- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150315214
作品紹介・あらすじ
隷王カイエン率いる戰の民は、覇者エルジャムカが統べる牙の民との最終決戦へ。神々に見いだされた英雄たちの物語、ついに完結!
感想・レビュー・書評
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とっても面白かった。
ただ、コンパクトにまとまっているため、この世界の壮大さのわりにあっさり感がある。全5巻、全7巻とかでこの世界を描いてくれればたくさん出てくる登場人物への深堀エピソードができて、物語にもっと厚みが出たんじゃないかなあと思う(エルジャムカやカイクバードのここに至るまでの過去エピソードもみたいし、作中時間でのいろんなキャラクターの絡みもみたかった!)。1巻から裏表紙のあらすじに「全3巻」と書かれていたので初めからきまっていたのだろうなぁ…残念。語るべきことを書いていないかというとそういうわけではなく、この物語に必要なことをわき道にそれず突っ走って行ったという感じなので、一読の価値はある。
作者の森山光太郎さんがnoteでその後の世界の動きを年表形式で紹介してくれている。この年表に書かれていることで外伝も書けそう。3巻を読み終わった人はぜひこちらも。
〈ここから微ネタバレ注意〉
物語の結末は個人的には多少ご都合主義となっても大団円ハッピーエンドが好きなのだけど、2巻当たりから読んでいて薄々感じていたけれど、この物語の結末はまぁこうなっていくしかないよなぁ。心の中にちょっと悲しみが残るけど、この世界の人たちは希望を抱いて物語を紡いでいってほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20221002
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図書館で。
三部作の最終巻。個人的にはホント、表紙の見返しのところに登場人物一覧が欲しかった。横文字名前、覚えるの難しい…
色々要素がてんこもりなので、正直に言えばもう少し巻数が欲しい気もする。けれども政治や戦闘シーンが増えると中だるみもするのでこの巻数でまとめてくれたから読み切れた感もあるような。個人的には壊す力と守る力の辺りは別にいらなかったんじゃないかな~と思ったり。能力者多いけどそれほど能力を生かしきれずに戦闘が終わった感もあるので。
なんだかずっと貧乏くじ引いていたフランの守役が可哀想だったな~と同情してしまいました。 -
森山光太郎初読。全3巻完結。ある世界で、東方世界(オリエント)・世界の中央(セントロ)・西方世界(オクシデント)でそれぞれ複数の国があるが、あるとき東の覇者(ハーン)で牙の民を統べるエルジャムカが東を統一し、余勢をかって、中央に攻め込まんとする。滅ぼされた草原の民の生き残り、アルディエル・オルグゥ、カイエン・フルースィーヤ、フラン・シャールはそれぞれの思いを秘めて、生き抜いていく。主人公はカイエン。エルジャムカとの戦いに敗れたのち、絶望のまま軍人奴隷として売られ、そこからマイ・バアルベクという娘と出会うことにより、希望を取り戻していく。そしてマイと共に世界を糾合し、エルジャムカに対抗しようとする。ベタなファンタジーで、ご都合主義の展開といえばそうなのだが、どうなっていくのか楽しみで、どんどん読み進めていくことになる。