- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150705541
作品紹介・あらすじ
けんか別れした妻が殺された。そのとき、夫は街で出会った奇妙な帽子の女と過ごしていた。唯一の証人は彼女だけ……今はどこに?
感想・レビュー・書評
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皆さんのレビューから読みたくて。有名な書き出し含めて詩的な表現と戦争間近の時代感が時限サスペンスと融合して独特の雰囲気。アリバイ証明でターゲットの人物に向かう捜査がやり過ぎ感あるが面白くてぐいぐい引き込まれた。読めてよかった。
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“夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。”
80年前に出版された古典ミステリーの新訳版。
無実の罪で死刑判決を受けた主人公の無実の証拠となる女を探していくのだが、章ごとに死刑までのカウントダウンになっておりハラハラしながら読んだ。
内容も面白かったのだが、詩的な文章がとくに好みだった。
お洒落な言い回しが随所にあるので、普段ミステリーを読まない方や文学好きも楽しめるのではないだろうか。
ちょうど読んだ時期が某漫画家さんの悲しい出来事があったあたりなので、作品に携わる人の原作者や名訳をした故稲葉明雄氏へのリスペクトが感じられたのも良かった。(あとがきでは新訳者の熱い思いが綴られている)
原作者の大切にしたいものをしっかりと護って送り出して欲しいと思う。
古い作品だがミステリー好きに是非おすすめの1冊。
こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
・ミステリーが好きな人
・どんでん返しが好きな人
・詩的な文章が好きな人
・サスペンスが好きな人 -
臨場感たっぷりの物語で読んでいてドキドキしました。ただ、わたし的にはちょっと読みにくく、読み進むのに時間がかかりました。
でも最後は色々ななぞも無事に解決し、全てスッキリ!ウィリアム・アイリッシュさんすごいです。 -
無実の罪を着せられたスコット。死刑執行までに彼のアリバイを証明する“幻の女”を探し出すべく、友が立つ。
夜のニューヨークをさまよい歩く男。どうやらムシャクシャと荒れているようだ。彼スコットは、妻と離婚について争っている最中だった。知らないバーに入ってゆきずりの女と酒を飲み、劇場でショーを見る。少し気が晴れて帰宅すると、刑事たちが待ち構えていた。ベッドで妻が絞殺されていたのだ。アリバイを証明するべく、ゆきずりの女を探し出さねばならない!しかし街へ戻って聞き込みをしても、誰も彼女のことを覚えていない。皆が口をそろえて、スコットが一人で酒を飲み、一人で劇場にいたと言うのだ。彼はそのまま妻の絞殺の疑いが晴れず、死刑宣告を受けてしまう。はたして“幻の女”はどこに……。
ミステリーの古典的傑作として有名な本作。タイトルだけがずっと頭に残っていて、昔一度読んだことがあると記憶していたが……あれ?この話は初見だ……!たぶん、何か他の作品と勘違いしている。なんだろう?
それにしても冒頭から引き込まれる展開だ。いったい何が起こっているのかさっぱりわからない不気味さ。主人公自身にも顔が思い出せない無個性な“幻の女”の幻想性。「死刑執行まであと何日」といった章立てで、タイムリミットがあるスリル感。投獄されてしまったスコットに代わり、彼を救うべく、親友と愛人が探偵役として立ち上がるのがアツい。次々と判明する不可解な出来事に、最後まで目が離せず一気に読める。そして至る衝撃の結末とは。はたしてスコットは助かるのか?もはやこれ以上は言うまい。20世紀前半の小説なので、エンタメに慣れている現代人には古さや既視感は感じられるかもしれないが、いまだにミステリーの名作として愛される傑作。ぜひともこれはネタバレにぶつかる前に読んでほしい。
本作「幻の女 ウィリアム・アイリッシュ」と似た感じのタイトルか作者名で、同じようなミステリーの古典を昔読んだ記憶があるのだが、なんだったかさっぱり思い出せない……。何と勘違いしている?本作を堪能した今後は、この、自分自身にとっての“幻の作品”を探し出さねばならないようだ……(笑)。 -
海外ミステリーの超有名作「幻の女」は絶対に読むべき作品です。
恥ずかしいながらこの作品は知っていたものの、今まで読んでいなかったことに後悔しています。
かなり古い作品ではありますが、かなり面白いです!
この作品の最大の魅力はズバリ謎です!
殺害容疑をかけられた主人公のアリバイを唯一証明してくれる「幻の女」を探し出す物語となっています。そこから明らかになる真実にあなたは必ず騙されること間違いないです!
また、サスペンスとしての色もかなり強いと思われます。
とにかく先が気になって手が止まりませんでした。
読んだ方には分かると思いますが、作中に出てくるある人物がかっこよすぎです(笑)
最近新訳版も出ていて凄く読みやすくなっています。
まだ未読の方はぜひご覧になって下さい!