- Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150117429
感想・レビュー・書評
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猫の表紙に惹かれて読んでみたが、内容ととても面白かった。
最近は異世界転生や異世界転移モノが流行ってるけど、30年先の近未来へ飛ぶ(眠りつづける?)ことも斬新な発想。
1979年に書かれたらしいけど、その時に2000年がもっと便利になってるという想像だけでこれだけの内容が書かれていたのかと思うと感服する。
恋人、友人に裏切られた若い技術者が、30年先の未来に行き、起こった出来事を答え合わせをするかのような感覚で30年前に戻り、見つめ直す。
未来で知った事実から、過去に戻って失敗したことをやり直す。。。字面にするとなんだか味気ないけど、ダンの感じた興奮、怒り、悲しみ、すごく共感、というか伝染してこちらまでワクワクドキドキしてくる。
もちろん猫のピートの振る舞いがそれに花を添えていることも間違いない。いやー面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイムマシンSFであり
ネコSFなのか…
ロリコンSFなのか…
ネコロリコンSFなのか…
「ネコロリコン」って、新種のエネルギー思念体のようなSFっぽい響きだな。
とても希望に溢れた話のようで
行動だけ見ると、そんなにいい事を
しているようには思えなかった。-
2020/07/14
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名作と言われているSF作品。最初に日本語に訳されたのは1958年というから表現の仕方や話し言葉はさすがに古くさい。
だけどストーリーの構成は名作と言われるだけあって見事の一言だ。
技術者である主人公は自ら発明した機械の販売のため、共同経営者と組んで事業を開始する。途中で事務処理のために雇った女性と3人で事業を続けるが、経営方針の違いと共同経営者の悪巧みにより追放されてしまう。もはや生きる意味もなく、コールドスリープで未来に行ってみるかと自棄になっているところから物語がはじまる。
この物語は一言でいうとタイムトラベルやタイムリープものだ。未来への時間移動をコールドスリープを利用してるところが面白い。最初は主人公の悲惨な境遇がこれでもかと描かれてゲンナリするが、タイムトラベルにより伏線を回収し、見事に大逆転してくるところが爽快で気持ちいい。
タイムリープものの原点のストーリーなんだろうなと思う展開。古臭いけど色褪せてない。最後はきちんとまとまるので、読後感も爽やかで心地よい。
猫のアクセントも非常にいい。猫愛がある。
また、読み返してみたいと思う良書だった。
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少し古めの作品なのでどうかと思ったのですが、意外に読みやすかった。
訳者の力だろうか。
普段はあまり読まないSFですが、なぜか突然読みたくなるときがあります。
SFですね~。
面白くは読めましたが、少しの物足りなさが残りました。
たとえば、主人公の友人が突然死亡しているが、その死因も原因も分からないまま。
タイムトラベル? スリップ? 物にしては少しハラハラドキドキ感も薄い。
しかし、つまらなくはありません。
【ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。】
この名文にも惹かれました。
余談ですが、この文庫の表紙の猫の絵が凄いです。
毛の一本一本、フォルム、ヒゲの感じ、完璧です。見惚れます。特に後ろから見た耳の感じが今にもピクっと動き出しそうで良いですね。ぜひ頭を撫でたい!
あ~、猫を飼いたい。共に生活してみたい。
ちなみに作中、この猫、ピートくんが大活躍します。 -
作者が猫を飼っているからであろう、出番こそ多いわけでないがこの作品のキーとなる猫のピートの描写がとても丁寧に描かれている。
文化女中器は面白く自分でも色々と想像してしまった。
夏への扉という題名がとても素晴らしい -
SF初心者は読むべき。猫好きは読むべき。夏なら読むべき。ハッピーエンド好きなら読むべき。とにかく読むべき。読んどくべき。愛しい。
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名作SFと名高いこのタイトル、SF好きを名乗る以上は押さえておかねばと手を出しましたが……いや、名作と言われるには、やはりそれだけの理由がありますね。面白さにぐいぐい吸い付けられて、のんびり読むつもりが二日で一気読みでした。
話の巧さ、面白さは言わずもがな。何より、今更になって読むからこそ、六十年以上?前に書かれたこの作品に出てくる筆者の想像力と先見の明に感服させられます。ル●バが……こんな時代からすでに、●ンバの着想がこんなにしっかりと……! -
猫とSFといえば「ドラえもん」。何度も出る言葉「夏への扉」は「どこでもドア」を想起させる。それに、のび太とはいわないがお人好しな主人公。思わずエールを送っちゃう。
どんな過去よりも未来のほうが絶対に素晴らしいのだいうメッセージ。子どものような無邪気な空想の世界に浸れた。 -
なんでもっと早く読まなかったのだろうと後悔するほど素晴らしい作品だった。読んでいて「変だな」と思ったところが物語の後半でどんどん回収されていき、もう夢中でページをめくった。過去と未来が交差して点と点がつながる瞬間が堪らない!
すべてのSF好きと猫好きに贈りたい。 -
なにより猫のピートが可愛い!
コールドスリープまではドロドロ展開だけど、その後からSF的なアイテムや謎が生き生きと描かれて心を奪われた。
今から60年も前の作品とは思えない。
パラドックスは深く描かれないけれど、そのシンプルさがよかったと思う。