- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784140911877
作品紹介・あらすじ
東日本大震災とそれに伴う原発事故を機に顕在化したITの諸問題。かつてない非常時に、政府、企業、マスメディア、そしてソーシャルメディアなど、各情報システムはどう機能したのか。それぞれの脆弱性および柔軟性を技術面から検証する一方で、鴨長明や寺田寅彦など過去の震災を伝えた古典なども取り上げ、「情報」が有する情緒表現の重要性を説く。安心・安全な社会を築くために、今後のITのあるべき姿とは?情報工学者であり歌人でもある著者が、システムと人心の両側面から、その方向性を提言する。
感想・レビュー・書評
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「最善設計・最善リカバリー」
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ユニークな着眼点の防災論。
歌人だけあって、文章も読みやすい。 -
本を、ぱっと開いた印象は、「地味そうな本だなぁ」。
少し読むと、落ち着いた文体で、現在の情報技術の状況や問題点がとても丁寧に書かれてありました。
福島原発の事故や、みずほ銀行のシステムダウンなど、IT社会が抱える問題点を踏まえ、安心・安全な社会をどのようにつくっていくのか。
「最善設計、最善リカバリー」という考え方を活かすのが現代のIT技術なのですね。 -
みずほ銀行は義捐金募金でシステムがパンクしてしまったのか。
世の中の多くのものと同様にITシステムも運用当初kら完璧なものはない。設計、政策(コーディング)、テスト、デバグを通じ莫大な労力を払って、最善のものとなるように作られる。それでも0.1%くらいは運用時にバグや脆弱性は残っている。
ITや原子力に限らず全ての技術は最善設計、最善リカバリーで運用するほかない。人間が作るものに絶対はない。