日本語の特質 (NHKブックス)

著者 :
  • NHK出版
3.68
  • (9)
  • (12)
  • (16)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 139
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140016176

作品紹介・あらすじ

日本語の言語としての特質を知ることは日本語を効果的に使うためにも、外国語を学ぶ上でも、重要なことである。また、言葉は文化を背負っているものであるから、日本語の特質をさぐることは日本文化への理解を深めることでもある。漢字をはじめ多くの外来語を取り入れながら発達してきた日本語の発音・表記・語彙・文法などに現れた独特の性格を、外国語とも比較しながら明快に説く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本語には生理作用についてはのんきだが、心的作用には詳しく規定する言語。
    懐かしいという表現は英語独語では一言ではない。
    日本語の音節によるメロディへの乗せ方なども興味深く読んだ。

  • 日本語の勘所。
    みゃみゅみょの音のおもしろさ。
    語弊の偏り方はその国によるところ。
    星の話は少ないのに植物や虫の名前が多いところ。
    漢字も珍しく木や魚が多いこと。
    日本語からその癖をよみとれて大変知的興奮がある。

  • ー美しい日本語を再発見するー
    日本語の特質を他の言語と比較しながら、わかり易く説明している。特に外国人研究者の書籍からの引用が多く、我々日本人以上に日本人を理解していると感じると共に、今後、関連書籍を読んでみたいと思った。
    自然現象や人間の感性に関して多くの語彙があるのは、日本人が本来それらを恐れ、尊んでいたからに他ならない。中でも印象的だったのは、「いる」と「ある」との違いである。前者は心を有する霊的な存在、後者はただのモノであり、英語ではどちらも区別は無い。
    日本語は孤立した言語とも言われるが、西欧各国の言語が似ているのと同じように、ある意味、日本語の方言が同じような意味合いを持つのかも知れない。即ち日本列島に、一つの語族に相当する複数言語が混在しているという事だ。
    日本語に省略形が多いのも、敢えて言わない美徳を重んずる気質と、それを可能にする民族の単一性に起源があるのだろう。
    日本語の美しさを再発見出来た。

  • 日本語と外国語の比較を通して、日本語の発音、表記、語彙、文法、表現が持っている特徴を説明した本です。

    著者が出演した「NHK大学講座」の内容に基づいているということで、たいへん分かりやすく書かれています。ただ、以前読んだ同じ著者の『日本語』〔新版〕(全2冊、岩波新書)と重複する内容が多かったのが、多少気になりました。

  • 1991年初版。かなり古くなっているのか、図書館の保存書庫にあった。元々は昭和55年の半年に渡って、NHK教育テレビの大学講座の1つとして、「日本語の特質」として放送したものを活字化したもの。

    内容は、世界の言語と日本語(比較言語学から?)、日本語の発音(拍、母音と子音等)、日本語の表記(文字の使い分け、漢字)日本語の語彙(語彙の数、自然・生活・人間・家と社会・単語)、文法、表現の6章。

    日本語の1つの論としてまとまっていると思う。

  • 朝鮮語、アルタイ語、ポリネシア族の言語、西田龍雄さんによるビルマ・チベット語、大野晋さんによるタミル語などとの関係を参考に、日本語の特質の抽出を試みている。アイヌ人、中国語、琉球についての記載もあり、薄く広くいろいろな事象を紹介しようとしている。帯にかかれている「外国語を柔軟にとりこむ言語」という特質を、もっと日本人が評価できるようなまとめがあるといいかもしれません。

  • [ 内容 ]
    日本語の言語としての特質を知ることは日本語を効果的に使うためにも、外国語を学ぶ上でも、重要なことである。
    また、言葉は文化を背負っているものであるから、日本語の特質をさぐることは日本文化への理解を深めることでもある。
    漢字をはじめ多くの外来語を取り入れながら発達してきた日本語の発音・表記・語彙・文法などに現れた独特の性格を、外国語とも比較しながら明快に説く。

    [ 目次 ]
    序章 日本語の性格を知ることは
    1 世界の言語と日本語
    2 日本語の発音
    3 日本語の表記
    4 日本語の語彙
    5 日本語の文法
    6 日本人の表現

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 日本語教師を目指すなら、金田一春彦の本は読んでおかなければと思い、ブックオフで買いました。

    昔の本だけあって、考え方が最近の日本語学とは若干異なり、戸惑いながら読みました。

    でも、敬語に関する金田一先生の考え方はとても精確で斬新で読んでよかったと思いました。

  • 個人的にも非常に楽しめたし、
    日本語を教える身としても勉強になりました。

    ただ期待されている読者の漢字の知識水準が上なのか、
    二・三読めない漢字がありました…。
    私、まだ漢字はできる方だと思うんだけど。

    途中で出てきた「おられる」について。
    私が長年誤用(もしくは関西方面の方言)だと信じていた言葉だったので
    金田一先生が使用していたのは衝撃だった。
    調べた結果、
    どうも間違いではないらしい。
    「おる」は「いる」の古語的表現であるため。
    (と、ここにメモ書きしておく)
    そうか…。

  • 日本人は、外国語を学ぶ前に、少し母国語を考える必要があるのではないか。<br>
    日本語学をかじりたい。だけど、難しい用語はだるい。そんな方々にこの本はお薦めです。話し言葉の優しい口調で書かれていて、とても読みやすいです。日本語を母語としてもっているなら、読むべきです。
    <BR>
    きっと日本語は素晴らしいと感じるはず。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大正2年、言語学者金田一京助の長男として東京に生まれる。昭和12年、東京帝国大学国文科を卒業。専攻は国語学。名古屋大学で助教授、東京外国語大学、上智大学で教授を歴任。東京芸術大学、ハワイ大学、在中国日本語研修センター(北京)、NHKアナウンサー養成所などで講師、玉川学園客員教授なども務め、日本ペンクラブ理事なども兼任した。著書に、『日本語』『ことばの歳時記』など多数。なかでも教科書や辞書『現代新国語辞典』他の編纂で多くの人に親しまれた日本語研究の第一人者。平成9年文化功労者に選ばれる。平成16年5月没。

「2016年 『美しい日本語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金田一春彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マーク・ピーター...
レイチェル カー...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×