苦いオードブル (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1797)

  • 早川書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150017972

感想・レビュー・書評

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  • ドルが、経営者としてしっかりしてた。
    ついこないだ(昨日読んだばっかだったからw)まで
    探偵としては、まだまだ駆け出しだったのにw

    ドルの所の駆け出しエイミーが巻き込まれる事件。
    ドルの時もそうだったけど、今回も関係者が被害者です。
    巻き込まれたエイミーは、自分も被害者で、嫌疑もかけられて。
    たまたま知り合って好意を持ってくれたテカムス・フォックスに相談するわけだ。
    そして、エイミーの事を気に行ってたフォックスは、費用もぜーんぶ自分持ちで事件に挑む。
    若くて美人って、いいわね。
    果たしてアーサー・ディングリー伯父さんを殺害したのは誰なのか!?
    この殺害は、缶詰にキニーネ入れられてた事と関連があるのかないのか!?

    買収しようとしていたP&B社の副社長 レナード・クリフなのか?
    こちらも買収をしようともくろんでいるとされる、メトロポリタン・トラストのガスリー・ジャッドなのか?
    エイミー・ダンカンが実は嘘をついているのか?
    遺産を受け取るのに制限かけられたアーサーの養子 フィリップ・ディングリーなのか?
    アーサーと電話をして声を聞いたと言っている グエンドリン・イエーツなのか?
    誰もが、犯人とも考えられる。
    そして、驚きの新事実も明らかになって・・・。

    テカムス・フォックスも、なかなかに強引なやり方使いますな。ドルに負けず劣らず・・・。
    でも、ドルよりは、「考えなしに」って感じはないか。


    で、結局、この、ティングリーの会社は、買収されたんだろうか?どうなったんだろうか?

  • 「レックス・スタウト」の長篇ミステリ作品『苦いオードブル(原題:Bad for Business)』を読みました。

    「コリン・デクスター」の『カインの娘たち』に続き、懐かしいハヤカワポケミス(ハヤカワ・ミステリ、HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOK)版です。

    -----story-------------
    老舗食品会社は揺れに揺れていた。
    看板商品である瓶詰オードブルへのキニーネ混入事件が続いたのだ。
    苦くて食べられない製品に、評判はがた落ち。
    しかもその騒動のさなか、今度は社長が殺される。
    第一発見者は、キニーネの件を調査してい「たエイミー」。
    女性探偵「ドル・ボナー」の事務所で働く新人の彼女は、あまりの事態に動転し、偶然知り合った「テカムス・フォックス」に助けを求めた。
    名探偵として鳴らす「フォックス」は、彼女を窮地から救うべく、ニューヨーク中を駆けまわる。
    巨匠「スタウト」が生んだもうひとりの名探偵「テカムス・フォックス」颯爽登場。
    -----------------------

    やっぱり、憧れのこれっ ですよねっ、、、

    小口と天・地が黄色に染めてある、懐かしいハヤカワポケミス版… なんだか、持っているだけで嬉しい感じです。


    名探偵「テカムス・フォックス」シリーズの第2作目にあたる作品… 「レックス・スタウト」作品を初めて読んだので、もちろん、本シリーズも初めてです、、、

    1930年代後半から1940年代前半のニューヨークを舞台に描かれた、ちょっとハードボイルドっぽい印象のあるミステリ作品でした。


    オードブルの缶詰を作っている老舗企業ティングリー・ティットビッツ社製の缶詰にキニーネが混入される事件が起きた… 調査の依頼を受けたボナー&ラフレー探偵事務所の新人女性探偵「エイミー・ダンカン」はティングリー・ティットビッツ社を買収しようとしているP&B社の副社長「レナード・クリフ」を調査していたが、「エイミー」の伯父でもあるティングリー・ティットビッツ社の社長「アーサー・ティングリー」の指示で事件の調査から外されてしまう、、、

    しかし、その後「アーサー」から力を借りたいという電話があり、オフィスに行ってみると「アーサー」が喉を切られ、血の海の中で死んでいるのを発見… さらに、その場で「エイミー」は何者かに殴打されて気を失ってしまい、意識が戻ったのちに慌てて自宅に戻り、探偵「テカムス・フォックス」に助けを求める。

    「エイミー」に好意を抱いていた「フォックス」は、「アーサー」の殺害事件と、殺人事件に関係すると思われる缶詰へのニキーネ混入事件の真相を探るため、早速、捜査に乗り出す、、、

    「エイミー」が「アーサー」の死体を見た前後にティングリー・ティットビッツ社のビルに入った、もしくは近くにいた人物… P&B社の副社長「レナード・クリフ」、メトロポリタン・トラストの社長「ガスリー・ジャッド」、そして「アーサー」の養子「フィリップ・ティングリー」が容疑者として浮上するが、それぞれが別な理由があって、ティングリー・ティットビッツ社に行ったことを否定しますが、「フォックス」は事件の背景となった人物の隠された相関関係(親子関係)等を徐々に明らかにして真相に近付きます。

    この三人のうち真犯人は誰? とミスリードされつつ、実は社内(部下)に真犯人がいたという展開でしたね、、、

    自分たちで育て上げた会社を護りたいが故の犯行だったとは… 意外な人物が真犯人でしたが、ティングリー・ティットビッツ社の製造責任者「G・イェーツ」の証言は疑わしい感じがしていたんですよね。


    1940年代という古き良き時代… ノスタルジックで小粋な雰囲気に浸りながら読めたので、現実逃避できて良かったな。



    以下、主な登場人物です。

    「テカムス・フォックス」
     探偵

    「エイミー・ダンカン」
     ボナー&ラフレーで働く新人女性探偵

    「トル・ボナー」
     エイミーの上司

    「アーサー・ティングリー」
     ティングリー・ディットビッツ社の社長

    「フィリップ・ティングリー」
     アーサーの養子

    「ソール・フライ」
     ティングリー社の営業部長

    「G・イェーツ」
     ティングリー社の製造責任者

    「キャリー・マーフィー」
     ティングリー社の従業員

    「レナード・クリフ」
     P&B社の副社長

    「ガスリー・ジャッド」
     メトロポリタン・トラストの社長

    「ナット・コリンズ」
     弁護士

    「ジョゼフ・デーモン」
     ニューヨーク市警察の警部

    「スキナー」
     地方検事

  • 現代だったら「苦いオードブル」は大問題になるだろうにw
    古き良き探偵小説だなぁ。
    ロマンスのもっていき方にも時代を感じる。
    いろいろとのんびりしてますよ。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2011.7.16読了

    ネロ・ウルフ物を読もうと思って、誤って借りてきたが、なかなか面白かった。

    ウルフとは対照的な名探偵テカムス・フォックスが大活躍。
    老舗食品会社の看板商品である瓶詰オードブルにキニーネが混入されるという事件が続くなか、その社長が殺される。第一発見者のエイミー・ダンカンはキニーネの件を調査していた魅力的な新人探偵 窮地に陥った彼女を助けるため、フォックスが大奮闘します。

    クラシックな探偵小説といった感じ。読後感もいいです。

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著者プロフィール

本名レックス・トッドハンター・スタウト。1886年、アメリカ、インディアナ州ノーブルズヴィル生まれ。数多くの職を経て専業作家となり、58年にはアメリカ探偵作家クラブの会長を務めた。59年にアメリカ探偵作家クラブ巨匠賞、69年には英国推理作家協会シルバー・ダガー賞を受賞している。1975年死去。

「2024年 『母親探し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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