- Amazon.co.jp ・本 (626ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150309398
感想・レビュー・書評
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とても良かった。表紙絵の遠藤浩輝のマンガにしばらくハマってた。
主人公はウィスキー好きの自由を満喫している人造人間。
皆さんがおっしゃるように、とても読みやすかった。厚さの割に、あっという間に読み終わってしまった。
「自分の気の持ちようで世界はいかようにも変化する、というのは正しいかもしれないが、自分の気持ちというのは自分だけで独立しているものではないことに気づかない限り、気分は変えられないものだ。」
神林作品を読んでいると、その時その時に、自分が抱えている心の中のもやもやを、代弁してくれる表現を見つけることが多い。それで悩みが霧消するわけではないけれど、モヤモヤが言葉に変換されて目に見えるオブジェクトになるだけで、心が軽くなった気がするのは確か。歯医者で歯石を取ってもらった直後のように。(また時間が経つとモヤモヤに包まれるのだけれど。)
戦闘妖精雪風や敵は海賊でも同じような体験をした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コウさんがヘタレかっこいい
タイスがかわいい
MJがかっこいい -
なぜか人間の臓器が崩壊してしまうという奇病が突然蔓延し、人類は高度な人工臓器の開発と臓器移植技術により最初の混乱から脱した。
その後、人工臓器市場を独占していたライトジーン社が解体され、臓器製造は各部門ごとに新たな会社として独立した。
主人公の「菊月虹」は、人工臓器をめぐる犯罪を取り締まる中央署第4課に雇われている。実は彼はかつてライトジーン社が製造した人造人間で、「サイファ」と呼ばれる特殊な共感能力を持つ。普通人の思考を読んだり、思念の力だけで、普通人の心臓をも止めたりできるスゴイ能力だ。
彼はある事件で知り合った新米刑事タイス・ヴィーと共に人工臓器が絡む事件を解決する…
こんなに派手な設定なのに、アクションは少ない。最初はちょっと拍子抜けした。本とウィスキーを愛する主人公のコウさんが、社会との関わりを最小にしている自由人で、40代という体力はないが自己の確立したオトナで、さらに「テレパシーより喋ったほうがラク」という考えの持ち主だからなのかもしれない。
中篇7話の連作で一話ずつ事件が解決するので、先をあせらずゆっくり読めた。コウさんが容疑者にされる「ダーマキスの皮膚」とタイスのはしゃぎっぷりが可愛らしい「ヤーンの声」が面白かった。 -
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大っっっっ好き!!!コウが本当にかっこよくて!!ヘタレなところもまた大好き!!
神林作品との出会いの第一作です。高校生の時に出会って早5年。何度も読みたくなります。 -
面白い。テンポも良くさくさくと読めるし、いい方向に神林節がきいている。ハードボイルド好きなら間違いなく楽しめる
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一話一話ですごいまとまっていて、とても理解しやすかったです。作者の伝えたいことが自分なりに理解できたと思っています。ですが、もっと深くしてもいいと思いました。
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体内の臓器崩壊現象が頻発する未来社会。
かつて人工臓器市場を独占していた
巨大メーカー・ライトジーン社なき今、
臓器をめぐる奇怪な現象や犯罪が続発していた。
都会の片隅で自由に暮らし、本とウィスキーを愛する菊月虹は、
ライトジーン社が遺した人造人間。
虹は市警の新米刑事・タイスと共に臓器犯罪を次々と解決するが、
やがて虹と彼の兄・MJの出生の秘密に関わる陰謀が彼を襲う。
神林作品の中で一番好きかも。
これもまた人と機械をテーマにしている
何度も読みたい一作。 -
コウさんがとてもいいオッサン。アリにイライラする超能力者www
超能力者vs異形の怪物、という構図がずっと続くのかと思ったらそうではなく。
めまぐるしいバトルというよりは頭脳戦中心のミステリみたいな印象でした。
「ダーマキスの皮膚」「エグザントスの骨」は、読んでいてぞっとしたり悲しくなったり。 -
ライトジーン社によって開発された人造人間、コウ。
サイファというサイキックのような能力を使って様々な事件を解決していく。
ハードボイルドSFだそうで…。
そこここに香る哲学的語りが絶妙。
人間とは?生きる意味とは?みたいな。
コウがカッコ良くもない中年オヤジってとこが最高です。
読書とウイスキーを飲むのだけが趣味で、出来れば働きたくないとか。
私にそっくりだよ!!!(私の場合はもっぱらビールですが…)
カッコ悪い主人公最高!!!!