メグレと老婦人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 16-2)

  • 早川書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150709525

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  • フランスの作家と思い込んでいたのですが… 実はベルギーの作家「ジョルジュ・シムノン」の長篇ミステリ作品『メグレと老婦人(原題:Maigret et La Vieille Dame)』を読みました。

    「モーリス・ルブラン」、「オーギュスト・ル・ブルトン」、「ジュール・グラッセ」に続き、フランス作家の作品… のつもりでしたが、ちょっと違いましたね、、、

    まっ、「ジョルジュ・シムノン」はパリにも住んでいたようだし、物語りの舞台はフランスだし、主人公の「メグレ警視」もパリの刑事なので、ほぼフランス作家の作品ですけどね。

    -----story-------------
    避暑客ものこり少ない九月の田舎町でおこった女中毒殺事件。
    捜査に乗り出した「メグレ」に、主人の老婦人は意外な言葉をもらした。
    女中は身代わりで、じつは犯人は自分をねらったのだ、と……老婦人の家庭の複雑な人間関係の内に秘められた謎とは? 
    フランス文壇の驍将「シムノン」が独自の心理的手法で描破する本格篇
    -----------------------

    1950年度(昭和25年)に刊行された「メグレ警視」シリーズの作品… 本シリーズって、長篇、中篇、短篇合計で100篇を超える作品が執筆されているようです、、、

    「メグレ警視」シリーズは初めて読んだのですが… オーソドックスなミステリで愉しめました。


    小雨降る9月の朝、列車を待つ「メグレ警視」は昨夜の事を回想していた… 可愛い老婦人「ヴァランティーヌ・ベッソン」が彼を訪れ、自分の毒殺を企んだ犯人を調べてくれと訴えたのだ、、、

    「ヴァランティーヌ」は睡眠薬の常習者で、就寝前にいつもの薬を飲もうとしたが、苦かったのでやめてしまった… その薬を女中の「ローズ・トロシュ」が飲んだところ、砒素中毒で死んでしまった、、、

    「ヴァランティーヌ」は、犯人が狙ったのは私で、私を殺そうとした犯人を捕まえて欲しいと主張した… しかし、「ヴァランティーヌ」の住むエトルタで「メグレ」を待ち受けていたのは憎しみ傷つけあう「ヴァランティーヌ」の家族だった。

    さえない医者「ジュリアン・スュドル」と結婚した実の娘の「アルレット・スュドル」は、純情と言う話しだったが、事件当夜、男を引き入れていた… 先妻の長男「テオ・ベッソン」は何とか「ヴァランティーヌ」と組んで財産の分け前にあずかろうとしている、、、

    そしてデイエップの金持ちの娘「エミリエンヌ(ミミ)」を嫁に貰った先妻の次男「シャルル・ベッソン」は自分勝手… 「メグレ」は地元の刑事「カスタン」とともに捜査を進めるうちに、「テオ」と「ローズ」の間に、何らかの関係があったことに気付く。

    そして、第二の被害者が… 深夜に「ヴァランティーヌ」のもとを訪ねた、「ローズ」の兄「アンリー・トロシュ」が、賊と誤解され「ヴァランティーヌ」により射殺される、、、

    「アンリー」を「ヴァランティーヌ」の家に向かうよう仕向けたのは「テオ」だった… 真犯人は?そして、その動機は? 「ヴァランティーヌ」が隠し持っていた宝石などの財産を巡る血生臭い犯罪でしたね。


    派手さはないですが、直接現場へ出向き、社会的弱者へ気配りしつつ愚直に聞き込みを行い、一歩一歩着実に事件解決に向かう「メグレ」の捜査方法には好感が持てましたね… 他の作品も読んでみたいな。



    以下、主な登場人物です。

    「ヴァランティーヌ・ベッソン」
     "ジュヴァ"クリームの経営者

    「アルレット・スュドル」
     ヴァランティーヌの娘

    「ジュリアン・スュドル」
     アルレットの夫

    「テオ・ベッソン」
     ヴァランティーヌの義理の息子

    「シャルル・ベッソン」
     ヴァランティーヌの義理の息子

    「エミリエンヌ(ミミ)・ベッソン」
     シャルルの妻

    「ローズ・トロシュ」
     ヴァランティーヌの召使い

    「アンリー・トロシュ」
     ローズの兄

    「ジョリー」
     医者

    「ルロワ」
     手伝い女

    「シャルリ」
     バーテン

    「カスタン」
     刑事

    「メグレ」
     パリ司法警察の警視

  • 避暑客ものこり少ない九月の田舎町でおこった女中毒殺事件。捜査に乗り出したメグレに、主人の老婦人は意外な言葉をもらした。女中は身代わりで、じつは犯人は自分をねらったのだ、と……老婦人の家庭の複雑な人間関係の内に秘められた謎とは? フランス文壇の驍将シムノンが独自の心理的手法で描破する本格篇

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著者プロフィール

1903年、ベルギー、リエージュ生まれ。中学中退後、転職を繰り返し、『リエージュ新聞』の記者となる。1921年に処女作“Au Pont des Arches” を発表。パリへ移住後、幾つものペンネームを使い分けながら数多くの小説を執筆。メグレ警視シリーズは絶大な人気を
誇り、長編だけでも70作以上書かれている。66年、アメリカ探偵作家クラブ巨匠賞を受賞。1989年死去。

「2024年 『ロニョン刑事とネズミ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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