと絡めて理屈つけてくと、ある炊き方のご飯は朝鮮語とインドの諸語はいいんだけど支那が何故か障壁になるといふのが面白かった。 -
(1993.08.19読了)(1993.06.11購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
タネから胃袋まで日本の食文化の“深層”に迫った名著。
☆関連図書(既読)
「栽培植物と農耕の起源」中尾佐助著、岩波新書、1966.01.25 -
知見自体は古く,既に棄却されたものに立脚してるところ多い.もちろん執筆年代を考えれば,名著な事は間違いない.