- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140018002
作品紹介・あらすじ
生態学的歴史観(生態史観)にたつとき、「世界の歴史」ないし「歴史における文明」を、どのように理解することができるか。多くの文明論が、西欧を尺度にして、非西欧諸国の位置を比較してきた。しかし、その基準軸をアジアに、日本に移動させて世界を見たらどうなるのか。せめぎ合う民族と国家の時代、転換期の世界の歴史は、どのように捉えられるのか。日本と世界の現実を見据え、現代世界の解読をめざして、思索を続ける梅棹忠夫は、ひとびとの暮らし、社会と文化の総体としての文明、それらに根ざす生きた現実を、積年に亙る踏査成果から描出し、歴史と文明を読むための"手がかり"を提示する。現代日本を代表する独創的思想家による世界史フィールド・ノート。
感想・レビュー・書評
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コラムとして連載されたものだそうで、1編が短く、おもしろそうな内容なのにほんの入口だけで終わっちゃって物足りなかった。
1942年黒竜江で当時ソ連の船と通り過ぎた時、ズボンの上にスカートをはいて女性の目印にしていたという記述を読み、あっと思った。1970~80年代、女子武術選手がズボンの上にプリーツスカートをよくはいていたからだ。
社会主義ではどんな身分でも男女でも平等。服もみな同じ。でも男女が一目でわかるようにする必要があるときもあって、その場合にスカートをはくことになっていたのだろう。武術のスカートもそれだったのか。
数年前、日本でもズボンの上にスカートをはくのが流行った(今でもときどき見る)。あれは何だったんだろう。バリバリ社会主義の時代のソ連中国のスタイルと同じだ、といってもみんなはくのかなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界史の本流は欧米列強の近代史や中国諸王朝の興亡史が主ですが、その中ではあまり顧みられることがないような地域・民族・事件について著者の体験をもとにその歴史の考察が行われています。話題は全大陸に及んでおり、教科書にはのらないような、けれど教科書的史実とどこかで結びつくようなそんなエピソードが選ばれています。