男女共同参画社会をつくる (NHKブックス 950)

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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140019504

作品紹介・あらすじ

日本社会が直面するデフレと少子高齢化の悪循環。そこから脱却するためには、男性も女性もともに、仕事と家庭・地域活動を両立できるような環境を構築し、社会を活性化することが必要ではないか。税制・社会保障・雇用制度などの社会政策システムを「会社人間」と「内助の妻」カップルを優遇する「男性稼ぎ主」型から、性やライフスタイルに中立な「両立支援」型に改革することを提唱する。人が性別に縛られず個性と能力を存分に発揮できる社会のあり方を、持続可能な具体的改革案をとおして摸索する注目作。

感想・レビュー・書評

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  • 「男稼ぎ主」型から、「両立支援型」への改革について述べている。「男稼ぎ主」型とは、サラリーマンの夫、専業主婦、子供という家族形態である。
    高度経済成長期から、家族のモデルとされて来たが、はたして、それが、代表的なモデルであったのかという根本的な疑問を投げがているとともに、その家族モデルには限界に来ており、「両立支援型」へ向かうべき時機に来ていると述べている。政府も男女共同参画社会を唱えているが、様々な制度がそれに合わせて変えられていないのが、障害となっている。本書では、「両立支援型」社会を作るために7つの提言をしている。
     その中で私が特に共感したのは、配偶者特別控除、配偶者控除の廃止、子育て世代には児童手当を給付すること、男女間、正規社員・パート間の雇用平等の確立でする。
     配偶者特別控除、配偶者控除の廃止については、部分的に取り入れられ、児童手当もこども手当という形で、本書の提言が、一部取り入れられている。
     しかしながら、雇用の平等は確立していないと思う。正規で男性という優位側にいる自分がどのような努力をすれば、雇用平等の確立に寄与できるか、考えなくてはならないと思った。
     我が夫婦としてはようやく夫婦平等が実現しつつあるという感じがしております。

  • この本が出たのが2002年で、90年代から日本政府が男女共同参画を唱えていろいろとがんばってきたことがまとめたれているわけですが、今は2015年で、現政権もまた声高に同じようなことを叫んでいるというのはねえ。女性が輝く社会に!!ってオヤジ達に言われて心底不愉快な女性がいっぱいいることにいい加減気づけよ、と未だに思われてる政府と財界のおやじ達は大沢さんの本は読まないだろうな。

  • 橋本内閣の頃からの話が書かれていて、時系列的に理解するのにはいい本。また、なぜ、21世紀のわが国社会を決定する最重要課題であると男女共同参画社会の実現が言われているか、わかりやすいと思う。
    まだまだ遠いけど、この本に書かれている目指している方向性が必要だということの認知は広まっているとは遅々としているけれど思う。

  • [ 内容 ]
    日本社会が直面するデフレと少子高齢化の悪循環。
    そこから脱却するためには、男性も女性もともに、仕事と家庭・地域活動を両立できるような環境を構築し、社会を活性化することが必要ではないか。
    税制・社会保障・雇用制度などの社会政策システムを「会社人間」と「内助の妻」カップルを優遇する「男性稼ぎ主」型から、性やライフスタイルに中立な「両立支援」型に改革することを提唱する。
    人が性別に縛られず個性と能力を存分に発揮できる社会のあり方を、持続可能な具体的改革案をとおして摸索する注目作。

    [ 目次 ]
    序章 男女共同参画は日本活性化のカギ
    第1章 ジェンダーに縛られない社会―男女共同参画がめざすもの
    第2章 「男性稼ぎ主」型の形成と補強―高度経済成長期から一九八〇年代まで
    第3章 放置されたジェンダー・バイアス―やぶにらみの生活大国五か年計画
    第4章 橋本六大改革の光と影―「男稼ぎ主」型は改革されたか
    第5章 小泉「骨太方針」を検証する―比較ジェンダー分析の視点から
    第6章 男女共同参画社会への道―「両立支援」型の社会政策システムでつくる

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 卒論。人環図
    114
    198

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著者プロフィール

東京大学社会科学研究所教授

「2014年 『生活保障のガバナンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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