オランダ宿の娘 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.19
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本棚登録 : 201
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150310653

作品紹介・あらすじ

日本とオランダの懸け橋に。"長崎屋"の娘、るんと美鶴は、江戸参府の商館長が自分たちの宿に泊まるのを誇りにしていた。そんな二人が出逢った、日蘭の血をひく青年、丈吉。彼はかつて宿の危機を救った恩人の息子だった。姉妹は丈吉と心を深く通わせるが、回船問屋での殺しの現場に居合わせた彼の身に危険がふりかかる…「シーボルト事件」などの史実を題材に、困難な中でも想いを貫く姉妹の姿を描く歴史小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • シーボルト事件をミステリ風に仕上げた作品。事件の核心が抜け荷一味の陰謀だったとする独自の視点で描かれているが、違和感だらけ。長崎屋の娘達や関係者もこの抜け荷一味に監視され事件に巻き込まれる。娘達の言動も自分にはハマらなかった。国禁の地図を外国人に渡す事を、この作品中の登場者達は重大事と考えていない事が不思議。

  • 久々に 葉室麟さんが
    読みたくなって
    積読分だったものを
    読み始める

    シーボルト事件
    間宮林蔵
    オランダ商館
    阿蘭陀宿


    それぞれの
    固有名詞には
    心惹かれてしまう

    いつもの
    葉室麟さんなら
    最後まで一気に
    となるのであるが


    今回は
    ちょっと 残念

  • 江戸時代にオランダと日本の架け橋ともなる阿蘭陀宿長崎屋の人々が諸外国、武士、商人の交差点となって日本のために生きている姿が描かれている。
    シーボルト事件を中心にミステリーとして描いていて、遠山金四郎や間宮林蔵などが関わってくるのだけれど彼らの動き方は著者の創作なのだろう。
    けれど間宮林蔵については樺太探検をした人くらいしか知らず、伊能忠敬の影に隠れた人かなと思っていて、その人となりを今まで考えたことも無かったので興味が湧いてきた。

  • シーボルト事件とは、歴史では聞いたようで、詳細はよくわからず、葉室作品は大のファンなので読み始めました。伊能忠敬、東山金四郎など何気にオールスター出てきますね。
    序盤から中盤とちょっと読みづらい流れ見あったけど最後はグッとくる描写が凄い。しっかりと長編ながら軸になるテーマがブレないところがいい。事実の解説プラス創作な幽玄の世界観が独自な感じでいいです。

  • 新聞書評かな。テンポ良いミステリー風味の時代物。シーボルトや遠山金四郎など、親しみやすい登場人物が物語を加速する。もう少し謎が深いと読み応えあるんだけど。

  • 普段歴史小説読まないけど、推理小説的要素もあって、すごい面白かった!何より、シーボルト事件という史実に基づいているから現実味があってハラハラドキドキ

  • 葉室麟さん初読。江戸時代のオランダ宿。外国人と多く交流を持つ若い女性たちだからこそ、偏見なく親身に人を案じ、そして未来を探していくことができるのだと思った。当時のオランダとの交易状況を知れた。特に、たどたどしい外国語で挨拶を交わし合うところが心に響いた。

  • 幕末のシーボルト事件を扱った歴史小説。ただし超常能力や殺人事件といった要素もあり、歴史、ファンタジー、ミステリ、恋愛に人情と盛りだくさんの内容となっている。残念なのは盛りだくさん過ぎて、逆に薄ぺらになってしまっていること。

  • 葉室麟さんの著作は他に読んでみたいものがあったのですが
    書店でこちらが目につきました。

    誰もが人のために自分の役割を全うし、自分の身を守ろうとした。
    周りの人のためにと尽くしたことが、思いもよらぬねじれた方向に
    進んでしまっただけのこと...

    丈吉さんばかりではなくシーボルトでさえもみんなみんなすべて...

    若者たちの純粋さが美しい。
    深く考えさせられました。

    シーボルトに関しては、簡単な"テストに出る"程度のことしか
    知りませんでしたし(笑)それももはやすっかり忘れ去られていたなかで
    時代小説として初めて出会ったことがとても新鮮でした。

    遠山の金さんの粋な計らいには笑みがこぼれます。

  • "冬姫"を読んで以来の葉室ファンタジー。地味ないぶし銀模様の展開の中、男性キャストよりも序盤からの宿の二人娘~妙心尼、そして締め括りは"イネちゃん"奮闘♪。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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