風の十二方位 (ハヤカワ文庫 SF 399)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150103996

感想・レビュー・書評

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  • 著者にどこまでついていけるか。寓話・神話・逸話・昔話。想像力が試された感じがする超・作品集。難解な箇所も多く、読むのに時間掛け過ぎた。完全に理解するには今の自分が持つ知識と時間では足りない。そんな具合で読み続けて印象に残ったのは以下の話。

    孤独な異端者らは引き寄せ合い集う「四月は巴里」。

    現実逃避ではなく己と向き合い自分探しの旅に出るような、ハヴ・ア・「グッド・トリップ」。

    残された一人のクローンのその後の生き方が気になる「九つのいのち」。

    最後には星の光が見えて学者も報われるがちょっと切ない終幕の「地底の星」。

    など、この本書中ではどこか(解りやすく)前向きに終わる作品が好み。
    その他、ちょっとぶっとんだ発想の、擬自我(意志)を持った(擬人化)大樹の働きが描かれた「相対性」も面白かった。
    そして、「オメラスから歩み去る人々」。色んな点で考えさせられる主作品。
    全編通して、いつかまた挑戦したい。

  • ちょっとした仕掛けで、
    正統派ファンタジーがあっという間にSFに早変わりします。
    SFとF(ファンタジー)は相性がいいんでしょうね。

  • BTSのspring dayの原典的な本とのことで「オメラスを去る人々」を読んだ。テーマは「なるほど」となったけど文章は読みやすくはなかった。訳のせいかな。

  • ときに美しく、ときに物悲しく、ときに晦渋である18篇の小説を収めたル・グウィンの短編集。
    荘重で神話的な『冬の王』や寓話的な『オメラスから歩み去る人々』などは特に印象深かった。

    SFからファンタジーまで、作品群があまりに多彩なので、集めるとまとまりを欠くようにも感じるけれど、世界への精緻な洞察、思考停止に流れる怠惰さへの怒り、精神の高潔を愛する強さなどは、他の長編と同様、これらの短編の根底にも一貫して存在しているように感じる。

  • ずーーーっとさがしてた本をやっと借りれた オメラスから歩み去る人々、歩み去る人々も幸福を受け入れる人もどっちも正しくって前提だけが正しくないのがどうしようもなくて良かった

  • わたしたちの心にはそれぞれ森がある。踏みこまれたことのない、果てしない森。だれしも、夜ごとひとりでその森をさまようのだ。

  • ドラマか映画のMOZU に、でてくる人物の台詞から興味を持ち、読む。
    著者のアーシュラ・K・ル・グィンはゲド戦記の著者でもある。
    闇の左手がとても気に入ったものの、他の著書を読むことなく過ごしていたので、これも何かの縁だと感じ早速購入。
    自身の生命力を削りながら歩む人。孤独恐怖それの先にあるものを掴んだ人。揺るぎない物語の数々。物語の全てを汲み取れてはいないが、それでも充分に魅了される。

    俄然、ゲド戦記が読みたくなった。

    今、表に太陽は輝いているのか?
    そうともー今ではな
    そうか、それならこれも無駄ではないな
    暗闇の箱より、P.109

    もの、地底の星、暗闇の箱、

  • 2019.10.13市立図書館

  • 「セムリの首飾り」★★★
    「四月は巴里」★★★
    「マスターズ」★★★
    「暗闇の箱」★★
    「解放の呪文」★★
    「名前の掟」
    「冬の王」
    「グッド・トリップ」
    「九つのいのち」
    「もの」
    「記憶への旅」
    「帝国よりも大きくゆるやかに」★★★
    「地底の星」
    「視野」
    「相対性」
    「オメラスから歩み去る人々」★★
    「革命前夜」



  • mmsn01-

    【要約】


    【ノート】

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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