- Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150314064
作品紹介・あらすじ
百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する……まるで「ゲーム」のように。規格外のSF巨篇!
感想・レビュー・書評
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凄まじい情報量に溺れる。
なんとか結末までたどり着いた、ふぅ〜
それぞれの理想の王国=ゲームの王国を追い求めるソリアとムイタックの決別と邂逅。
読み応えがあるものを読みたい人におすすめ。
♫DREAM OR TRUTH/BUCK-TICK(1987)
←櫻井敦司さんの訃報に言葉もなく…ご冥福を祈るのみです。 -
上巻から約50年後の2023年を描いた下巻。
上巻は独裁下のカンボジアを描いた歴史的な内容だったけど、下巻は現代が舞台でガラッと雰囲気が変わり、その変わり様に最初はちょっと戸惑った(・・;)
政治だ、脳科学だ、個人的にはあまり得意でないカテゴリーの話だけど、上巻からの流れや、クセのある登場人物達に思わず笑ってしまうところも大いにあって、グイグイ面白く読めた。
それにしても脇を固めるクセ強キャラ、ベンもカンもヘモグロビンも、本人は大まじめなんだろうけど面白すぎる。
あと上巻から出てる泥と鉄板も、さらにおかしな事になってるし笑
二人の主人公、ソリヤとムイタック。
二人がそれぞれ目指した「ゲームの王国」。
結末があっけなくてちょっと呆然としたけれど、結局二人はあの時の事が忘れられず、待ち望んでたその日が来ることにもう満足出来たんだと思う。
上巻が圧倒的に面白かっただけに、それに比べると下巻は少しテンション下がったけど、それでもとても面白かった!
文庫本で読みましたが、小川さんのあとがきもめちゃくちゃ良かった〜!! -
上巻から50年後2020年代のカンボジアを描いた本書。
本書からはかなりSF的要素が満載だが、いまいち著者がなにを言いたいのかわからなかった。
主人公である二人の少年少女はもう初老の時期に入り、少女は政治家を目指してカンボジアの政権を取ろうとし、少年は研究の世界で名前をなす。
最終的に二人がたどり着く世界は一体どうなってしまうのか。 -
時代は21世紀に飛び、歴史小説から近未来思弁小説風に。SFとして特に目新しさはないものの、脳波を用いるPCゲームの設定に過去の記憶を絡めていく流れは面白かった。さて、肝心の主人公2人の〝対決〟の行方は…それこそ全て「無意味」と思えるような呆気ないラストだったが、後味は決して悪くない。著者のあとがきを読んで色々と納得した。選ぶ題材も作風も特異な作家さん。本作執筆中に30歳を迎えたという年齢をみても、やっぱり只者ではないと思う。
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上巻の感想でゲームのルールについて書いたけど、下巻ではゲームのセーブポイントについても少し思い巡らしました。
大事なイベントや選択肢、ボス戦の前に大体のゲームプレーヤーが行うであろうセーブ。もし選択肢を間違えても、ボスに敗れてもセーブさえ忘れていなければ、そのセーブしたところまで戻れます。
しかし人生はゲームのようにはいかない。ルールを守っていても、突然転落することもあれば、セーブをして、大事な場面のからやり直しもできない。それでも進んでいかなければならない。
上巻から一気に時間が経ち約50年。カンボジアから不正や腐敗を無くし正しい国にするため、政治家となったソリヤ。一方で脳科学者となったムイタックは、脳波を使った新しいゲームの開発を進め……
脳波を使った科学的な話もあれば、政治の駆け引き、国や正義のあり方、人生の行方、強大な力の暗部と、シリアスな場面や展開もあり、嘘を感じると性的に興奮するジャーナリスト、ヘモグロビンの話ばかりする医者と、笑わせにきてるのか、なんなのか、シュールだったり、超常的だったりするキャラや展開もあり、
物語の軸というか、背骨に当たる部分は見えているような気がするのに、細部を掴もうとするとニュルンと通り抜けてしまうような、骨太かつ、つかみ所の無い力作であり、そして怪作だったと思います。
ルールやセーブポイントといったゲームに関係することを色々思い浮かべたこの『ゲームの王国』なのですが、語り手たちが入り乱れ、時に彼らが非情な運命に終わるのも、ある意味ではゲーム的に感じました。
ゲームをやっていると「あ、これ死んだわ……」といった瞬間や、イベントの流れから「これ、選択肢間違えたな……」といった瞬間に出会うことは多々あります。そして時に初見では絶対攻略できないようなボスや、イベントがあって、理不尽さを感じるときもあります。
