サン=テグジュペリ『星の王子さま』 2012年12月 (100分 de 名著)
- NHK出版 (2012年11月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142230211
感想・レビュー・書評
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(2012.12.30読了)(2012.11.28購入)
『星の王子さま』を読んだのは、結婚して子供ができてからです。かみさんの本棚にあったのを借りて読みました。評判は聞いていたので、どんな本か知りたくて読みました。
帽子に見えるけど、実はうわばみが象を呑み込んだところだ、というようなところは面白かったのですが、全体としてどういうことを表現したかったのかはよく分かりませんでした。
この本を読んでみると、そういう読み方ができるのかと、感心してしまいました。
ちょっと深読みのしすぎじゃないのか、とか思うところもありますが、一つの読み方と思えば、許される範囲と思います。
【目次】
はじめに 見えない幸せの世界
第1回 子どもの心を忘れずに
第2回 悲しい勘違い
第3回 本当の絆の作り方
第4回 全ては心で変わる。
●バオバブ(35頁)
ヒツジにバオバブを食べさせるというのは、私たちの心をヒツジに象徴される穏やかな気持ちや優しい気持ちで満たすことによって、バオバブのような邪悪な気持ちが育つのを抑える、あるいはバオバブが放つ毒気を中和することではないでしょうか。それが、取っても取っても顔を出すバオバブに心を占領されないための一番の方法だということです。
●言葉や見かけ(47頁)
何でも思い通りになるようなことを言っていた王さまは実際は無力でした。言葉や見かけは真実を現わしているとは限らない、王さまの姿から浮かび出るのはそのことです。
●呑み助(49頁)
呑み助のおかしさは、酒を飲む恥ずかしさを忘れるために酒を飲む、という堂々巡りのなかにいることです。循環論法の不毛さは、そこから何の発展も生まれないことにあります。呑み助は情けない自分を恥ずかしく思いながらも、いつまでも情けない自分のままで居続けることになるのでしょう。
●変わり得る自分(50頁)
私たち人間の自己愛を支えるのは「完璧な自分」などではなく「変わり得る自分」です。今日は駄目でも明日は、と将来の自分に期待することで私たちは至らない現在の自分を過度に嫌うことなく、次のステップに踏み出せるのです。
●愛するとは(58頁)
経験がぼくらに教えている。愛するとは互いに見つめ合うことではなく、同じ方向を一緒に見ることだと。(『人間の大地』より)
●友だち(67頁)
友だちというのは王子が考えているように最初からどこかにいるわけではなく、王子が誰かを相手にいい関係を育てることができたら、その時その相手が自分の友だちと呼べる存在になり、自分もその相手にとって友だちになるということです。
●価値(78頁)
ものごとの本当の価値は自分がそれと結ぶ関係の質で決まるものであり、人生の豊かさは所有物の豊かさではなく関係の質の豊かさにある。
☆サン=テグジュペリの本(既読)
「星の王子さま」サン=テグジュペリ著・内藤濯訳、岩波少年文庫、1953.03.15
「夜間飛行」サン=テグジュペリ著、新潮文庫、1956.02.20
(2013年1月9日・記)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供の頃、ウワバミの凄さに驚いた記憶がある。象を丸ごと飲み込んだ絵を見て、何が描かれているかを推測する。物語の最初から、本書のテーマが投げかけられる。眼に見えることだけで判断することなく、眼に見えないことから感じる。関係価値という概念から友情が育まれる。極めて当たり前に思えることが、この物語を通して、読者に伝えられている。そこには、当たり前のことを見失っていく、成長とは何かについて、警鐘が鳴らされている。物語の結末と、著者自身の最期には余韻が残る。
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このシリーズでは珍しく,原本を先に読んでる.だけど,改めて解説を聞くと興味深い.完璧なんじゃなくて,自分が変わりうる存在であること,そのことが自分のポジティブな評価につながっていくんだ.原著を立ち止まって読み直したらきっと新たな気付きがあるんだろうなぁ.
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精読
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この本を読んで名著をまた読む。人生の気づきを与えてくれます。
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ほんとうに大切なものは、目には見えない。
心の中に大切な人がいれば、その人はひとりぼっちじゃない。
水本教授の愛にあふれた解説が素敵です。 -
TVで見てから読んだので同じようなことが書いてあった。
ものよりもきずなを深めるほうが大事というのには頷ける。私は最近あまり物欲がないような気がする。孤独なときよりも絆がいっぱいあるからかも。 -
『星の王子さま』の解説書みたいな感じ。
このテキストを読んで『星の王子さま』を読んだ気になるよりは、実際に読む方をおすすめしたいです。 -
キレイ無難にまとめてある印象。