ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い (NHK出版新書)

著者 :
  • NHK出版
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784140884676

作品紹介・あらすじ

1985年。アメリカン・ポップスの青春が、終わった。ポップスの歴史を鮮やかに読みとく1冊!

感想・レビュー・書評

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  • 最高に興奮する本だ。

    特に80年代前半のヒット曲が好きな人は最高に楽しめる内容です。

    当時を全く知らなくても、
    とんでもなく大きな計画が実行され、成功した様を追体験できます。

    スターと、大スター、と大御所しかいない風景。
    数多く魅力的なエピソード。

    有名で知っている話もありますが
    初めて読む驚くべき出来事も多々あります。

    アメイジングなレコーディング秘話や
    哀切あふるる後日談など様々

    できれば、一人でじっくり読むことをお薦めします。

    洋楽好きで、当時ヒットしているさまを体感してる人なら必読の書です。

  • 呪いとは祝いの逆のベクトル。呪縛と祝福は背中合わせかもしれない。80年代という時代に起きた奇跡的な作品に集まった煌びやかなスターたちの関係性とアメリカという国の白人と黒人の問題、音楽と映画(映像)に関して西寺郷太という稀有な文章も書けるミュージシャンが自らの想いと記憶、資料と熱意を持って記した一冊。

    この奇跡のあとに起きた呪い、80年代が終わってグランジ・オルタナティブという90年代の季節がやってくるのは当然だったのかもしれない。この場所にいなかった呪いから逃れたスターたちのその後も。

    そして9月にはそこに居なかったプリンスについての『プリンス論』が刊行される。
    情報が過多になり、検索すれば出てくるネットが当たり前になった世界ではその「検索ワード」がわからなければもう検索も知ることもできないのだ。郷太さんはこういう時代があったことを知らない世代に対して知っていることを伝えようとしている。それは音楽の歴史だしポップスの時代と今に繋がるものたちを橋渡しする役目は自分にしかできないと自負しているからだろう。
    知らないことがあるのは幸せだ。僕は80年代前半生まれだから全然知らなかったことばかり。また当たり前のように知っているミュージシャンの見え方が音の聞こえ方が変わってくる一冊。

  • 前半のアメリカンポップスの歴史については、とてもよくまとまっていて秀逸。☆5つでもいいくらい。しかし、如何せん、タイトルにもなっている「呪い」の部分については、何だかなあ…という感じ。満足感とがっかり感が見事に同居してしまっている本だと思った。

  • まあまあかな

  •  ライオネルリッチー・スティービーワンダー・ビリージョエル・ホール&オーツ・ヒューイルイス・ブルーススプリングスティーン・シンディローパー、、、綺羅星のような80年代前半のヒットチャートをにぎわした彼らはなぜウィーアーザワールドの2年後に軒並み売れなくなったのか?
     奇跡の作品の制作過程で露出しすぎて神秘性が無くなったのと、夢のような共演を達成したことで虚脱感を音楽シーンにもたらしてしまったからではないか。
     こういう分析がされてるんだけど、単純に時代の移り変わりについていけなかったからではないかというのが私の感想。同じく80年代スターとしてジャネットジャクソンもホイットニーヒューストンもマドンナも出演していないけど、それは登場が遅かったからだけで、結局、90年代前半に失速してるからね。MCハマーやボビーブラウンもほぼ1枚だけだし。
     タイトルに期待してたけど、マイケルジャクソンやアメリカンポップスの話が大半で、タイトル負けしてる感じは否めない。

  • アメリカの音楽シーンを簡単にまとめてくれているのは面白い。このへん、ほんと疎いからね。

    でも「呪い」の部分がイマイチな感。
    そりゃあ、絶頂の人ばかりが集まるんだから、レコーディング後に絶頂じゃなくなるのは当たり前だと思う。「平均への回帰」みたいなもんで。

  • 2017年5月25日読了。1985年に発表された、45名もの大物ミュージシャンによるチャリティー曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」のレコーディング風景と、その前後での世界的な音楽の変化について読み解く本。衝撃的なタイトルだが、読んで考えてみると80年代前にピークを迎えたアーティストがその後も勢いを維持するケースが稀であり、この曲は単に象徴的なものであって、別に呪っているわけではない、ということか…。メイキング映像はレコーディングの様子、アーティスト同士のやりとりなどが克明に記録され見応えがあるようなので、是非見てみたい。

  • 奇跡的なひと晩は、どういう文脈で訪れたか?

    音楽の内側では白人と黒人の差が小さくなった現在(外側はまだ余裕で修羅の国)。そこに至る過程となった時代。

    プレスリーから80年代までを俯瞰し、80年代にあるケタ違いのピークを迎え、そしてそれが作り手としても聴き手としても過大な消費となり、"we are the world以前の旧世代"という枠を作ってしまった転換点。

    まだ生まれてないタイミングだったけど、そんな人にも80年代が捉え直せるよいまとめでした。

    →次の一冊...プリンス論(同著者)

  • 2016.9.18

  • チャリティ・ソングの金字塔「ウィ・アー・ザ・ワールド」が、アメリカン・ポップスの青春を終わらせた真犯人? 奇跡の楽曲が生まれた背景と、その後にもたらされた「呪い」の正体を検証する。

    タイトルが大げさ・・・?

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著者プロフィール

西寺郷太(にしでら・ごうた)
1973年東京都生まれ京都府育ち。バンド「NONA REEVES」のボーカリスト、メインコンポーザーを務める。音楽プロデューサー、作詞・作曲家として、V6、岡村靖幸、YUKIなどへの楽曲提供・プロデュースを行うほか80年代音楽研究家として、マイケル・ジャクソン、プリンス、ジョージ・マイケルなどのオフィシャル・ライナーノーツなども数多く手がける。
著書に『新しい「マイケル・ジャクソン」の教科書』(新潮文庫)、『マイケル・ジャクソン』(講談社現代新書)、『ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い』(NHK出版新書)、『プリンス論』(新潮新書)、『始めるノートメソッド』『伝わるノートマジック』(スモール出版)、監修『MJ ステージ・オブ・マイケル・ジャクソン』(クレヴィス)などがある。
現在、『GOTOWN Podcast Club』を配信中。

「2020年 『ディスカバー・マイケル THE BOOK』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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