- Amazon.co.jp ・本 (90ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140812259
感想・レビュー・書評
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ソロスはユダヤ人でハンガリーでドイツが侵入してきたのを逃れた。戦後はソ連が侵攻してきたので、ロンドンに亡命した。ソロスの父はロシア革命を生き残ってきたから時代の趨勢を読めたらしい。
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まず、クォンタムファンドの投機家ジョージ・ソロスはほとんど触れていません
それ以降の慈善の道を選んだソロスの話で進みます。
だから投資や投機を期待して読んでしまうと失望してしまいますが
ソロスの慈善の道を選んだ理由あたりも生い立ちから見れば当然の帰結だろうし
ソロスの本当の姿を知るにはこれが正しいとも思えます。
慈善や寄付の考え方で非常に興味深く思えたのが「かつては日本の企業も寄付に熱心だったがバブル崩壊と共に低迷してしまった」と言う問いに対してソロスはキッパリと否定し
「わたしは、企業が行う慈善活動には賛同しません。寄付は、経営者が個人資産のなかからするべき」と返答し
ビル・ゲイツ等の経済界の慈善活動の参加などについても評価する一方で
「しかし同時に、現在のアメリカでは悪い状況も見られます。
・・・格差が広がっている・・・貧富の差が大きくなり、それが拡大している社会は、何かが間違っている
・・・世界中の不幸な人びとの世話を、一部の金持ちの慈善家だけに任せておくわけにはいきません。」
この辺りは目から鱗です。ユダヤ人であるソロスの哲学が見えます。
寄付とは個人が行う気持ちだろうし収入の大小に関わらず自分に出来る範囲で寄付を行ってみると言うことですかね?
改めて言われてみれば当たり前過ぎる話です。
ただ格差についてソロスもそこで「平均的収入の人びとは恩恵を受けていません」とあるように
世界中にいる平均的な人びとは寄付をする余裕がないのが現代社会の現実である
それはつまりは困っている人びとがいてもそこに手を差し伸べる人びとに「ゆとり」がないってことだと思う。 -
第二次世界大戦が終わって60年以上。
でもまだ、その影響がいろんなところに。
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ジョージ・ソロスへのインタビュー本。
ソロスと言えばヘッジファンドの雄、ハゲタカ、のように思われるが、実は慈善活動家として力を注いでいるよ、という話。
Open Society Instituteという団体で頑張っているらしい。
http://www.soros.org/
◎フィランソロピー(philanthoropy)…ギリシャ語のphilo(愛)+anthropos(人)
社会変革のための寄付・女性など、民間による社会貢献活動。
一方…
charity(慈善)
持てるものが恵まれないものに金銭や物を与える。
フィランソロピーは、より積極的に社会問題の解決に貢献。
自分がやりたいのはこれだ! -
投資家であるが慈善活動家でもあるソロスの哲学を垣間見ることができる。人間の安全保障、オープンソサイエティというキーワードに基づいて行動しているのにはとても共感できた。また、エイズ等の感染症を予防するための保健機構の役割の重要さも同時に理解できた。小さいことから行動していこうとと思う。