ノービットの冒険―ゆきて帰りし物語 (ハヤカワ文庫 SF マ 4-2)

  • 早川書房
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本棚登録 : 89
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150113575

感想・レビュー・書評

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  • ジョブナイルとして始めから読めば、読み易くて楽しい
    表紙   5点小菅 久美   浅倉 久志訳
    展開   5点1999年著作
    文章   5点
    内容 672点
    合計 687点

  • 最近はファンが面白いことするかもね!


    「ゆきて帰りし物語」のサブタイトルから 推して知るべし、J・R・R・トールキン著『ホビットの冒険』のパロディ♪
     本好きの友人が貸してくれました。受け取ってから少し困惑。理由はあとで★

     笑かしていただきました! こういう言い回しが失礼でなければいいのだけど、パロディ、二次創作、と聞いて想像するよりずっと高い水準。元本『ホビットの冒険』ファンはもちろん、未読の人も楽しめるでしょう。

     時代は移り、もはや星間旅行も当たり前という優雅なる未来世界。ホビットならぬノービットは、いささか古風な観念を保守する集まりらしく、遠出や冒険はお好みでなく、軌道上で安穏たる生活を送っていました。しかしベイリー氏は、拾ったメッセージ・ポットがきっかけで、巻き込まれ式に宇宙冒険にくり出すことに――

     この「巻き込まれ式」ってのが、結構読ませるのです★ キャラクターがいきなり勇ましく立ち上がって戦い始めると、何もしていないこちらは疲れてしまうからね。やむを得ず腰を上げるようなホビット……じゃなかった、ノービットの気質に対してわき起こる、あたたかい共感に動かされて、ページを繰ったのでした。
     SF冒険モノへの変換も面白おかしいから、一気に読み上げて、しょうがないなぁ……と「許す」ことにしました。

     というのも、この手の本(有名著作のパロディ)が商業ルートにのるのを、私はあまり快く思わないほうだったのです。あの気高いトールキンをいじられるのはちょっと……。同人誌じゃダメかな? とか。

     その認識を少しだけ改めました。ファン心理のままに突き進んだ先で、パロディの中にオリジナリティがたっぷり分泌されちゃう場合もあるかも☆ ホンモノに触発されて、ファンがすごい、ファンが面白いことする、という事態も起きるようです。

     巻末、妙に「腑に落ちた」感を抱かせる名解説が添えられ、作品の理解を助けてくれます。

  • ホビットの冒険のSFパスティーシュで話の筋も表現もとくに原案を越えるようなものは特にないのだけど,ただし,ガンダルフとドワーフ一行が女性化されているという点は良いと思った.
    原作のむさくるしい髭おっさんだらけの旅(それが良いという人も居るでしょうが)がハーレム旅行になるという良い改変である.
    このあたりは簡単に性を飛び越える女性作家ならではの改変だろう.
    ただし,話は原案に忠実で男女の性を意識させる展開は全然なしでそこがもったいなかった.

  • ホビットの冒険にヒントをうけた作品ではあるけど、内容そのままで翻案しているわけではないです。
    一方通行のワームホール、超古代エイリアンの超技術遺産、クモ型星雲生物、黒ひげ宇宙海賊、クローンをスペアパーツとしかみなさい復活党などなど…
    SF者が嬉しくなる設定がたくさんつまった、痛快スペースオペラ。
    ホビットの冒険読んでても、読んでなくても楽しめることうけあい。

  •  ホビットの冒険のSF版。期待していたほど女性ばかり出てくる印象はない。
     しかし原作読んでいないと普通に面白いSFですよ。
     次は原作を読んだ後に読み返したいな、と思いました。

  • 『ホビットの冒険』のSF化パロディ(?) ホビットの冒険を読んでなくても楽しめるが、読んだ方が倍楽しめると思う。

  • 「ホビットの冒険」のSFパロディ。日本語訳もですます調になっている。元ネタを知らなくてもたぶん面白いけれど、知っていれば話の展開・登場人物・指輪の力まで、SF的にこう置き換えたか!という楽しみがある。

  • 「ホビットの冒険」を下敷きにしたSF。
    ドラッグとフェミニズム礼賛が若干鼻に付くものの、本家をいかに改築していくかを楽しめる。
    ともあれ、女性ばかり出てくるSFに違和感を覚えるというのは、私も男性主体の見方をしていると言うことか?銀英で男ばかり出てきても、別段変には思わないのだから。しかし、後半では女性の集団への批判も見て取れ、印象としては全体のバランスが取れている。
    最後の猫の名前と、語り掛ける言葉に思わず涙。

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