老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))

著者 :
  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150308094

感想・レビュー・書評

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  • 漂った男はベタだけど最後どうしてもグッときてしまう

  • 珠玉の短編集。

  • 迷宮の話、面白かった。
    社会の形と不完全さが描かれている。隣人無くして生きてはいけないという内容は共感する。

  •  オススメして頂いて読みましたが、面白かった……!
     環境が「生物」に与える影響や変化をテーマにしたSF短編四作。いずれも完成度が高く、設定の斬新さ・科学的説得力・ストーリーテリングの全てが高水準。そして皮肉を残しながらも爽やかなハッピーエンドというのがとても素敵///
     四編のどれもとても楽しめましたが、個人的には表題作「老ヴォールの惑星」と、「漂った男」の二編が特に好みでした。
     前者はヒトとは異なる生命体の目線での異星間交信への挑戦という設定が興味深く、また、スケール感のある惑星の設定に驚嘆させられます。想像力が全く追いつかないけれど、青一面の世界に群れを成す「生命体」をぼんやりと思い浮かべれば、実に神秘的でわくわくしました。
     後者は絶望的な状況にもかかわらず、どこかコメディのようなやりとりが面白く、妙なリアルさが怖くもあります。そして終盤の力強い書きぶり……! ラスト一行で感嘆が漏れました。

  • ・ギャルナフカの迷宮
    ・老ヴォールの惑星
    ・幸せになる箱庭
    ・漂った男
    の4編からなる短編集

    いい意味でも悪い意味でも、
    隔絶された世界でどう生きるのか
    ということを描いた作品群と感じた。

    『ギャルナフカの迷宮』
    地下迷宮に幽閉された人々、1人1つの地図を渡され、食糧と水のありかが書かれている。他の人と地図を奪い合うのか、それとも手を取り合って生きていくのか。

    『老ヴォールの惑星』
    とある惑星に棲む宇宙人が、近い将来隕石が衝突し惑星が滅亡することが判明する。他の惑星に生命体がいることを信じて、発信を続けていく。

    『幸せになる箱庭』
    宇宙のプロフェッショナルの数名の人類が、とある惑星へ向かい、その惑星の調査を行う話。

    『漂った男』
    とある惑星に不時着をする1人の男。その惑星には陸がなく、全てが水だった。
    あまりに広大すぎる水しかない惑星には、目印となるものもなく救助が困難であった。
    しかし、その水には多分に栄養があり、それを飲むだけで生きることができる状態で、ただひたすらに救助を待ち続ける。


    SFにハマるキッカケとなった作品。
    と、将来思うと感じるほどにSFの魅力が詰まっていた。

  • 長編もいいけど、短編もおもしろい。
    さすが小川一水!!

  • これは面白い。極限状況におかれた孤独な者が、他者とのつながりを見いだして懸命に生きようとする、そんなシチュエーションの短編集4編。

    「ギャルナフカの迷宮」:政治犯として捕まった主人公が地下迷宮に放り込まれる。わずかな食糧と水、迷宮の地図の一部だけを頼りに脱出を試みるが、迷宮の中には「生肉喰い」がいて...
    極限状況での孤独なサバイバルのはずが、少しずつ様相が変わっていくところにグイグイ引き込まれる。

    「老ヴォールの惑星」:超臨海水の海面が支配する世界のお話。天変地異をきっかけに惑星外交信を夢見るが...
    感動的な展開が待っている。

    「漂った男」:8億平方キロの海原しかない惑星パラーザに遭難した男の物語。遭難ではあるが極めて安全で生命の危険は無し、故郷への帰還は絶望的で音信だけは使える、という特殊設定。遭難したタテルマ少尉を音信で励ますタワリ中尉の存在が泣かせる。そして劇的な展開が待っている。

  • ほぼ海しかない惑星に落ちた男の話が忘れられない。
    超怖い。面白い。

  • ガッツリSF。
    初めて読む人は中々ページが進まないことだろう。
    個人的には最初と最後の作品が好きだ。

  • ギャルナフカの迷宮を読んだだけだけど,どうしてもこの気持ちを書いておきたすぎて…

    とにかくおんもろぉぉぉぉぉぉぉぉぉという感じ.
    脳が死ぬかと思った.
    なんでだろ,小説読んだの久しぶりだからかな?
    よくわからんけど脳が焼け死ぬかと思った.

    なんだろ,「今まで読んだもの」の中で一番好きです.はい.

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著者プロフィール

’75年岐阜県生まれ。’96年、河出智紀名義『まずは一報ポプラパレスより』でデビュー。’04年『第六大陸』で、’14年『コロロギ岳から木星トロヤへ』で星雲賞日本長編部門、’06年「漂った男」で、’11年「アリスマ王の愛した魔物」で星雲賞日本短編部門、’20年『天冥の標』で日本SF大賞を受賞。最新作は『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2』。

「2022年 『ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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