- Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150700331
感想・レビュー・書評
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「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」 ・・・開幕早々、聖地エルサレムの夜のしじまから流れ出た言葉が、犯罪の匂いが常につきまとう名探偵ポワロの耳に入って始まる本編は、『メソポタミアの殺人』に続き中東の死海が舞台となり、アメリカ人観光客の風変りな一家を襲った、起こるべくして起こった怪事件。 ポアロが解決した『オリエント急行殺人事件』や『ABC殺人事件』の鮮やかな辣腕ぶりを、作中の登場人物に言わしめた本事件の真相解明の場で、 「殺人の動機は沢山ありますが、この事件は心理学の問題です...おかげで、私の事件は完結しました! これで全てがはっきりしました!」と語るポアロの分析に、一歩たりとも近づけぬ冷徹な灰色の脳細胞の実力を見せつけられるのでした。
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情景描写、心理描写が素晴らしく、印象に残った。
複線の張り方は、十分でないと思う方も多いようだが、わたしはシッカリ心に引っかかった。
そういえば、何度も言ってたよね、と。
ただ、最後の謎解きの進行方法がなぁ…。しつこく感じた。 -
洗脳教育と、精神を病んだ家族がとても痛々しくて……
被害者は殺されるべくして殺されたって感じですね。ミステリ作品なのでいいんですけどね。
かえって謎を究明しようとするポアロさんが、余計なことをしてるみたいな……
前にもそういう事件ありましたけど。
ポアロさんは煙たがれるキャラとして描かれてるみたいな気がするんだけど、何でなんでしょうね?
「最終的に疑念が晴れて良かったね!」となるにしても、経過がもったいぶってて……ねえ?
ボイントン家の子供たちは美男美女ということなので、映像化したら素敵だと思いました。 -
殺害犯の前歴が、伏線として示唆されてなかったように思う。
犯人は意外ではあったが唐突。
その他のパズルのピースが完璧にはまるのに、そのせいで減点。 -
1938年発表
原題:Appointment with Death -
冒頭が衝撃的。
ただしこの文をあまりに気に留めすぎぬよう。
ある意味、著者が先入観を植え付ける
「わな」に過ぎませんから。
犯人は目当ての人物は当てられなくても
大体傾向としては絞られてくるはず
犯行理由は…まぁとってつけてきた感が
否めませんがそれでもトリックは悪くないので
よしとしましょう。
抑圧された人間の
精神的発狂が生々しい作品です。 -
信頼できる作家の、推理小説が読みたかった。<BR>んで、アガサクリスティー。<BR>でも、やっぱりちょいと不満。でも、つまらんことはない。