アルベール・カーン コレクション よみがえる100年前の世界

  • 日本放送出版協会
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140093450

作品紹介・あらすじ

フランスの大富豪アルベール・カーンは、好奇心旺盛な野心家であった。彼は私財を投じて、当時の最新カラー写真技術を携えたカメラマンを世界中に派遣、時にはみずからも同行した。彼の夢は、20世紀初頭のありのままの世界を記録し、地球映像資料館を造ること…。本書では、現在アルベール・カーン博物館が所蔵するカラー写真72,000点の中からとくに選りすぐりを紹介。現在ではすでに失われてしまった、民族性豊かな生活、衣装、風景を収めた、他に類を見ない一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 第一次世界大戦前から第二次世界大戦開始直前の写真集。
    金持ちの道楽と言うなかれ。
    世界中に写真技師を送り込んで、あらゆる写真記録を撮らせ、
    その時代背景と生活・風俗・文化を残したことは称賛に価する。
    何故女性しか写っていないのか、何故裸足なのか、
    背景の家が壊れているのは・・・100年前の生活が生々しく残っている。
    平和とは何か?
    それを残し保存したカーン。
    破産した彼の家を購入し、亡くなるまで自宅として住むことを許した自治体。
    膨大なコレクションと家・庭園は保存され、新たな自治体に引き継がれて、
    現代の人々に公開している。
    これもまた、称賛♪

  • ふむ

  • 以前TVでカーンコレクションの映像を見たことがある。第一次世界大戦末期のレバノンの様子や、英領パレスチナでユダヤ人に対して演説するバルフォアがいた。歴史として知ってことが映像で見られることに感動した。地元の図書館が改装していてしばらく足を運んでいなかったが、ふらりと寄ってみて普段行かないコーナーを眺めていてこの本を発見。TVで見た映像の世界を補う目的もあるこの本を、もちろん手に取った。富を得て私財を投じて世界の姿を映像記録として残そうとしたカーン。平和主義者の彼の事業は、しかし第一次世界大戦と重なり、中には戦争前の姿や戦争の被害の記録ともなってしまっている。それでも100年前の世界の姿をこうして映像で見られるよう残してくれたことに感謝。実際に博物館へ行けると良いのだけど現在閉館中だとのことだし、当面はコレクションをオンラインで見て100年前の世界旅行を楽し見たい。

  • ひさしぶりに写真集買った。
    まだ予約しただけだから届いてないけど、すごい楽しみだ!

  • 資料番号:011115136
    請求記号:290.8ア

  • アルベール・カーン氏は有り余る資産を使って奨学金制度を創設したり、カメラマンを使って、世界各国の風景や人々の暮らしを写真に撮り続けさせたのですが、現在の日本の資産家でこのようなお金の使い方をしている人はいるのだろうかと思ってしまいました。経済活動は世の中の人々を幸せにするためにあるものだと思うのですが、どうも違う方向に向かっているような気がしてなりません。そんなことを考えながらページを捲ったのですが、約100年前の日本はやはり美しかったです。

  • 1907年に開発されたオートクロームを用いて、フランス人銀行家のアルベール・カーンが第一次世界大戦前後の世界を撮影させたコレクション。映画や絵画の中だけで見ていた100年前の世界が収められている。

  • いやはや、とんでもない人物がいたものです。そして、ものすごく貴重な映像を後世の私たちに残してくれたものです。

    かつては、こういう未知の大人物を、我が敬愛する荒俣宏センセから教わったのですが、ひょっとしたら私が忘れているだけで、おいおい俺は教えたよ、とおっしゃるかもしれませんが、覚えていません。

    100年前の世界中の人たちの日常生活・生きている姿を、無一文になるまで私財を投げ打って、生涯をかけて記録することに情熱を燃やし続けた人がいました。

    アルベール・カーン(1860~1940)というフランスの銀行家・実業家で、当時ヨーロッパ有数の大富豪だった人ですが、全資産を投入して、20世紀初めの全世界50カ国近くにカメラマンを送り込んで、7万点以上に及ぶカラー写真と100時間にわたる映画を撮影させたのです。

    この存在を、NHK・BSで、昨年見逃して再放送の今週18日(火)から22日(土)に放映されたドキュメント・フィルムで見て知ったところに、たまたま21日(金)に書店で本書を見つけたという訳です。(ちなみに、この放送は、まだ来週も5日間続きます。)

    いや、それは単なる世界各地の人たちの普段の普通の暮らしぶりを写したものにすぎないと言ってしまえばそうなのですが、第一次世界大戦前の平和なまだ文明の波が押し寄せていない時間と、戦争の場面とが、鮮やかなコントラストを醸し出して映し出され、どれもが心打つもので、写った人の胸の鼓動まで聞こえてきそうな感じのするものばかりです。

    それがまた、初期の乾板と呼ばれる写真の色彩が尋常ではないとてつもない美しさで、どうかすると絵画と見間違うほどです。

    そして、世界のどの国でも、たとえ辺境の貧しい生活の人たちであっても、凛とした、プライドを持って生きている様子がはっきり伝わってくることが、より胸を打ちます。

    そしてまた、この美しい少女も、あの幸せそうなおばちゃんも、むこうの悠々とした好々爺も、その笑顔満面の赤ん坊も、すでに誰一人としてこの世の人ではないという真実が、胸を突きます。

    ぜひフランスはパリ西南のブローニュにあるアルベール・カーン美術館へ、一度は行って実物を見てみたいと思っています。

  • 1世紀近く前の人々のそのまま写ったような光景が興味深く、そして美しいです。
    ただ、第一次大戦の外の国の写真が少ないので、個別に特化した物があればと。

  • 特にベトナム、モンゴル等のアジアが興味深かった。NHKの番組ではもっと沢山の写真を紹介していた様なので、もっと国別に分けて写真集をつくっても良いのではないか。

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