暴徒裁判 (クラシック・セレクション) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房
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本棚登録 : 43
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150715571

感想・レビュー・書評

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  • ユーモアミステリーということで読み始めたのですが、豈図らんやかなりの本格でした。しかしね、単純に本格として評価すれば、第三はちょっと無用心すぎだし、第四は都合が良すぎるかと・・・。
    ユーモアと言う目で見れば、漫才的というか、掛け合いの面白さに分類されるのでしょう。もう少し、スラップスティックな要素が入っているかと期待したのですが、こちらはさほどでは。
    どうも私は漫才的なユーモアより、オチのある落語的なユーモアが好きなようです。そういう意味ではやや物足ら無い感じがしました。

  • うーん…(感心の唸りです、あしからず)よかった、この作品も…。
    毎度のお笑いはいうまでもなく、プロットとミステリーの巧さにくわえ、どこか哀愁漂う、いつになく思索的なマローンの姿が織り込まれていたのが印象的。

    釣りを楽しもうとウィスコンシン州の田舎町にやってきていたジェイク&ヘレンのジャスタス夫妻、その許可証をもらうべく訪れていた郡の役場で殺人事件に遭遇、こともあろうにジェイクは容疑者よばわりされ、重い腰を上げてシカゴから、マローンが登場。
    そう、これはクレイグ・ライスの酔いどれ弁護士マローン・シリーズの(長編)5作目です。

    田舎では“よそ者”ということで周囲の目は冷たく、四面楚歌ならぬしまいに暴徒化しそうな緊迫状況の中、殺人は重なり、かくまう以前にジェイクが失踪してしまう。
    さすがに焦燥しきった様子のヘレン。マローンは、ヘラクレスという名の犬を案内に、ジェイク探索に、夜道に繰り出すのだった…。

    しかし、まあ、このワンちゃんと語らいながら、月夜に彷徨うマローンの姿が描かれたシーンがいいですよね。ジェイクの匂いということで、ヘビーなお酒をかがされる犬のヘラクレスも大変だけど(笑)
    今回は何度も身体をはり(爆破事件の場に居合わせるは、人助けで川に飛び込むは…)一方、自然の中で物思いにふけるマローンが魅力的。
    ようやくのことで、込みに込み入った事件も落着、そしてお話最後のマローンとヘラクレスが、何ともいい後味となっています。

  • アメリカで、閉鎖的な田舎を舞台にしたミステリを書くとしたらこんな感じというお手本。
    長くともユーモアとサスペンスはちゃんと本編中保ち続けている。
    中盤のある場面で映画化もされ有名になった日本の某ミステリ作品を思い出した。

  • ヘレンとジェイクのジャスタス夫妻は、休暇旅行で田舎へ釣りに。
    ところが郡役場で上院議員の殺人事件に出くわし、よそ者として疑いの目で見られ、ついにはジェイクに容疑が。
    弁護士のマローンは親友の御難に早速呼ばれ、田舎町の偏見を牽制しつつ、連続殺人事件の解決のために大奮闘することになります。

    気品のある美人だけど中身はお茶目で豪傑なヘレン、ヘレンを熱愛する赤毛でそばかすの行動的な新聞記者ジェイク、酔いどれだけど腕は確かな敗訴知らずの小男マローンの3人組。
    出だしの印象が良くない上院議員の娘も実は良い所があるし、教養がある郡書記のスミス氏など、脇役まで生き生きとして、読んで元気の出る作風です。
    今回はリンチにかけられそうになって行方の解らなくなったジェイクを探すために大型犬を動員、その犬とマローンが仲良くなるというおまけ付き。
    シャーロット・マクラウドみたいなコージー系が好きな人にはお薦め。

    クレイグ・ライスの5作目だそうです。
    05年5月発行、原著は41年の作品。
    「大はずれ殺人事件」や「スイートホーム殺人事件」が大のお気に入り!
    (これはもう、どんな人にもお薦めです)
    田舎を知らなかったヘレンは戸惑いつつもすごく綺麗でオッケーだけど…
    このタイトルでは地味すぎ!?

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著者プロフィール

Craig Rice

「2006年 『ママ、死体を発見す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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