魔法の王国売ります! (ハヤカワ文庫FT―ランドオーヴァー 1)

著者 : テリー・ブルックス 井辻朱美

• 早川書房 (1989年5月1日発売)

感想・レビュー・書評

[みさきさんの感想 · 2022年10月25日]

できれば原文がよかったが古すぎて見つからず訳本。Tolkienより面白い。主人公が凡人（弁護士を凡人と言ったら大変だけど）なファンタジーとはUSっぽさが薄くて良き。私も年取ったなぁ。

[yaokumaさんの感想 · 2021年5月31日]

十代の頃読んだときには、さほど面白さを感じなかった気がする。主人公がおっさんだからだろう。
おっさんになった今読むと、なかなか面白い。おっさんになったからだろう。今はやりの異世界ものと違って、チート能力もなく、異世界での難題解決が進まない現実派、というのもおっさん好み。

[kazu51さんの感想 · 2021年4月30日]

「こんな王国が私も欲しい」
「魔法の王国売ります！」タイトルがおもしろくて買ってみました。
主人公の弁護士ベンがクリスマス商戦のデパートのカタログから買ったのが“ランドオーバー”という魔法の王国で、ベンはこの王国の王様になってしまいます。
本格的なファンタジーファンからは、繊細さが無い、奥行きが無い、と批判されちゃいそうな箱庭っぷりですが、こんな小さな王国の中にもドラゴンや魔女、妖精や、妖魔がちゃんといます。
これら“ファンタジー”的な生き物と、現代的な知性の持ち主のベンがやりあう様が楽しい作品です。

[うさぎさんの感想 · 2020年9月4日]

長かった❗️何度も途中放棄しようかと思ったが、なんとなくそうできない魅力があった✨妻を亡くしたベンは弁護士として働く現実になんの魅力も成果も感じなくなっていた。そこへなんと「魔法の王国売ります」という広告を見つける…ってお話。でもその王国に行ってもなんにも出来ない。そりゃそうだ、現実の世界だって、突然外国人がやってきて我が国のリーダーになるから崇め奉れって言われてもね

[escape2009さんの感想 · 2018年11月26日]

魔法の王国売ります! (ハヤカワ文庫FT―ランドオーヴァー 1)

[木谷梨子ꕤさんの感想 · 2016年2月9日]

　百万ドルでつかむ、魔法の王国でのやり直し人生！　妻に先立たれてから自分の殻に引きこもり、「人生おしまいモード」に入っていた中年男ベン・ホリデイ氏が、お金で買えるファンタジーを見つけました。

　現地に足を運んでみると、広告詐欺みたいな欠陥持ちの「物件」だったのだけれども、ホリデイさんは心を決めちゃうのです。
　まずは諸侯から誓約をとりつけ王として認められるべく、奮闘を始める――

　と、筋書きだけ追ってみると、荒唐無稽なドタバタ調の読み物としか思えないのですが、どうしてこれが見た目ほど軽くないのです★
　ファンタジーの王国も、入国すればそこが現実。ランドオーヴァーはハリボテでこしらえたものではないのです。王国の質感が3Dで迫ってきます！　ここは井辻女史の魔術的な翻訳も功を奏していそう☆

　おもしろおかしい箇所もあります。空想好きの中年男が考えることって時々寒いし。数少ない味方は、肝心な場面で失敗する魔法使いと、初対面で恋人宣言してくる変な妖精。書記は犬……？　笑えるキャラクターやエピソードは枚挙にいとまがないのです。

　にもかかわらず、少々本気で読まされてしまうのは、この新しいランドオーヴァー王に、カリスマ性というのとは全く違うものだけれど、人を惹きつける何かがあるからかな。
　亡くした妻やシカゴの友人への思いを引きずりながらも、来たからにはこの国の未来を気にかける苦労性。そういう胸の内を、テリー・ブルックスはコミカルに語り飛ばすのではなく、しっとりめに綴っている。そのしっとりナイーヴさが、何となく応援したくさせる秘訣なのかも!?

　と思ったら、やはり人徳があるようで、にわか王のわりには早くも周囲の信頼を勝ち得たらしいベンさん。第一、まともに仕事する。この調子でやってたら結構いい線行きそうですね。勉さん、とお呼びしたくなります。
　続編もあるらしい。頑張れ、勉さん!!

[恵賭 -keito-さんの感想 · 2013年3月2日]

野暮ったいながらもキャッチーなタイトルに
作品自体も軽いものだろうと甘く見ていた。

このままでは生きていても死んでいるのと変わらない。

妻を事故で亡くした男の鬱々とした情念から始まって、
悲しみから抜け出すことのできない虚無感から抜け出すために
疑いながらも魔法の王国に足を踏み出す。

人生に疲れた大人向けの冒険小説。

ややファンタジーの世界観が軽く感じるのは、
全体が重くなりすぎないような配慮だと思われるが
それによって厚みがあっても読みやすい。

救世主となりうるパラディンの使い方は見事。
魔法の王国を救ってきたパラディン(騎士)は誰なのか。
考えながら読み進めていくと面白いと思う。

[riesyan2さんの感想 · 2013年3月1日]

おもしろいです。
愛する妻を無くした腕利き弁護士のベンがデパートのカタログで「魔法の国売ります」を見つけたことから物語が始まります。ランドオーヴァー王国。確かにドラゴンも騎士もいるけれど。続きを早く借りにいかなきゃ

[calさんの感想 · 2012年3月20日]

映画化権をワーナーが取得しているらしい。
ユーモア満載だけど、元弁護士によるまじめなファンタジーでした。
へえっ、著者は「シャナラの剣」の作者なのね。今度読んでみよう。

[sally---brownさんの感想 · 2011年1月28日]

ファンタジーワールドで繰り広げられる主人公の自分探し