- Amazon.co.jp ・本 (100ページ)
- / ISBN・EAN: 9784142231447
作品紹介・あらすじ
古代の生活から、日本人の宗教観、文学、芸能のルーツを探る折口の代表作
日本民俗学の嚆矢である柳田国男の影響を受けつつも、祖霊信仰とは異なる「まれびと」や「他界」という独自の概念を提唱し、日本文化研究に大きな足跡を残した折口信夫。本書は国文学や芸能の発生と、神事との深いかかわりを多角的に体系づけようとした彼の主著であるものの、国文学篇1巻、民俗学篇2巻という長大さ、輻輳するテーマなど、初学者にはとっつきにくい難著でもある。生活実感や体験を重んじる調査法や、社会から疎外されてきた芸能者の内包する聖性への気づき、同時代の社会批評的姿勢など、折口ならではの視点に注目して、本書で彼が示そうとした日本文化の基層にアプローチする。
感想・レビュー・書評
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折口学が実感を大事にするというのには多少の共感はありつつも、とはいえ折口信夫がそう言ってるから単にそれを鵜呑みにするというのではなく、なぜ実感が大事だと考えるのかを語ってほしかったなと思った。一つの著作(『古代研究』)を理解するのに著者自身(折口信夫)について知ることでその理解を促進したり深めたりできるであろうことは分かるけれども、それを『古代研究』の内容と関連づけて語れていないように自分は感じた。テレビ放送の方は確認していないので、もしかしたらそちらでは上手くできているのかもしれないが。
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「万葉学者、墓をしまい母を送る」の著者、上野誠がテレビで話してました。NHK Eテレ100分de名著「古代研究」で折口信夫についてです。前著ではテーマだけでなく語り口にも魅了されたのですが、ナマ上野誠(テレビだからナマじゃないけど…)も独特で熱い語りを展開していました。ただ折口信夫の思想そのものが膨大なので掴み切れず…よって久々に番組テキストの購入となった次第です。このテキストの上野節も番組以上に炸裂している感があり楽しめました。番組を見てからテキストを読んで、という順序で感じたことは、語り口って思考そのものなのだなぁ。ということ。翻って、それって折口信夫の学問そのもののことなのかもしれません。全く見た目のタイプの違う折口信夫と上野誠はそこで響き合っているのかもしれません。学問と文学の間の境界線のどっち側に立つか、が似ている気がします。ということで番組でもテキストでも盛り上がる、師、柳田國男との相剋について、上野先生の柳田民俗学についての上野解説も聞きたくなりました。
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【2246】名前は知っていたが、折口関連の著作は、これが初めて読んだもの。大きな感銘を受けた。海原を見て「常世」を想起するのは、折口が「渡海の民」の血を引いているからと妄想。
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勉強になった‼️
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100分deの折口信夫『古代研究』解説。折口は柳田國男を通じて触れていた程度だったけれど、本書でそのさわりを知った感じ。
柳田が言語化で民俗を捉えようとしたのに対し、折口は言語化できない要素を重要視して、ホーリズム的に捉えようとしている感じ。その点が柄谷行人などの批評空間界隈から批判されていた理由かと思った。まあ右側から支持されていることもあるとは思うけど。
ただその批判もわかるところはあり、論理を超えたところに折口は自身の理論を構築していた印象があり、ポパーのいう反証できない理論になっているのではという思いも抱いた。 -
珍しく眠くなる内容でした
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「折口信夫『古代研究』」上野誠著、NHK出版、2022.10.01
101p ¥600 C9439 (2022.11.11読了)(2022.09.27購入)
日本文化について独特のアプローチをした折口信夫の『古代研究』の紹介です。
ちょっとなじめない感じですね。
【目次】
【はじめに】「実感の古代学」で日本文化のルーツを探る
第1回 「他界」と「まれびと」
第2回 国文学の発生
第3回 ほかひびとの芸能史
第4回 「生活の古典」としての民俗学
☆関連書籍(既読)
「「日本人」とは何者か?」松岡正剛・赤坂真理・斎藤環・中沢新一著、NHK出版、2015.04.25
「古事記」角川書店編・武田友宏執筆、角川ソフィア文庫、2002.08.25
「楽しい古事記」阿刀田高著、角川文庫、2003.06.25
「古事記」三浦佑之著、NHK出版、2013.09.01
「日本書紀(上)」宇治谷孟訳、講談社学術文庫、1988.06.10
「日本書紀(下)」宇治谷孟訳、講談社学術文庫、1988.08.10
「万葉集入門」久松潜一著、講談社現代新書、1965.02.16
「万葉集」坂口由美子著・角川書店編、角川ソフィア文庫、2001.11.25
「万葉集」佐佐木幸綱著、NHK出版、2014.04.01
「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
「源氏物語 巻一」谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.06.10
「源氏物語 巻二」谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.07.10
「源氏物語 巻三」谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.08.10
「源氏物語 巻四」谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.09.10
「源氏物語 巻五」谷崎潤一郎訳、中公文庫、1973.10.10
「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「新源氏物語(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
「遠野物語」柳田国男著、角川文庫、1955.10.05
「柳田国男「遠野物語」」石井正己著、NHK出版、2014.06.01
「全文読破柳田国男の先祖の話」石井正己著、三弥井書店、2015.12.01
(アマゾンより)
古代の生活から、日本人の宗教観、文学、芸能のルーツを探る折口の代表作
日本民俗学の嚆矢である柳田国男の影響を受けつつも、祖霊信仰とは異なる「まれびと」や「他界」という独自の概念を提唱し、日本文化研究に大きな足跡を残した折口信夫。本書は国文学や芸能の発生と、神事との深いかかわりを多角的に体系づけようとした彼の主著であるものの、国文学篇1巻、民俗学篇2巻という長大さ、輻輳するテーマなど、初学者にはとっつきにくい難著でもある。生活実感や体験を重んじる調査法や、社会から疎外されてきた芸能者の内包する聖性への気づき、同時代の社会批評的姿勢など、折口ならではの視点に注目して、本書で彼が示そうとした日本文化の基層にアプローチする。 -
折口信夫の
考え・感性
しっくりくるような...
でも学問として考えた時
しっくりくるから
と言って
それが正解とは言えない
データを集めて
立証するなど
しなくちゃいけない
そう考えると
学問って
ちょっとつまらないもの
狭い範囲のものだなと
思った
三洋堂書店清洲店にて購入 -
Eテレで見て
1,他界とマレビト