- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150402563
感想・レビュー・書評
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先に映画を観た。クライトンの著書ということでまとめ買いをしていて、未読だった。同名の映画がBSで放送されたので録画をして観た。その後、本書を読んだ。結局、ストーリーは全く違っていた。なんらかの関係があるのかどうか不明。さて、本書についてはさすがのクライトン。最初はちょっと退屈気味だったのが、途中からはぐいぐい引っ張られた。ピアースが銀行頭取の娘に取り入って、鍵のありかを探り出すあたりから、話は急激におもしろくなる。スラリのウィリーあたりも非常におもしろい。19世紀の時代風景がありありと目に浮かぶ。しかし、ウィリーにしてもピアースにしてもいったい何歳の設定なのだろう。ウィリーは子ども、ピアースはかなりの年のように思って読んでいたら、そうでもなさそうだし。電車から飛び降りる遊びが流行っていたとか、絞首刑を見学する人だかりのこととか、棺おけの中で生き返る人がいるとか、墓の中から死体を奪う人の話とか、まあとにかく話題が豊富で、ストーリーの本筋以上におもしろかった。しかし、ピアースとはいったい何者なのか。そしてどこに消えてしまったのか。
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時はヴィクトリア朝のイギリス。輸送列車が載せるのはクリミア戦争の兵士たちに贈られる棒給、しめて金塊一万二千ポンド!当時最新鋭のセキュリティで守られた財宝を頭脳明晰・豪胆なる悪党ピアースが盗み出そうと目論む。当時の風俗や社会論を織り交ぜて語られる悪漢と銀行家たちと攻防はなんとも言えずワクワクさせられてしまいます。圧倒的な情報量にもかかわらず読者を退屈させません。結末もその後を想像させてまたいい感じ。
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http://bonbyakuan.blogspot.jp/2014/01/blog-post_22.html -
お話は19世紀のロンドンであります。例によってその当時のイギリスについてのレクチュア-から始まります。ビクトリア女王治世時代に頭を切り替え、読み出します。物語よりも歴史上の出来事に興味がそそられました。例えば、セポイの反乱です。昔世界史でちょっぴり出会ったことがあります。「大列車強盗」なんて題なんで、アクション物かと期待してはいけません。歴史読本です。この言い方、少し古臭かったですかな。
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列車が本格的に使われ始めた頃のイギリスを舞台にして、列車で運ばれる大金をまんまと強奪した怪盗の物語。
どこまで実話でどこからフィクションかわからないところとか、準備段階の話を延々と書いていくあたりは、すごくフォーサイスっぽい。時代背景のせいかもしれないけど、ちょこちょこって感じられるユーモア感覚は、ポール・ギャリコを思わせる。クライトンという作者は、「アンドロメダ病原体」とか「ジュラシック・パーク」のイメージが強くて、SFというか理系の作家の印象があったけど、こんな作品も書くんだなとびっくりした。
犯罪小説だけど、全体的にのんびりとした感じで楽しかった。 :-)
2005/8/11