錬金術師の密室 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房
3.68
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本棚登録 : 323
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150314194

作品紹介・あらすじ

七人しかいない錬金術師の一人が殺された。軍務省錬金術対策室の唯我独尊の女錬金術師と生真面目な青年軍人は三重密室の謎を追う

感想・レビュー・書評

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  • 錬金術師が存在するファンタジー世界を舞台にしたミステリ。
    世界に7人しか存在しない錬金術師、その1人が殺害された。その謎に挑む錬金術師テレサと、軍人エミリアは事件を解決することが出来るか?
    といった内容。
    ファンタジーとしても、ミステリとしても、ちょっと中途半端な印象。

    二段階での種明かしで幕をとじるのもありがち。

  • 錬金術のある世界で起きた錬金術師密室殺人事件のお話

    ファンタジー要素を含む特殊設定ミステリ
    三重のセキュリティ扉、壁の破壊によるアラート、現場から無くなっていた可能性のある何か、残された死体とホムンクルス、外部に繋がっている経路等々

    一応錬金術のルール、出来ること出来ないことが事前に提示されていて、何が起こったのか?を論理的に推理するというのはまぁミステリと認めても良いと想う

    錬金術に関しては、史実に基づく固有名詞が中途半端に使われていて、余計な勘ぐりをしてしまったのでノイズに感じてしまう
    ま、鋼の錬金術師でも同じような名称を使ってたし、一般的にも知られた知識になりつつあるのだろうか?

    錬金術の段階に関しても、私の知っている知識とのズレがあるものの、この物語の定義をちゃんと示しているのでフェアですね

    エミリアの名前にしても、テレサの設定にしてもちゃんと伏線があって回収されているところがよい
    ただ、それでもまだ疑問というか明かされていない背景があるので、最初から続編を想定して書かれたのだろうなぁと思う



    フェルディナント三世の状況というか、この密室のアイデア自体が森博嗣の「すべてがFになる」っぽいなぁと感じ
    他にも、錬金術で出来ることと、何をしようとしていたのか?を考えると、真相はなんとなく想像できる
    パクリとまでは言わないけど、森博嗣にかなり影響を受けてるんじゃね?と思いながら読了

    案の定、あとがきで京極夏彦、西澤保彦、森博嗣、城平京、久住四季に大きな影響を受けた事が書かれてあった

    私の好きな作家さん3人がかぶっているので、多分この人の創作の方向性は私の好みに添っているのだろうなぁと思う

    城平京の「鋼鉄番長の密室」にも言及しているあたりも、やはり好みのツボが合ってるのでしょうねぇ

    確たる証拠もないので複数の推理を披露して、どの推理を真実と捉えるかを相手に委ねるという方式も今作に通じるものがある
    ってか、この方式を発展させたやつが「虚構推理」になったでしょうね

    あと、作中作の「番長の王国」ももし存在するなら読んでみたいものだ
    歩ほどは精神を削られずに読める気がする
    鋼鉄!おお鋼鉄!の下りは胸熱ものですよw

  • とても面白かったのですが、疑問に思ったことが1つ。

    族に襲われそうになり、咄嗟にエミリアが錬金術を使用したシーンがあったと思うのですが、あのときテレサとエミリアの首には爆発する首輪が付いていたように思います。
    錬金術を発動した際になぜ爆発しなかったのでしょうか?
    何か読み損じているところがあるかもしれませんが、わかる方が居れば教えて頂きたく思います。
    気になって仕方がありません。

  • 錬金術が実在する世界を舞台にしたファンタジーミステリ。
    軍人エミリアは錬金術師テレサの同行者として、フェルナンド三世が「魂の解明」を実現したとして披露する神秘公開式へと赴いた。しかし式の前夜に三世の死体が密室で発見され、二人は事件に巻き込まれることに‥
    ラノベ風のキャラ設定、ファンタジー要素が入っているものの新本格っぽい謎の構成、ラストの意外な結末など読みやすく面白かった。
    シリーズ続編も出ているようなので読んでみたい。

  • 錬金術なるファンタジックな要素がメインとなっているものの、筋立てや論理の展開はいたって古風。あとがきに書かれているような講談社ノベルスの新本格系統を思い出すような、ロジカルに意外性を導き出すお話でした。

