- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150313166
作品紹介・あらすじ
現実宇宙の解像度が上がり、人類がこちら側へと退転してしばらくしてからの物語。「ベストSF2015」国内篇第1位の傑作。
感想・レビュー・書評
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円城塔を読む時の自分は少し無理(背伸び)をしている。IQの低い自分がつくづく残念だ‥‥
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プロローグのストーリーをSFという枠で表現した作品?とでも言うのでしょうか。とても面白かったです!のめり込んで2日で読み切ってしまいました。
物語とも言えないような、設定もあってないような、そんな支離滅裂な展開に意味を持たせるもっとも簡単な方法は、取るに足らないラブストーリーにすること。たぶんそんな結論を示してくれた作品だと感じたんですが、正直、全容は理解できていないのでこれで合っているのか自信はないです。
ただ、プロローグとの関係とか、円城塔作品だから何か裏があるはずとか、そういう細かいことを一切気にせずに見ると、ストーリーは面白く、設定もよく練られていて、SFとして非常に魅力的な作品だと思います。キャラクターも印象的ですし。特に朝戸連とアラクネの関係性がとても良いですね。プロローグで、「朝戸だけ別の作品に〜」と触れていましたが、まさかこんな展開とキャラだったとは笑。もっと続きが読みたいと思わせてくれる非常に満足度の高い一冊でした。 -
数々の可能宇宙を駆け抜けながら全力のミステリであり恋愛小説を駆動してゆく。小説世界を記述するのではなく、記述された小説が世界そのものであるような小説。
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あーしんどかった。
普段僕がめったに本の感想には使わない言葉で感想を述べるなら。きっと作者もその言葉を望んでいる気がするし、称賛と降伏を含意させて言うのであれば『意味がわからなかったよ』。 -
何だこれは、と最初は思いながら理解が進まないまま読んでた。
後半にかけて理解が追いついてくると世界がどう描かれているのか見え、何と何が対立をしているのかなんとなくわかってきた。スマートマテリアルとは、OTCと呼ばれるものは何か。登場人物たちは全部つながってた。文字だから表現出来て、言葉だから作られる物語。
それでも、全部が分かりきったとは言えないので、多分、芸術ってこんなものだろうという印象。 -
わけのわからないまま中程まで読んで、帯を見たらこのお話の読み方がわかって読みやすくなりました。
もう一度最初から読みたくなる本でした。 -
まさに円城塔ワールドといった感じ。頭がぐわんぐわんに絡まりながら、それが楽しい。
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本筋よりも、盛大に脱線して語られる奇想天外なSF的世界を楽しむ小説だと思っていたら、後半それが収束して、「物語世界」が見えてくる様が鳥肌もの。
この世界感を小説で表現できる事自体驚き。 -
かなり面白かった。軽快なテンポ、破茶滅茶な設定がなんとなくガイナックスを連想させた。あとカットは独特だろうからシャフト。でも「描写不可能」を描写してみせるのは、文筆じゃないとできない業で、円城塔はそれを軽やかに描いてみせるからすごい。すごいSFだと思うのだけど、だからこそ万人は読み通すのは無理で、そのすごさはすごいからこそ広くは受け入れられない類のものだと。