- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140887141
感想・レビュー・書評
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認知行動療法の観点からどうして人の期待に縛られるのかやどう対峙すればよいのかをわかりやすく説明してくれている。良書。
全体的に理論だけでなく、事例もふくめながらなので認知行動療法を知らない人でも理解しやすいと感じる。
何よりも出てくる事例や思考パターンが自分自身や身近な人々に当てはまりすぎて驚く。
考え方を整理することでモヤモヤが少しスッキリしたり、自分らしく生きることへのハードルが下げられることが実感できた。
一回読んで終わりではなく、時間をおいて何度も読み返したくなる一冊。
人の期待に縛られやすい人
・心の奥底にネガティブなスキーマを持っている
・自分と相手との境界線が曖昧になっていたりすることが多い
・自尊感情が低下している
<印象的だったフレーズ>
マイナスを0にしたり、弱点を克服したりする努力だけでは心はエネルギーを失っていく。自分の『好き」を大切にすることこそ、結果的に幸せへの近道になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
色々なスキーマにあてはまっていた。
自分の過去を振り返り自分と向き合う時間を増やし、よりよい人生を歩んで行きたい。 -
●中島美鈴。九大人間環境学研究院で認知行動療法の研究。
●いつも一生懸命誰かの期待に沿うように生きている。自分がどうしたいか、どう振る舞いたいかよりも、他人にどう思われるかを優先してばかりいる。
●ある場面で、瞬間的に湧いてくる思考のことを「自動思考」といいます。私たちは思考をある程度自動化している。
●物事の捉え方の根底にあり、自動思考に影響与えているつよい思い込みを「スキーマ」と言います。自動思考が場面固有の考え方であるのに対し、あらゆる場面に共通する考え。
●私たちの物事の捉え方=認知は、大まかには、自動思考とスキーマで構成されていて、そこに著しい偏りがあることを「認知の歪み」があると言います。その歪みを修正したり、距離を取ったりすることで、様々な心の問題を改善していこうというのが、認知行動療法の基本的な考え方。
●根本にあるスキーマが「中核信念」と呼ばれるのに対し、行動戦略のようなスキーマは「媒介信念」と呼ばれます。これらはコインの裏表のように正反対に見えることがある。だからこそ、中核信念は探り当てるのが難しい。
●まず、自分がなぜこういう状況に陥っているのか、認知と行動のパターンを書き出してみることが有効です。書き出さないと、私たちは無意識的にそのことを繰り返してしまいます。