泥棒はクロゼットのなか (ハヤカワ・ミステリ文庫 フ 10-5)

  • 早川書房
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本棚登録 : 69
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150774554

感想・レビュー・書評

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  • いいのいいの、謎解きの部分はどうでもいいの。洒落た雰囲気が好きなだけだから。

  • まさに絶体絶命だった。盗みに入った部屋で私が宝石を物色していると、突然、部屋の主が帰ってきたのだ。あわててクロゼットに隠れたものの、中に閉じ込められてしまった。やっとのことでかぎをこじあけ外に出ると、なんとそこには女に死体が! そのうえ、宝石を詰めた鞄があとかたもなく消えていた。このままでは泥棒バーニイの名がすたる。私は犯人探しに乗りだすが……小粋な泥棒探偵の活躍を軽妙に描くシリーズ第2弾。
    原題:The Burglar in the Closet
    (1978年)
    —- 目次 —-
    泥棒はクロゼットのなか
    解説/香山二三郎(コラムニスト)

  • 泥棒バーニィシリーズ#2。盗みにはいった先で、住人が帰ってきたのでとっさに隠れたクロゼットに閉じこめられる。その間に住人は殺され、またまたバーニィは死体と遭遇。
    前作もおもしろかったけれど、今回もなかなかよい。バーニィ、賢いのかあほなのか。ハードボイルドな男性は、酒と女ですぐ口すべらすよね。

  • 泥棒バーニーの2作目。

    また殺人事件に巻き込まれる。
    前作の事件で新聞に載ってしまい、
    行きつけの歯医者に泥棒であることを知られ、盗みを頼まれる。
    それは仕方がなかったとはいえ、
    長居しすぎるというドジを踏み、殺人現場に居合わせるとは。

    相変わらず、女にベラベラとしゃべって大丈夫なのか?と思ったけど、
    自分の部屋で死体が発見されるもなんとか切り抜ける。
    といっても、金で問題を片づけてくれる警官のレイのおかげだけれど。

    最後に行きつけの歯医者を失ったことに対する絶望感を吐露していたが、
    現在、歯医者ジプシーの自分としては、
    気持ちがよくわかった。

  • 泥棒バーニイ第二作。
    原題"The Burglar in the Closet"。
    相変わらず軽いノリで話が進む。
    確かにスカダーよりもとっつきやすいのかもしれない。

  • 面白かった。
    珍しく犯人が解った。

  •  なぜか読み逃してきてしまったこのシリーズ。何かの折に読もうと思いつつも、新刊にばかり先に手が伸びるため、古いシリーズの追いかけの時間をなかなか作れないでいる。だから、こういう本を読むことができる時間というのは、実は貴重で贅沢なものだ。

     泥棒が、もっと凶悪な犯罪に巻き込まれて四苦八苦するようなこの手の巻き込まれ型作品だけで、よくシリーズが成立するものだと思う。だからこそ、書き手の持つ才能が目立つということも言えるわけだが、今回は泥棒に入った場所で、クローゼットに隠れている間に、殺人が起こってしまうという典型的な巻き込まれ型ストーリー。

     主人公バーニーのところに結局は警察の手は伸びてきてしまい、自分で事件を解決し、真犯人を見つけ出さなければ、バーニーが刑務所へ、という切迫した状況へと追い詰められてしまう。泥棒という職業がばれてしまうという最悪の結末も、刑務所行きに自然と付随してしまう事実なのであり、このあたりが素人が巻き込まれる型の状況に較べるとだいぶ分が悪い。

     しかし、だからと言ってそう悪いことばかりでもないのだ。何しろミスター泥棒には、鍵を開けて住居に侵入するというという特技がある。この特技を、真犯人探しにどう活かし、役立てるかといったところが、このシリーズの見ものなのかもしれない。特異な状況はどこにでもあるが、泥棒という限定された特異な主人公はシリーズとしては、そう滅多にあるものではない。

     悪党パーカーは、強盗であり、暗黒街に生きるノワール系の主人公だが、泥棒バーニーは庶民的でありながら、職業だけが泥棒という、明るい親しみの持てる主人公である。いわば同じブロックのシリーズ主人公である殺し屋ケラーが、親しみの持てる殺し屋であるのと同様に。殺し屋の場合はどうしても黒い要素が濃くなってしまうのは否めないにしても。

     いずれにせよ、ブロックのシリーズは、スタークのシリーズとは似て非なるものである。そうでなければ、ウェストレイクが、わざわざ悪党パーカーのためにスターク名義に変え、作風を変える理由などどこにもない。ブロックは、スカダーみたいな真面目で根暗主人公のために、名前を変えることはないのである。同じブロックの中の別の抽斗(ひきだし)というところが、ウェストレイクの「区別」とは異なるところである。

     この時代の小説世界には、携帯電話もなければ、便利なパームトップ・コンピュータも存在しない。だから現代ではあり得ないシチュエーションが随所に散らばる。携帯の存在は、これがない時代にはとても主人公たちに不便を強いるものであり、携帯がないゆえに、人間の所在が掴みにくい。それでいて、人と人の距離感、ということに関して言えば、この時代のほうがよほどまっとうなように感じられるあたりが、何より皮肉である気がしてしまうのだが。

  • 泥棒シリーズ第二弾。このシリーズの後発のものを2冊読んでからシリーズ最初のものを読んでいるので、過去にさかのぼってる感じがします。この頃の話は家宅侵入あり、女性との色っぽい話あり、の展開が定番な感じです。古い映画好きで、こじゃれた会話の好きな人にはお薦めの一冊。

  • バーニィシリーズ2。

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著者プロフィール

ローレンス・ブロック Lawrence Block
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、100冊を超える書籍を出版している。
『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)最優秀長篇賞、
第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。
1994年には、MWAグランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の巨匠としていまも精力的に活動している。

「2020年 『石を放つとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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