権力であったり武力であったり、そうした巨大な力の前に倒れた小説の中の人々の姿。それはルールも決められず、攻略法も分からず、セーブもできない世界や人生のゲームの理不尽さに直結しているよう。
ソリヤは自分たちが法や憲法、つまりルールを作る側に回り、正義が正しく遂行される「ゲームの王国」を目指しましたが、この本のタイトルである『ゲームの王国』はソリヤの理想だけでなく、歴史の影に隠れた登場人物たちの死すらも、ゲームに意味づけし、そして人生に意味づけしているように感じるのです。
国家という大きな枠組みの物語でもあったのですが、読み方を変えると、永遠の子どもの物語にも変換できそう。ソリヤとムイタック、二人とも子どもながら過酷な運命に翻弄され、多くの死に触れ、子どものままでいられず、そして決別した二人。
でもつまるところ、この物語のもう一つの本質は、ソリヤとムイタックが初めて出会い、カードゲームを始めた時から、何ら変わっていないようにも思えました。
作者の小川哲さんのあとがきにあるように、とにかく熱量が半端ない小説だったと思います。その熱量こそが『ゲームの王国』を唯一無二の作品にしているように感じます。
第38回日本SF大賞
第31回山本周五郎賞 -
上巻ほどの興奮は得られず。
散開した物語を集めるパズルゲームのような小説だった。 -
やっと読み終わった〜
文量・内容、ともに大作だよね。
カンボジアの革命を、小説として描く。時間のスパンは50年以上。
魅力的で、中にはちょっと不思議な能力を持つキャラクターたちが登場。
良作ではあると思う。
クメール・ルージュとか、歴史の授業で習ったことの解像度が、今さらになって上がった。
誰もが書ける内容ではない。
それでも、惜しいと思ってしまう。
てっきり、嘘を見抜くソリアと聡明なムイタックがさ、協力して体制に抗っていく、みたいな。そういうストーリーを期待していた。
あるいは、50年の時間を経て、当時の秘密が次々に解き明かされていく、とか。
そういうことはなく、物語はよく分からずに終わっていった印象。
盛り上がり、盛り下がり、の緩急がよく分からない。
要はとっ散らかった印象が強かった。
肝心のSF要素について、弱すぎるというか、これってSFなの…? ファンタジーと言ったほうがいいかも? -
上巻を読み終わり下巻を開いた時には、いきなり30年以上経った現代に飛んでいて少し不安にも思ったが、それは杞憂に終わり、上巻同様に楽しめた。脳波を計測して遊ぶゲームなど、SF要素が出てくるものの、人生や社会が物語のメインテーマであることは変わらず良かった。ムイタックが提示する「人生」と名づけた数字を選ぶゲームはシンプルながらメッセージ性が強い。
最後は唐突に終わった印象を受け、そこが少し残念ではあった。下巻から登場する人物も多く、日本人のNPO職員が語る途上国支援のあり方の話は興味深かったものの、本筋には深い関係はなく、そこにページを割くよりは最後をより深く描いてほしかったとも思う。
とは思いつつも、上巻、下巻あわせて800ページ以上あったものの長さを感じることはなく、面白かった。
作者のあとがきも良く、本作は30歳の大学院生が締切のない中書いたアマチュアの一作であるとのこと。
小川哲さんの作品は初めて読みましたが、他の作品も読んでいきたいです。
櫻井さん、わたしも衝撃でした。
こんなことってあるんですね。
櫻井さん、わたしも衝撃でした。
こんなことってあるんですね。
ほんとです。あるんですね。
まだ若い。
でも、最後までステージ上で輝いていた。
櫻井さんにとってこの亡くなり方が本望だっ...
ほんとです。あるんですね。
まだ若い。
でも、最後までステージ上で輝いていた。
櫻井さんにとってこの亡くなり方が本望だったなら、せめて報われるけど。
この曲は僕にってバクチクとの出会いの曲です。たぶん中学生の頃、PVで見たんだけど、長い髪を逆立て、派手なメイクをした強烈なルックス(ヴィジュアル系のはしり?)と見た目にそぐわないカラフルな楽曲に、ひとめで引き込まれました。
最近の曲はまったく聴いてないけど、活動を続けているだけで嬉しい。
たまに昔の曲をひっぱりだして、ひとりでこっそり聴く。
そんなファンとは言えないファンだけど、やっぱり残念だな…
おはようございます。
わたしも ほとんど通ってなくて、日常的に聴くバンドではないのですが、大好きでその場でライブを観ていたお客...
おはようございます。
わたしも ほとんど通ってなくて、日常的に聴くバンドではないのですが、大好きでその場でライブを観ていたお客さんからしたら、かなりの衝撃だろうな、と。
もし自分が、同じ気持ちで同じ会場にいたら、と思うと苦しくて…
ご冥福をお祈りするばかりです。