フランス白粉の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-34)

  • 早川書房
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150701345

感想・レビュー・書評

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  • 全く覚えていない。

  • 2014年2月25日、読了。

  • 1930年発表
    原題:The French Powder Mystery

  • 事件が錯綜して
    一部読みづらい部分はありますが
    非常に読み手の推理意欲を書きたててくれる良書です。
    もちろん国名シリーズのため読者の挑戦つき。

    真犯人はなかなかでないことでしょう。
    何しろ別に出てくる事件が邪魔をし
    その真犯人が出てくることを
    かたくなに拒みますからね…

  • フレンチ・デパートの収納型のベッドから転がり出たフレンチ夫人。前夜から行方が分からなくなった連れ子。消えたフレンチ夫人の口紅、マリオンのスカーフ、焼けたブックエンドの謎。社長私室に残された煙草の吸殻。社長の愛読書の謎。麻薬組織の取引。

     2010年1月31日購入

     2010年2月16日読了

  • おんもしろ

  • ニューヨーク五番街のフレンチ百貨店では最新家具の展示が目玉。ところが正午に決まって行われるショーの最中、収納型ベッドの中から女性の死体が転がり落ちて、大パニックに!しかも、その死体は百貨店の社長夫人だった。エラリイ・クイーン国名シリーズ第二作。本の感想は(どんな作品でも)なるべくいいところを見つけて書くように心がけているので、まずは良かったところから。(以下ネタバレあり)劇的な仕掛けで死体を登場(?)させた奇抜なアイデア。デパートのショーウィンドウに…店員もさぞビックリしたことだろう。最後の一行まで犯人の名前が明らかにしないという構成は、最後の最後まで推理小説読者に挑戦しているようで個人的には好みの構成。一方…クイーンパパ警視の冴えの無さ(数々の情けない発言等)、警察の初動捜査の遅れが目につく。単なる民間人であるエラリイに事件関係現場(特に社長私室)をこんなに好きにいじらせていいのか(これを言っちゃこのシリーズの設定自体に基本的な疑問が)。しかもタイトルのフランス白粉がでてこない〜。指紋採取用の粉末とフランス白粉は別ですよ!女性化粧品のファンデーションが事件のカギになってるのかと勘違いしちゃったじゃないか。犯人指摘は完全に消去法という消極的な方法だし、容疑者を絞る根拠とするには薄弱。社長私室に入ったことがある人でも、本に気付かない場合も考えられる。ラストで明かされた肝心の犯人○○も、捜査方法に長けてるなら犯行後の始末のしにくい銃殺ではない別な方法を選びそうなものだ。うーん、この犯人には納得できない。しかも犯人が分かっていながら目の前で××させてしまった捜査関係者の落ち度も…ひどい。こんなにテンション下がってしまって、続く「オランダ〜」「ギリシャ〜」「エジプト〜」まで国名シリーズに興味を保てるのか不安だ。

  • N.Y.五番街に立地するフレンチ百貨店では、通りに面したショウウウィンドウで行われる、ヨーロッパ近代家具のデモンストレーションが話題になっていた。毎正午に開かれるデモンストレーションを観に現れた見物客の前で、収納式ベッドを展開した時、一人の女性の死体が転げだす。二発の弾丸で心臓を打ち抜かれている女性は、百貨店社長の夫人であった。

    これは未読であった。今回初めて読んでみた感想は、よく出来たパズラーであるなぁと。割に早々と事件の概要が提示され、犯人の特定も比較的容易であり、「読者への挑戦」へ正解を出せる快感を比較的簡単に享受できるという点において楽しめる作品であったかと。

    だが、<font color="white">血痕から犯行現場がショウウィンドウ内部ではなく別の場所であるとするエラリーの論拠からすれば、真の犯行現場である社長室の血痕についての言及は、いささかアンフェアではないか?</font>心臓を打ち抜かれているのだから当然大量出血が起こるわけで、<font color="white">その染みは当然社長室の絨毯にもドップリ血溜りを作っているだろう。それを痕跡を全く残さず処理できるものだろうか?まして、キーアイテムになるブックエンドの底部に張られたフエルト地の僅かな色違いを言及しているのなら、絨毯の色実や柄、材質に全く触れていないのはズルくない?</font>

    それはソレとして、原題は"The French Powder Mystery"なわけであるが、これを『フランス白粉の秘密』と訳した翻訳者の胸中は察して余りある。"Powder"なら一語でいろいろな意味を持つわけだが、日本語では"Powder"に該当する単語が複数あるなかでの苦肉の策であったのだろう。

    「ローマ帽子」も「フランス白粉」も本編には登場しない。このタイトルは、国名が犯行現場(ローマ劇場の客席、フレンチ百貨店)、その後ろに続く普通名詞がキーアイテム(帽子、粉)という構造になっているのである。タイトルもまたヒントになっているのだ。残念ながら、国名シリーズは以降この法則性から外れていく。だが、この遊び心あるタイトル命名の法則は、京極夏彦の京極堂シリーズが踏襲しているのであった。日本の戦後という舞台設定の故もあってあまり目立たないが、ここ最近の京極堂シリーズ(含む、薔薇十字探偵社シリーズ)は、クイーンっぽくなってきたなぁと思ってみたり。

    <a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/1930%E5%B9%B4">発表年の1930年に何があったかというと</a>、第一回FIFA開催とかドイツでナチス党が台頭し始めたとか、そういう時代背景がある。本編とは全く関係が無いが、ハナ肇、谷啓、小林昭二、名古屋章、深作欣二監督、ジョン・フランケンハイマー監督、クリント・イーストウッド、コリン・ウィルソン、エドワード・D・ホック他、各界錚々たる方々が出生した年でもあるのであった。

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