バッド・ニュース (ハヤカワ・ミステリ文庫 ウ 12-10 ドートマンダー・シリーズ)
- 早川書房 (2006年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
- / ISBN・EAN: 9784150713607
感想・レビュー・書評
-
ドートマンダーにとっては不愉快きわまりない仕事だった。不幸を運んでくる男、相棒のケルプがもちかけたのは、よりにもよって墓泥棒。夜中の墓地に忍びこんで死体を棺桶ごと掘りだし、別の死体入り棺桶とすり替えるという仕事だ。依頼してきたのは胡散臭い二人組。どうやら大掛かりな詐欺を企んでいるらしい。一枚噛もうとしたドートマンダーだが、やっぱり不幸の連鎖が彼を、そして一味全体にも襲いかかったのだった。
原題:Bad news
(2001年)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドートマンダーシリーズ第10作目?かな。親友ケルプがもってきた話は墓泥棒で、墓を掘り棺をほかの棺と取りかえる仕事なのだが、序盤からスムーズにいかず、しまいには依頼してきた人たちと手をくんで仕事をすることになる。インディアンのある一族の最後の生き残りに扮して、ほかの部族をだます詐欺なのだが、二回も墓あらしをするはめになる。今回もうまくいかない加減がとてもおもしろくてよかった。
-
安定した面白さ。今回の敵役が小物過ぎて、ドートマンダー一味に貫禄すら漂ってる印象。
-
ドートマンダーにとっては不愉快きわまりない仕事だった。不幸を運んでくる男、相棒のケルプがもちかけたのは、よりにもよって墓泥棒。夜中の墓地に忍びこんで死体を棺桶ごと掘りだし、別の死体入り棺桶とすり替えるという仕事だ。依頼してきたのは胡散臭い二人組。どうやら大掛かりな詐欺を企んでいるらしい。一枚噛もうとしたドートマンダーだが、やっぱり不幸の連鎖が彼を、そして一味全体にも襲いかかったのだった。
ドートマンダー・シリーズ邦訳最終作(今のところ)です。7年の積読期間を経て一気に読み終えましたが、やっぱりウェストレイクは面白いですねぇ。ドートマンダーは相変わらず低空飛行で、本作は特に主人公らしい活躍も見せず詐欺なんて自分の仕事じゃないって感じで憂うつそうにしているんですが、それでも存在感抜群で、ようやく盗みをしなければならなくなった瞬間にパチッとスイッチが入ったかのごとく活き活きして策を練り始めればもうドートマンダーの独壇場です。もちろんアンディー、タイニー、マーチ達とのチームワークも健在です。邦訳復活希望です。 -
とっても引き込まれる作品でした。
ウェストレイク氏の作品は初めて読みましたが、このドートマンダーが出てくるものはシリーズなんですね。
章ごとに場面は変わるし、展開も早く飽きないで最後まで読めました。
またこのドートマンダーシリーズの別の話を手にとってみたいと思います。 -
自分が読んだのは初版。気のせいでなければ誤字が多いように思った。
泥棒たちと詐欺師たちが墓場の死体について頭を悩ませる話。登場人物たちのほとんど無駄口のような会話にタランティーノの『レザボアドッグス』とか『パルプフィクション』のような雰囲気を感じた。
個人的に好きだったのがクリスマスの密談のシーンと、トイレでフィッツロイが追いつめられるシーン。 -
『ダ・ヴィンチ』で紹介されていて、読んでみたがまぁ普通だったかなと。
紹介文が泥棒たちが墓場で死体の移動に延々悩む、と書かれていて、
それがおもしろそうだと思ったのだが、
中盤からそれとは別の展開となってしまったので期待外れという形になった。
普通に泥棒たちが詐欺師たちと共に大がかりな詐欺に挑むというような形で紹介されていたら、
普通に面白く読めたのかなと思った。
ドートマンダーシリーズらしいのだが、
とりあえず今のところシリーズ別作品を読もうとは思わないかな、と。 -
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2010.4.27読了
泥棒ドートマンダーと仲間たちがちょっと間抜けな詐欺師たちと繰り広げる、軽めのユーモアミステリー。
ユーモアミステリーは大好物なので面白かったが、同じ作者の鉤や斧と、かなり違った雰囲気で、よくこんなに違うスタイルで、面白いものを書けるなと関心していたら、読んだことはないが、悪党パーカーシリーズその他も、名前を変えた同じ作者ということで、才能もある所には、たっぷりあるんだなと、ちょっぴり羨ましくなりましたとさ。 -
面白かった!
ニューヨークの泥棒、ドートマンダーが主人公のシリーズの一作。
しかも!帯には「史上もっとも不運な泥棒がついに完全犯罪に成功
(まったくの嘘ではありません。念のため)」
という惹句が!
そう、いつだってドートマンダーは見かけによらず、賢いんです。
彼は詐欺や泥棒の巣窟にいるのに、決して騙されないんです。
しかし、彼の業界でだまされないだけでは、もうからないので、
同居人のメイがスーパーのレジ係をすることで糊口をしのいでいるわけです。
話の筋は、墓を掘ったり、埋めたり、動かしたり、動かさなかったり、
動かされそうになったり、元に戻したりととても説明できませんが、
みんな真剣なのにてんやわんや。
ちょっと長いけど、なかなか面白かったです。
最初から最後までにやにやしながら、読みました。
どうやら、この後にもウェストレイクはドートマンダーシリーズを
書いているようなので、邦訳を望みます。
このスラングに満ちたシリーズを、私が英語で楽しめるとは思えません。ぜひ、よろしく。
テレビや映画で笑わせてくれるものはたくさんあるけど、
本で笑わせてくれるというのは、そうそうありません。
最後にバッドニュース。
あとがきで、「一番のいい知らせは、ウェストレイクがあなたと同時代に
生きてることである」と結ばれていますが、
ああ、今年1月に亡くなってしまったウェストレイク・・・。
本当に残念です。 -
インデアンのある部族の生き残りであることを証明するために、墓を掘り返して、死体を入れ替える。ところが、それを邪魔しようと、さらに死体の入れ替えを企てる。それを阻止するための、さらに別の死体と入れ替えたのだが、元に戻せなくなってしまう。<BR>
ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダーシリーズ。悪事をたくらむ3人組の上前をはねようと知恵比べをおこなうが、外見からどじな集団だと多寡をくくられるのをすり抜け、なんとか成功に持ち込むが、結局儲けたのは、最初の成功報酬分だけだったという間抜けなお話。
2006.8.24読了