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- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150500979
感想・レビュー・書評
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古今東西、どんな大義があろうとなかろうと、戦争なんて碌なもんじゃない、と独特のタッチで訴えかけてくる一冊。あらゆる戦争宣伝も絶叫も憎悪も、直接戦っていない連中から生まれるのだ。プロパガンダに先導された素人兵隊が前線に送り込まれて意気込んだりパニックする様は男子高校生の喧嘩と変わらない。鉄砲に撃ち抜かれ生死の境をさまよったオーウェルの記述には目を見張るものがあった。平和を享受している時、私たちは深い深い眠りの中におり、爆弾の炸裂にでも叩き起こされない限り、目が覚めないものなのかもしれない。
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ケン・ローチ『大地と自由』の下書きとなったルポ。見、聞き、行動したことを言葉にすることについて純粋に参考になると同時に、スペインを引き裂いた戦いを追体験できる。
内戦の真の悲惨さは、身内同士で殺し合うことにあるのだと。
フランコ将軍の保守派に対し、左派がいかにばらばらであったかがうかがえる。しかしそれは裏を返せば、保守派が意見の対立を許さなかったのに対し、人民戦線側は多様な見解と立場があったことを示している。民主主義のほう芽があったが、情勢がその存続を許さなかった。ソ連共産党という全体主義の介入と、その顛末。
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