    なので推理を組み立てていく過程を行っていくと頭でっかちというか、読んでいて平坦な印象になりかねないときもありますが、この作品では主人公の錬金術師とその相棒の軍人の水と油なペアのやり取りそのものも楽しく、早くいえば「キャラ立ち」しているので、その楽しさでするすると読めました。新鮮というほどでもなくても、読んでてストレスフリーな奇天烈風味なキャラクタの匙加減が自分にはちょうど良かったです。

    真相にどれだけ綻びがないかまではともかく、錬金術という架空の魔術をメインとしてはいても、きちんとルールを敷き、「なんでもあり」にはしていないので、論理が通ったミステリとしてもしっかり収束していると思いました。

    ただキャラクタものの宿命なのか、彼らのバックボーンについては「続編を待て!」というか、続編ありきな書きかただったのは、この物語そのものはちゃんと解決はしているとはいえ、仕方ないかぁ、と思うしかないかなと。その辺はお約束なようなもので、突っ込むのも野暮なのでしょうけれども、少し気になったのでした。

  • 紺野天龍『錬金術師の密室』読了。
    錬金術の存在する世界でのミステリ。錬金術の齎す超越的な物理法則も加味してのロジック主軸のミステリなのが好印象。この世界、この設定だからこその要素も多分にあり、ミステリ部分の甘いところはしっかり補えている。錬金術の設定もかなり練られていて純粋に世界観そのものがかなり面白い。スチームパンク的な世界観も好きな人には堪らないだろう。国家や立場、錬金術と変成術の関係など、シリーズへの布石もうまく打っていて、今作の謎とシリーズの謎を織り交ぜて綺麗にまとめ上げている。ミステリだけで見ると、メインサブ含めかなり直感で見破れてしまう向きはあるが、オマージュ的な側面もあると思われ、そういう意味では良い演出と言える。

  • 2022/11/23 読了。

    図書館から。

    気になってたので、借りれてよかった。
    著者作初。

    読みやすいとは思う。
    エミリアが女性名で慣れるまで時間かかったなー。
    ミステリもしていたし楽しく読めた。

    読みつつ、既視感あるなーと思っていて、
    ミステリとファンタジー?で、
    ロードエルメロイの事件簿とジャンル的には同じか!
    と思った。

  • いいんだけど最後がなあ 

  • 色々衝撃的過ぎた。
    テレサの頭の良さから、錬金術師だとすっかり信じてたのに、まさか嘘だったとは。
    いや、グレーか?
    妹と融合してて神印も受け継いでるし、肉体的には錬金術師と言えるような気がしなくもない。

    エミリアの方が錬金術師だったとは。
    錬金術師を憎んで軍人になったっぽいとしか思わなかったよ。
    しかも、世界初後天的な錬金術師とは…。
    復讐相手のイルカの刺青のある錬金術師とあったのがキッカケなのか?
    というか、その復讐相手の錬金術師が既に他の錬金術師達の先をいっているんだよな。
    何者なの?
    テレサの妹を殺したこも錬金術師。
    これは何か繋がりそうな感じか。

    あと、逃亡したかもしれないフェルディナント三世はまたその内出てくるの?
    脱走した訳も知りたい。
    施設から出る方法を思いついたから試しただけ、という穏便な理由なら良いけど、もし裏があったらきな臭そう。

    最後、テレサとエミリアが共犯関係かつ運命共同体になったのは胸熱だった!
    お互い復讐相手の情報を得るためとはいえ、なかなか胸熱な展開だった。
    あとは、いい感じにバディ感も出てきたから離れ離れにならなくて良かった!

  • 頭がいいと設定されている人物があまり賢そうに見えないなと思いながら読みました。この世界観でミステリする意味がわからないけれどファンタジーとしての世界観は面白いと思います。

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著者プロフィール

【紺野天龍(こんの・てんりゅう)】
第23回電撃小説大賞に応募した「ウィアドの戦術師」を改題した『ゼロの戦術師』で2018年にデビュー。他の著作に新機軸特殊設定ミステリとして話題となった『錬金術師の密室』『錬金術師の消失』、『シンデレラ城の殺人』などがある。新時代本格ミステリの書き手として期待される新鋭。
本書は、2012年にメフィスト賞座談会に掲載された『朝凪水素最後の事件』、第29回鮎川哲也賞最終候補となった同名作品をプロトタイプに全面的に改稿した作品。

「2022年 『神薙虚無最後の事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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