ノーストリリア: 人類補完機構 (ハヤカワ文庫 SF 710)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150107109

感想・レビュー・書評

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  • あとがきより「スミスについて最も重要なのは、彼の短篇すべてが、完全に首尾一貫した幻想宇宙とじかにかかわっているということである。それらはひとつのシリーズの続篇というよりは、巨大なモザイクの中の一枚のタイルに近い。宙ぶらりんの結末や伏線のように思えるものも、実はべつの部分の重要な断片であって、あとでそちらのタイルを並べおわったとき、はじめて作者の意図した機能を帯びてくる。」まさにそんなタイルを並べおわった後のような作品。ただ、人類補完機構シリーズが未完だということが惜しまれる。

  • 主人公はクメルと結婚できない代わりに彼女と共有する「千年に思える夢」のなかで思いを満たした。何十匹も子猫が生まれ、夜泣き?、乳やり、給餌、狩猟教育、などに苦労したことだろう、苦労は楽しみだ。その夢の中の夢はどんなものだったろうか。昔は夢なら仕方がないじゃないかと思ったが、人生の終わりに近づいた今となっては夢を見られた幸福をうらやむ。同種の夢は主人公を憎んだ「抗老化剤不可の特異体質」のライヴァルにも与えられ、彼も満足した。ともあれ“死”を克服した姿は感動を呼ぶ、“満足しての死”には何年何人の子が必要だろう?

  • この作品を読み終えると、「鼠と竜のゲーム」や「シェイヨルという名の星」をもう一度読みたくなり、これらの短編集を読み終えると、またこの作品を読みたくなり、そしてまた……。浅倉久志訳。昭和六十二年三月三十一日発行、定価540円。
    収録作品:「ノーストリリア」、「著者について」(J・J・ピアス)、「訳者あとがき」

  • SF。ファンタジー。人類補完機構。
    コードウェイナー・スミス、唯一の長編作品。これだけで読む価値があるでしょう!
    はっきり言って、細かい所はほとんど理解できていないが、それでも良い物語だった。
    『スキャナーに生きがいはない』『アルファ・ラルファ大通り』で読んだ短編と同じシリーズで、密接に関わっている。
    理解できるまで、何度も読み返したい。

  • 奥は深いが短編の切れがない
    表紙   7点木嶋 俊
    展開   6点1975年著作
    文章   7点
    内容 800点
    合計 820点

  • 補完機構や官僚主義はやたらとパターナリズムで著者はどうもそういうの奨励している感じあって,ちょっとついていけない.

    小説としてもやたらと詩歌が挿入されて,日本語で読む方としてはどうしたものかと思ってしまう.

    しかし,紡がれた話はやはり傑作である.

  • これもまた久々に読み返したわけですが、30年近く前ですから、当時は
    大学生。
    なんだか懐かしいようで、いまだに新鮮な驚きがあるのは作品のよさ
    ですね。

  • SF長編。ハード過ぎもせず荒唐無稽にもならない絶妙なバランス。
    主人公の少年がひょんなことから地球を買い取り、故郷を離れ、また戻ってくるまでの物語。
    雰囲気軽めでさらっと読めるけど、どきどきわくわくできます。
    展開ペースが前半遅め、後半早め、なので前半はさらっと、後半はじっくり読むとお得かも。面白さも後半が本番!

    あと、猫大活躍。すてき!

  • 某アニメとは無関係

  • お話は簡単だ。むかし、ひとりの少年が地球という星を買い取った。
    場所?場所はオールド・ノース・オーストラリア。
    時は――<人間の再発見>の第一世紀。



    もう、コレだけ知れば読まなきゃダメでしょう?
    読みたくてウズウズしてきたでしょ?
    コードウェイナー・スミスの長編小説。
    一万年以上続く人類の歴史。遠未来の物語。


    この作品でも、コードウェイナー・スミスの作品という事だけあって
    へんてこりんな設定や展開が待ち受けています。
    スゴくわくわくしてドキドキする。
    そこには古典ネコミミ、ク・メルとのロマンスだってある。

    さてさて、感想はというと、やっぱり最初は読みにくいんだな。
    コードウェイナー・スミス独特のリズムで文章が進むから理解するのが大変。
    最初はまったく意味が分かりませんでした。(なんで地球を買っちゃうのよとかね)
    でもでもやっぱり心に残る作品なんだ。暖かいものがじんわりと。

    『ノーストリリア』は5年前に買ったんだけど一回読んだだけじゃダメだね。
    ぜんぜん楽しめない。前半の地球を買って地球に行くまでのくだりはたるいし、逆に後半は転がるように物語が展開してついていけない。
    だから、はっきり云って期待はずれでした。

    でも、短編集の『鼠と竜のゲーム』や『シェイヨルという名の星』、『第81Q戦争』を読んでからだと、まるで別の作品みたいに楽しめるんです。
    全てを通して、1本の長編映画のダイジェストを観た感じ。
    気持ち良く爽快で心地いい感じ。
    ダイジェストだし軽く観てみようかなてなノリのお手軽さ。

    ちょっと思い出してペラペラ捲ると新しい発見のオンパレード。
    そんな作品です。


    『ノーストリリア』を読むなら、是非シリーズの短編集も読んでみてはいかがでしょうか?
    オススメです。

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