地図にない町 - ディック幻想短篇集 (ハヤカワ文庫 NV 122)
- 早川書房 (1976年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150401221
感想・レビュー・書評
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サブタイトルに「幻想短篇集」とあるように、不思議な話が収録された一冊。
訳者あとがきに似たようなことが書いてあるんですけど、問題が上手いこと解決されそうで、でもそう一筋縄ではいかないぞ、というところがあって、それが面白かったです。
「おもちゃの戦争」は子ども部屋に入り込むおもちゃの兵隊の話でどこまでも不穏。
「地図にない町」はある日、存在しない町まで行こうとする客が駅に現れ、という話で幻想的な風味とラストが面白かったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
《目次》
・「おもちゃの戦争」
・「薄明の朝食」
・「レダと白鳥」
・「森の中の笛吹き」
・「輪廻の豚」
・「超能力者」
・「名曲永遠保存法」
・「万物賦活法」
・「クッキーばあさん」
・「あてのない船」
・「ありえざる星」
・「地図にない町」
・訳者あとがき -
SFあり、ちょっとダークなファンタジーあり。ディックにしては割りとストレート(一般の方にはそうでないかも)な短篇集。とにかく読みやすい。スラスラ読んで行き、最後の一行で「ストン」と落とされる快感。しかもほとんどが幸せな結末ではないあたりにディックらしさが漂う。やはり表題作が秀逸。
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2017年って過ぎちゃったけど、50年前にこれだけ核戦争を想像して短い物語にまとめちゃうのってスゴイ!!ばあさんのところに行った子供はどうなった?とか、1つ読んだら、一度考えたり味わったりしてから次のストーりーに進む。贅沢な時間だったなぁ。
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ディックの初期の短編が詰まった一冊。SFというより、ブラッドベリのような幻想的な作品が多い印象がある。だらだらと間延びせず、ショートショートのような簡潔さは読みやすいが、個人的には心に残る話は無かった…。
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ディックの短篇集。荒削りなSFといった趣。
「森のなかの笛吹き」「輪廻の豚」「あてのない船」「ありえざる星」「地図にない町」あたりが面白かった。 -
ディックの初期の短篇集。短編というよりも、ショートショートというレベルで短いものもある。前半は戦争を核にした物中心で、面白いのだけれども訳が「翻訳」的なため、数回戻って確認する事もあった。
中盤から怪談的な作品、実験的な作品が多くなり、ものすごく面白くなる。楽譜を生物にするとか、靴に生命を与えるなんて言うアイデア、誰が文章にしますか?しかも短い文章の中で、そのアイデアだけで終わらず、そこから発展していくんだから、ディック作品はやめられない。
訳がいまいちだった作品の分、星一つ減点。 -
20130914
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二冊目のディック。不思議な世界が現実を侵食していく様が巧いなと思った。
中で気に入ったのは「薄明の朝食」「超能力者」「地図にない町」。 -
ディックの初期作品集。「アンドロイドは~~」こそ有名だが、このような小さなけれど確実なディックの作品も読むのがホントのSF者なんです。早川さんもきっと読んでるでしょう。ほんと。