NHK出版 学びのきほん しあわせの哲学 (教養・文化シリーズ NHK出版学びのきほん)

著者 :
  • NHK出版
3.97
  • (11)
  • (13)
  • (10)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 275
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784144072727

作品紹介・あらすじ

人が元気に喜びをもって生きていく、そのために必要なことは何か

「哲学」という営みが誕生して2500年ものあいだ、追求され続けてきた根源的なテーマ「しあわせ」。哲学の歴史とは、人が「しあわせ」を追い求め続けた歴史とも言える。人は、どうすれば「しあわせ」を感じ取ることができるのか。哲学者は、どのように「しあわせ」を見出していったのか。ソクラテスの「対話」、ハイデガーの「可能性」、ニーチェの「永遠回帰」……本書ではまず、哲学が生まれてから現在まで、それぞれの哲学者が時代ごとに考え抜いた思想のエッセンスを紹介。加えて、先行きの不透明さに不安を感じるいまだからこそ「哲学思想」という道から、人がしあわせに生きるために必要な考え方を提示する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「しあわせ」について、哲学者たちの言説を俯瞰的にとらえ、かつとても噛み砕いて技術している。
    大変示唆深く、繰り返し読みたい一冊。
    また、これを起点に様々な関連書籍を手に取りたいと思った。

  • 哲学と言われるととっつきにくいけど、『しあわせの』と書かれて「お?!」と思って立ち読みから購入した。
    哲学者に対しては、私は本当に無知で、名前は聞いたことあるけどなにしてるひと?位知らないレベルだったので、読みきれなかったらどうしょう…と戦々恐々だったが、著者の西研さんが、ものすごく解りやすく噛み砕いて書いてくれていて、さらに『しあわせ』について絞ってる分実に読みやすかった。何度も読み込んで、自分に落とし込んでいきたいと思う。
    個人的には、この本のサイズ(A5)と厚み、紙質(非常に鉛筆で書き込みしやすい)が凄く好み。ただ、表紙はくたびれやすいので、すぐボロボロになってしまう。
    後ろのブックガイドが、知識や興味を深める為に使える本のが色々と。
    値段も手頃なので、他のシリーズも読んでみたいと思う。

  • とてもコンパクトな一冊ですが、「人はなにを求めて生きる存在か」、「人が元気に喜びを持って生きるために必要な条件は何か」=「しあわせの条件」をルソー、キルケゴール、ハイデガー、バタイユ、フッサール、エリクソン、ヘーゲル、ニーチェの思想などを紐解きつつ、一旦個別化してしまった我々は、互いに頼ったり一緒に遊んだりする人間関係を育てる必要がある、対話の関係を育むことでわたしとみんなのしあわせにまっすぐつながると説く。
    あたたかい哲学ですね。

  •  難しい部分もあったが面白かった。何度か繰り返し読んで理解を深めていきたい。
     承認と自由を繋げるには対話が必要とあり、人付き合いが面倒に思いなんでも自分一人でやっていけると言う傲慢さから解放された。また独りよがりでもいけないという認識も得られた。
     また、私達が元気にエネルギーに溢れる人生を送るには本当の自由の獲得が必要。本物の自由を獲得するためにヘーゲルの「事そのもの」、プラトンでいうところの同じ意味合いを持つ「イデア」という事物の本質を目指すことにより自分軸を持たなければならない、これには共感した。世間の空気を読んだ表面的な評価を獲得することを目指すのではなく自由な対話が出来る環境を生み出し事物の本質を目指すことにより真の幸福を追求する。
     哲学自体がまさに「事そのもの」を追求した学問ですね。
     
     

  • 西研さんのやさしくて素朴な語り口が、一見難解な哲学者のことばを高校生や中学生でも分かる「しあわせ」への入口に変えてくれる。言ってしまえば陳腐なようでも、これを体現できる力と信頼感が、誰にでも薦めたいと思わせるほどの一冊。

    「したい・できる」を問い直すこと、自由とその承認、対話の中での「よさ」の確認。いろんな哲学者のことばの点が、しあわせを考える点で繫がっていき、哲学者に触れるきっかけも作ってくれる。

    この考え方を通して、自分自身を見つめ直すもよし、頭に思い描く誰かを見つめ直すもよし。人一人のしあわせという点では育児にまで応用が利きそうな広い懐。

    帯の通り2時間でスッと身に染みる考え方が素敵でした。

  • 噛み砕いて説明してくれるので、すっごく読みやすい。オススメです!

  • 2023/09/16 amazon p249

  • 母親にすすめられて読んだ本!

    ものすごく短く簡単に書かれているからなんだろうけど、さらっと呆気なく書かれすぎていて、「え、それって本当にそうなの?」と思う箇所が多くあった。それでも立ち止まらずに読んでしまったけど。もう少し自分なりに噛み砕いて読みたいな。すごーく整理されてまとめられてる入門の教科書という印象。

    4章だかで触れられていた対話に関する議論に触れて、最近読んだ「プロカウンセラーの聞く技術」との対比?に気づいた。これまであまり意識していなかったけど、対話と聞くことは違うことなんだなあと(いや、もちろん似通った部分もあるんだろうけど)。2冊それぞれを読んだ現時点では、対話は相互理解を深めるもの、聞くことは相手が相手自身を理解する場になること、みたいな理解だな〜

  • ものすごく腑に落ちました。
    シェアしたい。

  • 子どもが主体性を発揮できないのは安全基地がないからなのかなぁと考えてた。
    見守ってるが手出しはしない。手出しはしないが大切だよなぁ。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

哲学者。京都精華大学社会メディア学科助教授。哲学者らしからぬ軽い風貌と語り口で若いファンを多くもつ。「普通の人々の心に届く新しい哲学を構築するのは彼しかいない」といわれる期待の学者。著書は、『哲学的思考』(筑摩書房)、『実存からの冒険』(ちくま学芸文庫)、『ヘーゲル・大人のなりかた』『哲学のモノサシ』(NHK出版)、『哲学は何の役に立つのか』(洋泉社新書y、佐藤幹夫との共著)など多数。現在、『哲学のモノサシ』シリーズを執筆中。

・もう一つのプロフィール……
だれに聞いても「怒った顔をみたことがない」という温厚な哲学者。学生からの人気はピカイチ。天才的頭脳の持ち主にしては「ちょっと軟弱」「貫禄がない」との評もあるが本人は全然気にしていないようだ。

「2004年 『不美人論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西研の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×