もう一人のチャーリイ・ゴードン (ハヤカワ文庫 JA カ 2-12 ノスタルジ-篇 梶尾真治短篇傑作選)

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150307349

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  • 「梶尾真治」の短篇SF作品集『もう一人のチャーリイ・ゴードン―梶尾真治短篇傑作選 ノスタルジー篇』を読みました。

    「新井素子」の『チグリスとユーフラテス』に続きSF作品です。

    -----story-------------
    誰もが涙した感動の名作『アルジャーノンに花束を』へ熱きオマージュを捧げた『もう一人のチャーリイ・ゴードン』をはじめ、旧家での哀愁をおびた不思議な一夜をせつせつと語る『芦屋家の崩壊』、結婚百周年の老夫婦を思いもよらない形で祝福する『百光年ハネムーン』と、いつの時代でもどんな場所においても、昔をふるかえると懐かしさに思わず心揺さぶられてしまう人のやさしさ悲しさを描くノスタルジック・ロマンス6篇。
    -----------------------

    1978年(昭和53年)から1991年(平成3年)に「早川書房」が発行するサイエンス・フィクション専門雑誌『S-Fマガジン』に発表された作品から、ノスタルジック・ロマンス6篇をセレクトして2003年(平成15年)に刊行された作品です。

     ■もう一人のチャーリイ・ゴードン
     ■芦屋家の崩壊
     ■地球屋十七代目天翔けノア
     ■夢の神々結社
     ■清太郎出初式
     ■百光年ハネムーン

     ■果時似に送る手紙 恩田陸

    それぞれ愉しめましたが、印象的だったのは、

    「ダニエル・キイス」の『アルジャーノンに花束を』へのオマージュで、新薬の実験により若返り、子どもの姿になった父親が、同じ実験を受けていたネズミの死により、自らの死を覚悟し、離婚した妻に引き取られた息子に会いにいく『もう一人のチャーリイ・ゴードン』、

    「エドガー・アラン・ポー」の『アッシャー家の崩壊』へのパロディで、年老いた主人公が一人で暮らしている古い屋敷に、大嵐の日、様々な時代の服装をした不思議な男女が集まってくる『芦屋家の崩壊』、

    「H・G・ウェルズ」の『宇宙戦争』へのパロディで、舞台を明治時代の熊本に置き換えた感動作『清太郎出初式』、

    の3作品ですね… 久しぶりに『アルジャーノンに花束を』を読みたくなりました。

  • 久しぶりのカジシン。
    読んだことある気がする話もあったけど、十分楽しめた。

  • タイトルに惹かれて借りることにした。

     オープニングは「もう一人のチャーリイ・ゴードン」。想定通りのストーリーに想定通りの結末。もう一歩進んだオチがほしかったなぁ。悲哀さはあるんだけれど。でも、最終話に通じるプロローグとしては良いお話だ。

     次にゴロがいい「芦屋家の崩壊」。これ気に入った。下手に人間が中心ではないところが良い。いい味だ。そしてオチが面白い「地球屋十七代目天翔けノア」。もっとも面白いというだけかもしれないが。

     それから少し意味がわかりにくい「夢の神々結社」。本当にわからない。さらにおもしろさが感じられない「清太郎出初式」。この辺でがっかりするんだが、最終話「百光年ハネムーン」はとても良い。ハッピーエンドもさることながら、100光年先にワープして、そこから地球を見ると100年前の姿が見えるというあたりとても良い。しかもそれで、オープニングの科学者が改心して・・・。いい話だ。これお気に入り。

     ということで、ライトな感じだが一気に読めた楽しい作品集だ。

  • ノスタルジー編とあるが、少し時代が昔過ぎて
    ノスタルジーは覚えない。
    表題作の続編のように見えて、実は前作な一遍よかったです。

  • 表題作はダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」へのオマージュ作品です。また「芦屋家の崩壊」は、黄泉がえりのアイデアの原点ともいえる作品です。収録作はどれも「派手さはないけど味わい深い」系統の作品です。

    すべて、過去の短編集に入っている作品群ですが、現在入手困難なものも含まれていますので新たに梶尾真治に触れる人にはお勧めできます。

  • 本屋で見かけて衝動買いの梶真もの。まあまあであった。

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著者プロフィール

熊本県生まれ。「美亜へ贈る真珠」でデビュー。代表作に『地球はプレイン・ヨーグルト』『怨讐星域』「あしびきデイドリーム」(星雲賞)『未踏惑星キー・ラーゴ』(熊日文学賞)『サラマンダー殲滅』(日本SF大賞)、そして映画化した『黄泉がえり』や、舞台・映画化した『クロノス・ジョウンターの伝説』など。

「2022年 『未来のおもいで 白鳥山奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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